そしてついに、年長者であるせいか、メンバーのなかで浮いていたギターのTさんがクビとなる。
これは終わりの始まりであった。
常に怒られ放題だった私も……
ある日、ついに爆発した。
私は初めてNさんに真正面から刃向かったのだ。普段口下手であり、不合格になった大学院入試の面接も、頭が真っ白になって何もうまく話せなかった私の口から、日々溜め込んでいた怒りの言葉があふれるように流れ出した。
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この人生であんなにも流暢なアドリブ演説ができたのは、あれが最初で最後だったと思う。
大学でNさんと出会い始まった私の初めてのバンド活動は、4年ほどで終わりを迎えた。
バンド“Y”はその後ほどなくドラムのH畑も脱退。メンバーを替えながらしばらく活動し、最終的にNさんのソロユニットとなったが、今はもうやっていない。