自然のなかで楽しむキャンプに虫はつきもの。
そこで今回は、虫対策について、アウトドアコンサルタントの小清水哲郎さんに教えてもらった!

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小清水哲郎さん
アウトドアコンサルタント。ウィルダネス リスクマネジメントジャパン理事。
野外系の企画・開発をはじめ、チームビルディングアウトドア・キャンプ系の教育研修も行う。

■キャンプサイトでイヤな虫を防ぐにはどうしたらいい?

体と空間、それぞれをガードして防ぎましょう

夏に人が過ごしやすい場所には、虫も多くやってきます。
肌の露出が少ない服装と虫よけ剤、テントサイトは殺虫効果や忌避効果のある薬剤を用意しましょう。

どの虫に対しても、服装の基本は肌を見せない長袖、長ズボン。⾊は⿊よりも⽩系。
蚊やブユは、肌に密着した服だと虫の針や口が届くこともあるので、ふんわりした服を選ぶのがおすすめです。

逆に、ヤマビルやダニは、タイツのように肌との隙間がなく目の細かい素材の服が、入り込むことができず刺されにくくなります。

足元も要注意。夏の足元はサンダルやショートソックスになりがちですが、虫にとっては絶好の餌場。
朝夕や雑木林では長めのソックス&シューズをチョイス。

サイトでは、噴霧すれば一定時間、虫を寄せつけないアウトドア用の空間虫よけでガード。
蚊取り線香は地面に近い位置、そして風上に置くと効果あり!

■蚊、ブユ、アブに刺されたり、嚙まれたりしたときの対処法は?

ポイズンリムーバーで毒を吸い出すのがおすすめ

蚊、ブユ、アブ、ハチなどは、ポイズンリムーバーという毒を吸い出すための道具を使うのがいちばん有効。

ハチ毒を吸い出すための道具として知られていますが、実は蚊やブユ、アブなどでも、毒を外に吸い出してくれるので、かゆみや痛みを減らすことができます。

そのあと、⽔で洗い流して薬を塗り、かゆみがひどい場合は、保冷剤などを使って冷やすとかゆみがやわらぎます。
抗ヒスタミン剤を含む薬品なども⽤意するとよいでしょう。

全般的にかゆみはヒスタミン軟膏で抑えられますが、もし、ひどい腫れなどの症状が出たときは、炎症を抑えるためにステロイド外用剤を使いましょう。

吸引して毒を排出するポイズンリムーバーは、応急処置アイテムのひとつとして用意しておきたいもの。写真は定番のアスピラボ「アスピブナン」。

■ヤマビルに吸い付かれたら、引っ張って剝がしていい?

無理に剝がすのはNG。歯が残って化膿の恐れも

吸⾎中は⼩さな⻭で⾷いついています。無理に剝がすとその⻭が肌に残り、化膿することもあります。
満腹になったら自分から離れるので、⾃然に剝がれ落ちるのを待つか、あるいはヒル⾃⾝が⼝を離すように仕向けましょう。

昔からある手法としては、ライターやタバコの⽕をヤマビルに近づけて剝がれ落とす⽅法があります。
また⾍よけスプレーをかけると嫌がって離れます。傷口は水で洗い流し、抗ヒスタミン剤などを塗布しておきましょう。

■夏のキャンプ場でほかにも注意したほうがいい虫は?

ハチやムカデにも要注意!

サイト近くで足元周辺にハチが頻繁に飛んでいるようなら地バチの巣に注意しましょう。

もしハチに刺された場合は、その場からすぐに離れて針を取り除き、ポイズンリムーバーなどで毒液を抜きます。
そのあと、傷口を水で洗い流し、抗ヒスタミン剤を塗り、冷やします。
もしショックなどの異常などがみられたら、すぐに病院へ。

ムカデは嚙まれると激痛が走ります。脱いだ靴の中に入り込むこともあるので、履く前にチェック。
また就寝時、靴はテント内へ。嚙まれたときは、毒を絞り出して抗ヒスタミン剤を塗り、患部を冷やしましょう。

■塩がヤマビルに効くってきいたけれどホント?

効果あります!

塩をかけることで、ヤマビルの体の中の水分を奪い、しぼんで殺虫できます。
そのためヤマビルのいるエリアに入る際は、多めに塩を持参し対策しましょう。

また、塩を水で溶かしてスプレーにする方法は、塩分濃度が低いためか、あまり効果的ではありません。
ちなみに吸血中に塩をかけると自分から口を離しますが、吸っていた血をそのまま吐き出すため、服が血だらけになりますので、注意が必要です。

■風の強い日や雨の日は、蚊に刺されないの?

刺されにくくなります

蚊は⾵速2m以上(そよ⾵)程度で⾶ばなくなるため、風のある日や、⾬の⽇は蚊に刺されにくくなります。

夏のキャンプは日陰のある森や林のなかのサイトを選ぶことも多いですが、こういった場所では風が弱まるので蚊は活発に活動しています。
⾵の抜けのよい開けたテントサイトは比較的、蚊には刺されにくいです。

TEXT/小清水哲郎
ILLUST/岡本倫幸
出典/ガルヴィ2022年8月号

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