回生ブレーキのデメリット

その1:構造が複雑になる

回生ブレーキは従来の摩擦ブレーキに加えて、モータージェネレーターやインバーター、さらにはバッテリーが搭載されるので構造は複雑になります。この手の車種はブレーキ・バイ・ワイヤが採用されているので、電子制御がさらに増えてブレーキ機構もパーツ点数が多いです。

その2:車両重量が増加する

2つ目のデメリットは車両重量が増加することです。回生ブレーキ機能を備えているということは駆動モーターや蓄電池(バッテリー)が搭載されていることになりますので、例えばハイブリッド車のようにエンジンが載っている車両であればその分だけ車両重量の増加につながります。

プリウスやアクアなどのハイブリッド車の燃費はとりわけ優れているので燃費悪化の心配をする必要はありませんが、車両の運動性能の側面からすると回生ブレーキが「ハンデ」になることも否めません。

現行のトヨタ・ヤリスのガソリン車モデルとハイブリッドモデルの車両重量(2WD)を比べると、ガソリン車モデルは940〜1,020kgであるのに対し、ハイブリッド車では1,050〜1,090kgとなっていますから、やはりハイブリッド車はガソリン車よりも高重量の傾向ということでしょう。

その3:回生ブレーキが機能しない域がある

回生ブレーキはモーターが回転しない時には機能しません。つまり急激なブレーキをかけた時や、停止間際などには使えないと言うことになります。

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回生ブレーキを使って上手に運転する方法

回生ブレーキは効き方に少し癖があるので、初めて運転する時には摩擦ブレーキ車両との違いに驚く人もいることでしょう。回生ブレーキを活かして上手に運転するにはどうすれば良いのでしょうか。

急ブレーキを避け、ブレーキの距離を長く取る

発電時間(回生ブレーキが作動する)時間を長くする、そしてそれによって蓄電された電気エネルギーを浪費しない(電費の良い)走行をすることがポイントの1つです。  

例えば、急ブレーキを避ける、ブレーキの距離を長く取る、周りに迷惑をかけない範囲でアクセルペダルのオン・オフで減速することで、車輪が回る(発電する)時間を長伸ばすことができます。

発進時には急加速を避けながらもなるべく早めにある程度の速度に達する(法定速度を目安にするのは有効)ことです。これにより回生ブレーキを作動させるのに十分な車輪の回転を準備できます。

アクセルペダルオフで減速する

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回生ブレーキ搭載車両を一度運転するとよくわかりますが、アクセルペダルのオフだけでも回生ブレーキを活用できます。速度域に依ることもありますが、エンジン搭載車両で言うところの「エンジンブレーキ」が働いている感じです。

これが意外と効きが良く、車両特性もあるかもしれませんが、ペダルワーク操作向上にもうってつけです。運転好きなドライバーにとっては興味深い要素と言えるでしょう。