アメリカの学園コメディで多くみられる「好きな子とヤリたくてアレコレ奮闘する」ストーリーを、クィアの世界に落とし込んでいる本作。そのため、お下劣ワードがバンバン出てきますが、どうかドン引きして途中離脱しないでください。
なぜなら、本作の本当の見どころは後半に待っているから。
意中の相手と結ばれるべく、自己防衛とフェミニズムを建前に女子だけのファイトクラブを立ち上げたジェシーとPJは、いつしか心に傷を負った女子生徒たちと連帯するように。やがて、女子生徒だけでなく男子生徒をも守ろうとするのです。
この描写こそ、フェミニズムの本質ともいうべきもの。「お下劣」から「大感動」への流れが実に見事なので、ぜひ最後まで鑑賞してほしい!!
<その3:友情ものとしても◎>
ジェシーとPJは軽薄だけど、「若気の至り」という言葉もあるとおり、若かりし頃は往々にして間違いを犯すものです。
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本作では、間違いを犯してしまったジェシーとPJが、改めて友情を構築し直す物語でもあります。大好きな友だちと一緒にわいわい鑑賞するのもオススメですよ♪
【あの俳優のすさまじいギャップにもご注目】
1時間31分でさくっと鑑賞できちゃう、アメリカのティーンズムービーならではのおバカっぷり×フェミニズムが奇跡の融合果たす、新時代のクィア映画。
“フェミニズム” や “クィア” と聞くと、重たくとらえがちですが、カウチに寝そべりながら軽〜く観られるのでご安心を!
ちなみに、イザベルのおバカな彼氏・ジェフを演じているのは、以前ご紹介した映画『赤と白とロイヤルブルー』でイギリスの王子を演じたニコラス・ガリツィンさんです。
キラキラなイケメン王子様とは真逆のキャラクターなので「え…この人ってまさか…!?!?!?」と3度見してしまいました。ニコラスさんのハンパない演技のふり幅も楽しめる作品ですよ。
■今回紹介した作品
Prime Video『ボトムス 〜最底で最強?な私たち〜』(原題:BOTTOMS)
Prime Videoで見放題独占配信中
※カウチポテトとは:ソファや寝椅子でくつろいでポテトチップをかじりながらテレビやビデオを見て過ごすようなライフスタイルのこと。
執筆:田端あんじ
Photo:© 2023 Metro-Goldwyn-Mayer Studios Inc. All Rights Reserved.