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家入レオ×麻倉もも 日比谷野音で競演予定の二人のスペシャル対談

DI:GA ONLINE

家入レオが3月16日(土)、17日(日)の2日間にわたって、日比谷野外大音楽堂で「家入レオ YAON ~SPRING TREE~」を開催する。1日目は家入レオのワンマン、2日目は福岡の中学・高校の同級生であり、声優として活躍する麻倉ももを迎えたツーマンライブとなっている。そこで、DI:GA ONLINEでは、学生時代に夢を語り合っていたという二人の対談を実施。当時の思い出を紐解きながら、10年以上の時を経て実現したコラボシングル「希望の名前」の制作秘話とツーマンへの思いを語ってもらった。また、対談後には家入に残ってもらい、約9年ぶりとなる野音ワンマンの意気込みも聞いた。

──ツーマンライブが決定した心境から聞かせてください。
麻倉ただただ嬉しかったです。レオちゃん本人から直接、電話で誘ってくれたことも嬉しかったですし、その時に自分にとって、ももちゃんの存在は他とはちょっと違う。今、こういう関係を大切にしていきたい、みたいな気持ちを伝えてくれて。ぜひ私も一緒にやりたいって思いました。
家入今回のことで、やっぱり自分が楽しんでると、人の熱って伝染していくんだなっていうことが一番嬉しい発見でした。彼女の歌ってる姿を見たい、一緒に歌いたいって思うだけでこんなに力が湧いてくるんだっていう。今から3月がすごく楽しみです。
──どうして一緒にやりたいって思ったんですか。
家入「希望の名前」という曲に出会って。メロディがすごくキラキラしていて。パッとももちゃんの顔が浮かんで。そのキラキラが、自分の中の潜在意識からももちゃんの名前を結びつけてくれたのかなと思うんですけど。そのとき、3月に野音ライブを2日間することが決まっていたので、両日ワンマンでやるのもいいけど、この曲をももちゃんと一緒に歌えたら、もっともっと喜びが大きな波動になっていくんじゃないかなって思って。本当は会って直接伝えたかったんですけど、なかなかスケジュールが合わなくて。せめて声で伝えたいと思って、ももちゃんに電話して、「ご一緒したい」ってお声がけをして。
──先ほど「他とは違う存在」とありましたが、家入さんにとってどんな存在ですか。
家入ももちゃんは自分の中で、言葉が追いつかない存在というか。紙資料に<親友>って書いてあるんですけど、もちろん親友なのかもしれないですが、親友っていうのにも照れくささを感じる(笑)。同志とか戦友とも違って。私が16歳のときに上京して、編入した高校は芸能科で。もう皆さんお仕事をなさってる方たちだったので、福岡の高校とは少し違った空気感だったんです。でも、ももちゃんは、私がまだ夢を志している、何者でもなかったときから、私の声を信じてくれてた1人なので、未だに会っても、その当時の自分に引き戻されるというか。なんか柔らかく自分の原点に返してくれるんですよね。焦りから「頑張ろう」と思うんじゃなくて、隣をふと見たときに、ももちゃんも自分の活動とこんなに向き合ってるから、私ももっと頑張ろうっていう。素敵な気づきをくれる存在かなと思います。
──ももさんにとっての家入さんは?
麻倉私にとってはもう始まりの人ですし、いつもきっかけをくれる、大事なところにいる人ですね。今、このお仕事をできているのも、本当にレオちゃんのおかげって言っても過言ではないぐらいで。
家入いやいや、恐縮です。
麻倉 私は学生時代、声優になりたいなと思ってはいたんですけど、本当にレオちゃんにしか言ってなくて。遠くない職業をお互い目指してたので、私は伝えたんですけど、レオちゃんは、夢のために福岡から東京に出るっていうタイミングで学校を辞めなきゃいけなくなって。学校を辞めるときに、「ももちゃんも頑張ってね」って言われたその言葉をきっかけに、今いる事務所のオーディションに応募して。その時、私は置いていかれているような感じがしたんです。とりあえず何かやってみなきゃ駄目なんだと思って、オーディションを受けたので、本当に今、こうして声優をやれているのはレオちゃんのおかげです。その言葉がなかったら、オーディションを受けてなかったと思います。普通に無理だろうなと思って、そのときはもう保育士を目指してて。進路も提出してましたし、担任の先生にも言ってたので、多分、保育士の道に進んでたんじゃないかなって思います。そういう意味でも大切な人ですし、毎回、会うたびに初心を思い出させてくれるような存在だなって思います。
──ももさんは、いろんなところで「声優の世界に飛び込むきっかけになった人」として話してますよね。家入さんはその話を聞いたときにどう感じましたか?
家入私は中学に入学して、その学校は大学まである女子校だったので、人間関係につまずいたら、10年間友達いないんだっていう怖さの中で同級生とコミュニケーションをとっていた部分があって。どこかでその心配をしながら、いつでも明るい自分でいるようにしていたというか。クラスの大半は、私は悩みもなく、常に明るいという印象を持っている子が多かったと思うんですけど、ももちゃんの隣にいると、当時から、変におどけたり、頑張らなくていいっていうのがあって。当時いたグループは全然違うし、キャラクター的にも全く違うんですけど、自分がちゃんと自分のままでらいれる人だったから、自分にとっては学校での支えだった人なんです。だから、自分は無意識でしたけど、そのお話をファンのみなさんやスタッフの方から聞いたときは、すごくびっくりしたし、逆に、その言葉に恥じぬように、私も自分の道をしっかり極めていこうと思いました。
──当時、お互いが夢を語り合えるような仲になる何か出来事はあったんですか?
家入それは、音楽部が大きいのかな。
麻倉最初にしっかり話すようになったきっかけは思い出せないんですけど、きっと、レオちゃんが私に話しかけてくれて。
家入うん。私がちょっかい出しに行ったんだと思う。
麻倉(笑)そこからいっぱい話すようになって。当時からレオちゃんが歌手を志していて、歌が上手っていうのは知っていて。私はそのとき、ミュージカルをやる音楽部に入っていたので、「入らん?一緒にやろうよ」って勧誘して。音楽部に入ってくれたのがきっかけですかね。部活が一緒だと行動を共にする機会も多いですし、そこから2人で話す機会が多くなって。
家入音楽塾ヴォイスに行く道と、ももちゃんの帰り道が同じ方向だったんですよ。だから、一緒にバス乗ったりとかしてて。でも、当時の私はクラスで明るく笑っている自分を、曲を作ることによって保ってたっていうのがあって。10代のとき作ってた曲には、学校で明るい分の影みたいなのが如実に出てるんですね。ももちゃんも、何となくそこは察してたと思うんですけど、「大丈夫?」って聞くのではなく、ただ普通に隣にいて、人生や未来の話ができたっていう存在は、当時の自分の中ではかなり珍しかったなって思います。
──お互いの夢の話を聞いたときはどう感じてましたか。
家入ももちゃんから「声優になりたい」って聞いたときは、やっぱりそうなんだというか、答え合わせをしているような気持ちになりました。「サウンド・オブ・ミュージック」をやった時に、ももちゃんが私のお姉ちゃん役で、私が弟役だったんですけど、講堂にももちゃんの声が心地よく響いていたのを覚えてて。この声を持ってたら、その道に自然に運ばれていくだろうなと思ってたし、初めて将来の夢を聞いた時は、やっぱりそうなんだって思いました。
麻倉私は、自分に言ってくれる前から知ってたので。
家入そうね。みんなに言ってたから。
麻倉出会ったときから、「私は歌手になりたい」っていうのも言ってましたし、教室でも廊下でも歌ってたので、学年全員知ってるくらいで(笑)。
家入あははは。懐かしいなー。私が今、何組にいるかがわかるっていう感じだったかもしれないです。
麻倉同じクラスになったことない子でも、「あの歌手を目指してる子ね」っていう感じでした。
──家入さんが15歳の時に作った「サブリナ」もデビューする前に聴いてました?
麻倉今、振り返ると、あれが「サブリナ」だったんだっていう感覚なんですけど、バスの中でiPodに入れた曲を聴かせもらってましたね。でも、ただの素人なので、「すごい」としか言えなくて。「こういう歌詞があるんだけどどう思う?」とかも聞いてくれて。前段階の歌詞にコメントしたりしてたんですけど、あのピースの組み合わせがこうなるんだっていう驚き。一つの曲になった時の感動というか。純粋にすごいなって思ったし、日々努力してるんだなっていうのを感じてました。
家入私は、母親が「想像できることは全部叶っていくんだよ」って育ててくれたんです。だから、気持ちや夢を言葉にすることへの抵抗感が全くない子で。授業中に手紙交換したりしてたんですけど、教科書の下に引いてたノートに書いた歌詞をみんなに回して、コメントを書いてもらったりしてて。(笑)でも、実際に曲を聴いてもらったのは、限られているから。バスの中で、ももちゃんにイヤホンを片方渡して「これどう思う?」って聴いてもらったときに、いいんじゃないって言ってもらえて。何気ないやり取りだったんですけど、それが今に繋がってたのかなと思います。
──青春ですよね。お二人の学生時代の話を聞けば聞くほど。コラボシングル「希望の名前」がぐっときます。
家入嬉しいです、そう言ってもらえて。
麻倉本当に二人の世界がもうギュッと詰まってるんですよね。こうやって今インタビューで掘り下げていただいて、エピソードを話してるんですけど、これってこのことだなってすぐ直結するような歌詞もたくさんあって。本当に私達二人にしか歌えない曲になったんじゃないかなって思います。
──<さよならに変わる言葉探してた>もそうですよね。
麻倉さっきお話した、「ももちゃんも頑張ってね」から始まった私の物語でもありますし、<2人だけの秘密が ほらこんなに。誰かの笑顔になっているよ>とか。私はレオちゃんにしか、声優をやりたいってことを言ってなかったですし、廊下に出て二人で話してたことが……。お互いのライブに遊びに行ってるんですけど、レオちゃんのライブを見てても、本当にパワーがあって。お客さんたちはそのパワーを受け取って、音楽を心から楽しんでる。あの隅っこから始まったことが、こんなにたくさんの人たちにエネルギーをあげる存在になってるんだっていう感慨深さがあるし、やっぱりグッときますね。
家入私はお受けいただいたからには、絶対にももちゃんの魅力をさらに伝えられたらいいなと勝手に思って。(笑)ももちゃんが今までリリースした曲も聴いて、彼女の持ってるかわいらしさだったり、人の心を軽くしたり、柔らかくしたり、癒やす雰囲気も感じ取っていて。でも、きっと活動する中で、苦しかったり、悲しかったりすることもあったんじゃないかなって。ステージに立って輝いてるももちゃんも気づいていない、心の奥底にある気持ちを書いてみたいと思って。2番の<鳴り止まぬ胸の鼓動/掻き消すように叫んだ>っていうところは、歌詞を書きながら絶対にももちゃんに歌ってもらいたいと思ってました。
──レオさんはそんなももさんに向けて<悲しい過去も涙も後悔さえも/あなたを照らす光に変えるの>と歌ってます。
家入「希望とか愛って何ですか?」って言われると大きすぎて、うまく言えないけど、ももちゃんがいるから私も頑張れるし、ファンのみなさんがいるから頑張れるし。ちゃんと過去と今と未来を線にするような曲にしたいと思ってたから。始まりは福岡の中学校だけど、気づいたら、お互いの周りにたくさんのスタッフがいて、さらに支えてくれてるファンのみなさんがいるっていうことを歌いたかった。
そして、いろんな壁にぶち当たるたびに、立ち止まるたびに、「レオちゃんが楽しんでいたらファンも楽しいのよ」っていう言葉をいただくことが多かったんですけど、頭ではわかるんだけど、心で理解ができなくて。でも、今回、この曲をももちゃんと歌いたいと思って、二人で歌ったときに、本当に楽しくて。気づいたらずっと笑顔でいたんです。そうすると、すごくいい雰囲気が漂って。不安の中で歌っていた時期もあった。もちろん、何かと対峙している姿が人の心を打つ瞬間に繋がるのもわかりつつ、今はそこを超えて、本当にドキドキわくわく、みんなを光の方に導いていく気持ちで歌っていきたいって思えたんです。これがデビュー当初の二人であっても、なかなかこうはならなかったと思うし、お互いがお互いの眠れぬ夜とか、傷ついたことがあったからこそ、今、伝えられるものがあるんじゃないかなって思います。
──同級生の二人でのレコーディングはどうでしたか。
家入照れたね。あはははは。
麻倉ふふふ。私のボーカルのディレクションをレオちゃんがやってくれて。
家入本当に恐縮ですなんですけど。
麻倉でも、やっぱり二人にしかわからない世界観の曲だからこそ、二人にしかわからないディレクションがあって。
家入あははは。「校舎のあそこを思い出して」とかね。
麻倉そのときの気持ちとか。なので、すごく想像しやすかったです。私も過去のいろんなことを、二人で話したときのこととか、この仕事をやりたいって思ったときの気持ちとかを思い返しながら歌ってて。あとは、最初に全部レオちゃんがまるっと歌ってくれてて。その後に私がボーカルのレコーディングだったんですけど、本当に素晴らしくて。素晴らしすぎて緊張もあったんですけど、安心して歌えた部分もあって。もうなんか、大丈夫だって。楽しく歌えれば、それが一番だっていう気持ちになって。照れたけど楽しかったレコーディングでしたね。
家入やっぱり普段、声優を生業にされているので、歌い手にもなれて、語り部にもなれるっていうのは、本当に麻倉ももらしさだなって感じました。ももちゃんは、歌もすごく魅力的に届けられる方なので、やっぱすごいなと思いましたし、かっこよかったです。
──お二人の声が重なったとこはどう感じましたか。
麻倉自分で言うのもなんですけど……すごい合ってるなって。
家入あははははは。合ってたね。
──ユニットを組んで欲しいくらいですよ。
麻倉ぱっと見で皆さんが感じる雰囲気は私達は全然違うし、声質も違う。一緒に重なったらどうなるんだろうっていうのはあったんですけど、最初に聴いたときに、「こうなるんだ。いい」って素直に思いましたね。
家入私は、もう本当に馬鹿みたいなんですけど、「ふたりはプリキュア」っていう気持ちで歌って(笑)。普段だと出せない、ももちゃんに新しい自分を見せてもらった瞬間でもあったし、背中を預けられる人がいるってこんなに心強いんだって思いました。私はソロで歌っているので、普段は自分で自分の池に石を投げ込んで、インスピレーションを探していくっていう歌い方なんですけど、ももちゃんがこういう歌い方をしてるから、私はこうしたらどうだろうとか、面白い発見がたくさんありました。
──<あなた>にじゃなく、<私に>負けたくないって歌ってるところは、家入さんらしいし、ももさんらしいですよね。
家入ライバルは私っていうタイプかもしれない。
──似てるところはありましたか?
家入ある。今日、思った。
麻倉いろいろ話してて、確かに言われたらそういうとこあるのかなと思ったけど、どんなとこだっけ?
家入(笑)上手に言えないけれど、本当に違うんですよ。今日の洋服も衣装なのかなっていうくらい可愛くて。
麻倉恥ずかしい(笑)。
家入でも、当時からそういうファッションやったやん、割と。変わってないなって思ったけど、今日。ももちゃんは学生の頃から、ファッションや持ち物で自分の好きなものをちゃんと主張してた。そこが私がももちゃんに惹かれた一つの理由でもあるんですけど、ほわんってしてるように見えて、めちゃくちゃ芯が強いんですよ。心を閉じてるわけじゃないんだけど、あんまり自分の感情については話さない。そこは割と、私も話すことと話さないことっていうのがしっかりあるタイプなので、似てるけど、根本的には……さっき、言いよったやつ、何やったっけ。
麻倉「根っこは似てるけど、咲いてる花が違う」みたいな感じかもしれない。
家入うん、そうですね。
──タイトルにははどんな思い込めましたか。
家入私にとっては、希望の名前は「ももちゃん」。そして、ファンのみなさんの一人ひとりの名前、スタッフの名前。「希望って何?」って言われると答えられなくなるけど、やっぱり人との出会いだと思ってて。今年、30歳になるからっていうのもあり、インタビューで、「これからの夢を教えてください」って言われるんですけど、私は具体的には決まってないんです。その、決まってないことが自分にとっての喜びなんですね。これからどんな人と出会って、どんな音楽と出会うことによって、私は深められていったり、これをしたいって思うんだろうって。希望は出会い。
──麻倉ももが「希望の名前」であり、「思い出」や「はじまり」でもあるっていう。
家入恥ずかしい、これ!
麻倉めちゃくちゃ嬉しいです。やっぱり私は追いかける立場だったから。レオちゃんの頑張りに奮い立たせてもらって、私も追いかけて東京にきて、一生懸命頑張ってきた。だから、「希望の名前」に私を含んでくれるのが嬉しいですし、こうやって対等に曲を一緒に歌えたのが信じられないし、嬉しいしっていう。いろんな感情が混ざり合ってます。
──野音のツーマンはどんなステージになりそうですか。
家入ドキドキわくわくを本当に信じられるっていう日になると思います。
麻倉いつもやってるライブとはちょっとまた違う感覚がありますね。
家入私はそんなに対バンをやってきたタイプではないので、他者と歌わせていただける、そして、その他者が麻倉ももであるっていうところで、自分にどういう化学変化が起こるのかがすごく楽しみです。私の体内で起きている化学変化を見ることがお客さんの楽しみだと思うから。ちょっと普段の活動とはまた違う、スペシャル感がかなりあるんじゃないかなって。お互いのファンがお互いに思うことだと思うんですけど。
──ファン層も全然違いますよね。
家入ももちゃんのライブ行ったときにコールを聞いて。やっぱカルチャー違うんだなって感じて。
麻倉ペンライトも振ってるしね。ペンライトを持ってる私のファンがレオちゃんのことを応援するときにどうするのかも気になるな。
家入そのままでいてほしい。私たちのライブでは、自分がいたいと思える自分でいて欲しい。私がももちゃんといることで羽を伸ばせるように、ファンのみなさんもそうであってほしい。私たちお互いが、お互いらしくいれることで、会場にいるみんなもそうであってほしいから、この日は家入のライブでもペンライトを振ってもいいし、ジャンプしてもいいし、コールしてもいいし。
麻倉あははは。ほんとに?
家入そういうのが面白いし素敵だと思う。バラード歌ってるときに、コールが入ったら、一回、ももちゃんを呼ぶかもしれないけど(笑)。1クラスメイトだったお互いが、こんなにいろんな方に応援してもらえてるんだっていうのを体感するのが楽しみですね。
 
   

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