近年は車の性能と耐久性が高まり、日常生活レベルで使っていて急に故障してしまう頻度は減りつつあります。

しかし、意外と見落としがちとなっているのがエンジンの「オーバーヒート」です。少しでも油断しているといつの間にか起こっている、車に関するトラブルの代名詞となっています。

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オーバーヒートは、エンジンから発する熱が冷却水で冷やせる限度を超えてしまい、エンジン内部が異常な熱さとなって生じるトラブルです。

筆者も、以前所有していたスバル レガシィB4(BL型)が危うくオーバーヒートに見舞われかけた経験があります。

ディーラーで車検や半年点検を受け、日常点検でのエンジンルームチェックも、冷却水の過不足やエンジン音の異変がないかを中心に行っていたにも関わらず、ウォーターポンプが故障。突然のトラブルだったのです。

筆者の前所有 レガシィB4はウォーターポンプが故障してオーバーヒート寸前に見舞われた©長谷川 優人

「製造されてから何十年も経過する車に搭載されているエンジンだからオーバーヒートしやすいのでは?」とお考えの人や、「近年の車は日常点検を怠っても故障しないだろう」と心配していない人もいるかもしれません。

しかしイマドキの車であっても、オーバーヒートによるトラブルが発生することは充分考えられます。

冷却水がパイプを通してエンジンの内部を循環し、温度が上がりすぎないようにしていることで車はトラブルなく走り続けられます。ところが、「ウォーターポンプ」と呼ばれる冷却水の循環を促すパーツをはじめ、エンジンの熱を下げる仕組みが故障するとオーバーヒートを起こしてしまいます。

エンジンの熱による温度は、少なくとも運転席のスピードメーターにある「水温計」で大まかな状態の確認が可能です。ドライバーはスピードメーターで走行スピードや燃料残量以外にも、水温計にも気を配らなければなりません。

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冷却水漏れは季節問わず起こりうるので注意

さらに外気温が高く、水温が上がりやすい夏はオーバーヒートのトラブルが注目されがちですが、そもそも冷却水が漏れていることが原因であれば、季節問わず起こりうるといえるでしょう。

つまり、車のドライバー(持ち主)ができるのは「冷却水の水量をチェックすること」です。エンジンルーム内をチェックすると、「リザーバータンク」に冷却水の予備が入っています。

自動車整備工場で整備士として働いている筆者の知人は、次のような対処をするように勧めています。

エンジンの水温計はこまめにチェックしよう

リザーバータンクで”MIN”のメモリを下回るようなら、冷却水の液漏れを疑ったほうがよいです。もし走れる状態でなければロードサービスを呼ぶなどして、ディーラーや整備工場へ運んでもらうとよいでしょう。

これは、オーバーヒートが発生したときでも同様で、無理に走行せず路肩や駐車場に車を停車したり、道沿いにあるガソリンスタンドやディーラー、整備工場に駆け込んだりして対処するようにしましょう。

無理に走り続けることでかえって症状が悪化し、最終的にエンジンが「焼き付き」を起こして炎上する可能性もあるからです。

車を停車させたら、冷却水が漏れていないか車体下部などをチェックしてみてください。もし冷却水が漏れていないようであれば、すぐにエンジンを停止するのではなく、ボンネットを開けた状態でしばらくアイドリングを続けてみてください。

ボンネットを開けた状態でいることで、こもっていた熱を解放しエンジンルームを冷やせるでしょう。

ただし、冷却水が漏れているのが確認できるようであれば、すぐにエンジンを停止してください。逆にエンジンの状態を悪化させて、焼き付きや炎上を引き起こす原因となります。 」

少しでも日ごろの点検を放置したり、車の状態を把握したりしていないと、あっという間に悪化する可能性のあるオーバーヒート。技術が進化した現代の車でも十分にあり得るトラブルですから、車を走らせる前のチェックや走っている時の異変には常に気を配りましょう。

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