やはり周年記念で刊行されたのは、5位の西尾維新『怪盗フラヌールの巡回』。デビュー20周年を迎える西尾維新が新たにはじめたシリーズの第一作目である。大怪盗だった父親の跡を継いで、二代目怪盗フラヌールを襲名した主人公の「ぼく」。どんな場所にだって忍び込む彼の目的は、盗むことではなく、お宝を正しい持ち主のもとに返却すること。西尾維新らしい個性的なキャラクターがわんさか登場し、かつ、ミステリーの読みごたえもたっぷりな新機軸。西尾維新書きおろしの脚本に、声優・梶裕貴が声優をつとめた20周年記念PVも、すでに80万回再生を突破したという。
何年経っても、何作重ねても、読者を飽きさせることのない人気作家たちの、底力が垣間見える作品が並んだ今月。まだまだ、未来の楽しみは尽きそうにない。