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Faulieu. 、怒涛の1周年を4人全員で乗り越え、満開の笑顔で完売のWWWを魅了

DI:GA ONLINE

Faulieu. Presents ONEMAN LIVE “AS IS.”
2024年4月6日(土)Shibuya WWW

4人組ガールズバンド・Faulieu.がShibuya WWWにて開催したワンマンライブ「Faulieu. presents ONEMAN LIVE “AS IS.”」。現在の名義で始動して1周年かつ同名アルバムの完成を記念した同公演は、この1年だけでなくそれ以前からのバンドの歴史も網羅し、ファンと真っ直ぐ向き合うバンドのメンタリティが淀みなく表れた空間となった。ソールドアウトした満員の会場が、彼女たちの信念をさらに花開かせたと言っていいだろう。

Mimori(Dr)、Kaho(Gt)、Ayano(Ba)の順にステージに登場すると、最後に現れたCanaco(Vo&Gt)が「ようこそ『AS IS.』へ! 最高の1日を作っていこう!」と声高らかに語り掛けると、前名義であるfleufleu時代のギターロックナンバー「またね」でライブをスタートさせる。その後も「薔薇」、新曲「君のまま」とオープニングに相応しい華やかな楽曲を畳みかけ、エネルギッシュにアニバーサリーの幕開けを飾った。

Canaco Kaho

多彩なアプローチを仕掛けて楽曲を色づけるギター、しなやかかつ骨太にドライブするメロディアスなベース、緩急のあるプレイで曲に宿る感情の起伏を表現するドラム、ストレートな歌詞を春風のように可憐に届けるボーカルと、音色のすべてからこの日に懸ける情熱が伝わる。観客も積極的にクラップやコールを行い、ステージとフロアは瞬時に思いをひとつにした。「AS IS.」でコール&レスポンスと簡単な振り付けを観客へレクチャーして共に楽しむと、ホーンや打ち込みの入った同期でジャズライクなアレンジを施した「隠れんぼ」へ。バンドの新機軸となる艶やかな楽曲を堂々とパフォーマンスし、間髪入れずにつないだ「嫌い」ではメンバーのソロ回しでも魅了した。

Ayano Mimori

ここまでの6曲で、Faulieu.は曲順だけでなく曲と曲のつなぎ方やライブアレンジにポリシーを持っていることがうかがえた。Canacoは瞬時にアコースティックギターに持ち替えたりハンドマイクになるなど、滞りなくライブを進められるよう立ち回る。ドラマチックなライブ運びは、生演奏ならではのグルーヴや迫力を感じられるだけでなく、観客をさらに楽曲の世界に引き込んだ。「ヨマイゴト」の後にCanacoの落ち着いた口上から「ロンリーコンプレックス」に入り、集中力の通った演奏で曲に描かれた感情のざわめきをスリリングに描く。そこからつないだ「下の名前で呼ばないで」は、悲しみを抱えながらもそれを乗り越えようと成長していく繊細さと力強さが、演奏に純度高く表れていた。

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自分の作る楽曲には恋愛ソングが多いと切り出したCanacoは、友人から「恋人に別れを切り出された」と相談を受けた旨を明かす。そしてどうしたら彼女を励ませるだろうかと考えた末に「この恋を思い出にすることで少しでも前を向けるようになるのではないか」という願いを込めて、彼女の恋を曲にすることにしたと続けた。そのエピソードの後に披露された「檸檬」は、Canacoのアコギのアルペジオと歌に3人の音が優しく重なる様子も美しく、Canacoの歌声は友人はもちろん、一人ひとりの過去の痛みに思いを馳せるような包容力に溢れていた。

Canaco

「マボロシ」「メリーゴーランド」「アイビー」と硬派かつエモーショナルなムードのなか勢い良く駆け抜けると、Canacoは「この4人でやってきて本当に良かった」と笑顔を浮かべながら涙ぐむ。それは怒涛の1年間をこの4人で乗り越えられたこと、これだけの観客が1周年を祝ってくれたことへの感動の涙だった。「あなたの明日を照らす光になれますように願いを込めて」と言い届けられた「Hikari」と「紡ぐ」は、4人の清らかな心情が会場すべてを満たしていた。

Ayano Mimori

アンコールではFaulieu.にとって初のツアー「1st Album “AS IS.” TOUR」を東名阪仙の4ヶ所で開催すること、ファイナルは8月24日のSpotify O-WEST公演であることを発表。「もっともっと素晴らしい景色をみんなで作っていきたい」とツアーへの強い思いを語り、桜が満開の季節に相応しい「SPICA」を爽やかに届けた。

この日ラスト1曲を残し、メンバーが一言ずつ挨拶をする。Kahoはチケットがソールドアウトした驚きをあらわにしながらも支えてくれたファンへの感謝と今後の熱意を語り、AyanoはFaulieu.として動き出してからの1年間がとても濃厚であったと振り返ると2年目への意欲を見せる。「MCを用意してきたけど頭からすっ飛んでしまった」と明かすMimoriは、自分ひとりではできないことをできたのはメンバーのおかげであり、多くの人に支えられているからこそ4人だけではできないことが実現できていると噛み締め、「次の目標に向けて歩みを止めずに進んでいくのでついてきてほしい」と呼びかけた。

最後にCanacoが「AS IS.」という言葉の意味について触れ、「ありのままでいる」という本質は「いかに自分に嘘をついていないか」であると自身の見解を口にする。そしてFaulieu.がメンバー4人の、ファンそれぞれの自分らしくいられる場所でありたいと真摯に語った。4人が向かい合って音を鳴らし始めたこの日を締めくくる「聲」は、曲中にCanacoが叫んだ「あなたと見たい景色がいっぱいあります」という願いが音の隅々にまで通っていた。この1年でFaulieu.としての土台をしっかりと固めた4人。その成果とこれからのモチベーションを音楽で証明する、輝かしい一夜となった。

Kaho Canaco

SET LIST

01.またね
02.薔薇
03.君のまま
04.AS IS.
05.隠れんぼ
06.嫌い
07.ヨマイゴト
08.ロンリーコンプレックス
09.下の名前で呼ばないで
10.檸檬
11.マボロシ
12.メリーゴーランド
13.アイビー
14.Hikari
15.紡ぐ

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