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“50代未婚”有森也実「楽しいだけの人生は面白くない」

女性自身

 

「演じるためには人間を観察して、心情を表現するため、自分とは違う役でも『生きている』感覚のようなものがあります。夫婦役、子どもがいる設定などもあるなかで、自分の役割をしっかり果たしていくことがいちばん大事でした」

 

■未婚のプレッシャーを「独自性」という強みに

 

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「結婚をしたら子どもを持つ」という漠然とした考えがあるなかで、40歳を過ぎ、その選択肢も少しずつなくなっていったという。そしてひとつの壁にぶつかった。

 

「結婚して母親になるという経験をしていないことを、女としても女優としてもコンプレックスというか、すごくプレッシャーに感じていました。親の気持ちを表現するにも、子どもがいないのにどうすればいいんだろうって。でも、じゃあ殺人者の役はどうするんだという話ですよね。大事なのは自分の中で考えて作り出すことで、ある意味、クリエイティブの自由があるということ。『自分なりの独自性につながればいい』と、やっと思えるようになりました」

 

プレッシャーを強みに変えられる芯の強さを感じるが、これまでもこういう悩みや葛藤は自分一人で解決してきたのだろうか。

 

「結婚したからって私自身の悩みが解決されるわけではないですよね。恋愛もそうですが、相手が自分のことをすべてわかってくれるわけではないですし、わかってもらえないことばかり(笑)。自分も相手のことを完全に理解できませんし……まだまだ到達できなかったという感じですかね」

 

未婚を自分で選んだわけでも、自立した女性を目指したわけでもないと続けつつ、結婚観は少しずつ変わっていったという。

 

「他人と共同生活をしながら一緒に歩いていくというイメージは昔から変わっていません。ただ、若いときは結婚や籍を入れることにこだわりがありましたが、関係性さえ構築できれば十分ではないかと思うようになりました。とても仲のいいご夫婦の家に遊びに行くと、お子さんもかわいくて、ご主人も優しくて、本当にうらやましいなと思います。でも、自分にとってもそれが幸せなのかといったら、ひょっとしたら違うかもしれないとも」

 

では、いい人がいてタイミングもぴったり合っていたら?

 

「それは、結婚していますよ。結婚に反対しているわけでも、したくなかったわけでもありません。今後だって何が起こるかわかりませんし、ご縁があったら結婚という選択肢もあります」

 

 

■“頼ること、頼られること”が幸せにつながる

 

幸せを感じるのは、「舞台に立って、お客さまの笑顔を見られるとき」だという。女優として第一線で活躍し続ける一方で、バレエや瞑想、ファッションを楽しむなど、一人だからこそ自分をいたわることができる自由な時間もある。

 

「24時間すべて自分の時間なので、自由は自由ですよね。ただ、私たちみたいな『おひとりさま』で自由な存在って、親の介護などを受け持つことができるとも思うんです。既婚の場合は、隙間時間を作りにくいですよね。そんなときに、頼りにしてもらえるのは、ありがたいことだと感じています」

 

実際に、母親を自宅で介護。そして最期を看取った。

 

「とても大変でしたけど、母と濃密な時間を過ごせてよかったと思っています。介護中は、区の地域包括支援センターの方々に助けていただいて、人に頼って、親切にしてもらう大切さを知りました。それまでは頼り下手で、恥ずかしいとか、恥をかきたくないと思っていたんです。でも人に『ありがとう』と言えることは幸せなんだと実感しました」

 

これまでの人生、落ち込むことやつらいこともたくさんあったという。どのように気持ちを切り替えてきたのだろうか。

 

「なんで自分の中にこんなネガティブなものが生まれるんだろうと思うようなこととか、それなりにいろいろありましたから。でも、すべて自分の栄養になっているし、そういうことを味わえてよかったと思えるようになってきました。ただ楽しいだけの人生って面白くないとも。いいことも悪いと思うようなこともすべて含めて、ちゃんと歩いてきた証拠になっていると思うんですよね」

 

最後に、日々を楽しく暮らすための秘訣を聞いた。

 

「少しイラッとするようなことも、ユーモアに変えるように意識しています。とはいえ、これがなかなか難しいんですけどね」

 

これからも笑顔を大切に、自分なりの道を歩いていく。

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