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勝敗を左右する「10人目の選手」三塁ベースコーチという仕事【山本萩子の6-4-3を待ちわびて】第109回

週プレNEWS

4月2日に行なわれたヤクルトvs広島の終了後、ヤクルトの高津臣吾監督が三塁ベースコーチの判断について「もうひとつ、うまい判断があるのかなと思います」と言及しました。

0-0の同点で迎えた3回表。1死一、二塁で西川遥輝選手がセンターにヒットを放ち、二塁ランナーの北村拓己選手が本塁を狙ったものの惜しくもタッチアウト。突入を決断したのは、三塁コーチを務めていた森岡良介コーチですが、試合後に「結果的にアウトだから僕の判断ミス」とコメントしました。

1点を追う8回表には、同じような場面で今度はランナーをストップ。どちらも微妙なタイミングで本当に判断が難しかったと思いますが、特に1点を争う場面では、三塁コーチの責任がより重くなるのでしょう。

さて、ここであらためて注目したいのは、「三塁コーチは、試合中にどんな仕事をしているのか」ということ。ランナーが本塁に突入する際に腕をグルングルンと回している人、という印象が強い方も多いかもしれませんね。

かつて、野村克也さんから「日本一の三塁ベースコーチ」と呼ばれたのは高代延博さんです。高代さんは選手として日本ハムなどでプレーし、現役引退後も多くのチームで内野走塁コーチとして活躍。2013年のWBCで三塁コーチを務めた際は、台湾戦で本塁を狙おうとする糸井嘉男選手を体を張って止めた”ファインプレー”が話題になりました。

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三塁コーチが話題になることはそれほど多くないと思いますが、判断力に優れた高代さんは、落合博満監督が指揮を執る中日でコーチを務めていた2006年シーズンに、本塁憤死を1に留めてチームのリーグ優勝に貢献しました。名将たちがこぞって登用したことからも、高代さんの実力がわかります。

三塁コーチの仕事に話を戻しますと、まず重要なのが、ランナーの三塁への進塁や本塁突入の判断。ランナーは打球に背を向けて走っていることも多いので、三塁コーチの責任は重大です。

たとえば二塁にランナーがいる場面でライトにヒットが出たら、ライトの肩の強さや送球の正確さ、打球をキャッチしたタイミングなどを総合した上で「本塁にいけるかどうか」を決める。さまざまな情報を一瞬で処理する必要があります。相手の守備隊形なども確認しておく必要がありますし、ポジションを変えてランナーからよく見える位置に立って指示を出したりと、常に準備が欠かせません。

さらに、打者やランナーに対して、ブロックサインなどでベンチからの指示を伝達することもあります。コーチでありながら選手と近い位置にいて、その働きが勝敗を左右することもある。もはや「10人目の選手」と言ってもいいでしょう。

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