『機動戦士Zガンダム』では、初代主人公アムロとカミーユの邂逅にも注目! Blu-ray「機動戦士Zガンダム 星を継ぐ者」(バンダイビジュアル)

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初戦から見る「宇宙世紀・最強のニュータイプ主人公」

 ガンダム好きが集まっての最強パイロット談義は、酒の肴としては格別。いろいろと候補は予想されますが、宇宙世紀の作品ならアムロ、カミーユ、ジュドーといったTVアニメシリーズの主人公たちの名前は確実に挙がるところでしょう。

 誰が最強なのかは意見が分かれるところですが、今回はこの3名のニュータイプ主人公の“初陣”にスポットを当てて、実際の映像からその内容を振り返ります。

アムロ・レイの初陣

 ガンダム作品でも最強パイロット候補の筆頭に名前が上がることが多いアムロ・レイ。彼の初陣はTVアニメ『機動戦士ガンダム』の第1話「ガンダム大地に立つ」でのことでした。

 サイド7にジオンのザクIIが侵攻した際、民間人のアムロは避難中にガンダムの情報が書かれた極秘マニュアルを拾います。その後、フラウ・ボゥの家族をはじめ、民間人の残酷な死を目の当たりにしたアムロは、ジオンの攻撃を止めるべくガンダムのコクピットに乗り込みました。

 明滅するガンダムの計器類を見て「こいつ、動くぞ……」とつぶやいたアムロのセリフは有名ですね。そしてマニュアルを片手に、ガンダムを起動させたアムロ。操作がおぼつかなかったのは最初だけで、いきなりジーンの乗るザクの頭部の動力パイプを引きちぎます。

 さらに逃走を図るザクを見たアムロは、ガンダムを操作して飛びかかるとビームサーベルを一閃。ジーン機の胴体を真っふたつに両断して撃破しました。

 するとアムロは、ザクの爆発によってサイド7の壁に穴が空いたことを憂慮する余裕まで見せます。コロニーへの被害を最小限に抑えるため、迫りくるデニムのザクのコクピットを冷静に貫いたアムロ。爆発を起こすことなくザクを無力化することに成功しました。

 ガンダムの性能が優れていたのはもちろんですが、マニュアルをめくりながらの操作で、二次被害に気を配りながら敵機を倒したアムロの卓越した技量と適応能力は、天性のものと言わざるを得ません。

カミーユ・ビダンの初陣

 ニュータイプ能力最強とも言われるカミーユ・ビダンの初陣は、TVアニメ『機動戦士Zガンダム』の第2話「旅立ち」のなかで訪れます。カミーユが最初に乗りこんだのは、ZガンダムではなくガンダムMk-II。民間人の少年がガンダムMk-IIを動かしたのを見たブライト・ノアが「アムロの再来だ」と驚いたことでも知られています。

 ただカミーユの場合、機械イジりが好きだったオタク少年・アムロと違って、グライダーのような翼を装着して飛行するホモアビスの大会や、ジュニアモビルスーツ大会で優勝した輝かしい実績の持ち主。しかも地球連邦軍の技術士官である父のコンピュータからガンダムMk-IIのデータを盗み出し、あらかじめ操縦方法を知っていた点がアムロと異なります。

 ティターンズとエゥーゴの戦闘の隙を突いてガンダムMk-IIに乗りこんだカミーユ。エゥーゴのクワトロ・バジーナに「僕は敵じゃない。証拠を見せてやる」と宣言すると、もう1機のガンダムMk-IIに突進して無力化します。そしてティターンズのパイロットを脅してコクピットから下ろし、エゥーゴが機体を鹵獲(ろかく)するのに大きく貢献しました。



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ニュータイプらしい適応能力にも注目

 TVアニメ『機動戦士ガンダムZZ』の主人公ジュドー・アーシタの初陣……と呼べるかは微妙なところですが、第2話「シャングリラの少年」がそれに該当するかもしれません。

 アーガマの入港を知ったジュドーたちは、ファ・ユイリィを人質にとり、お金目当てでZガンダムを奪取。コクピットに乗りこんだジュドーは「なんとなくわかっちゃうな」とつぶやいており、即座に操縦方法を理解したようです。

 ジュドーたちに同行していたヤザン・ゲーブルが、アーガマのクルー・サエグサを斬りつけたことでジュドーは激怒。“プチモビ”ことプチモビルスーツに乗ったヤザンを追跡します。Zガンダムでぴったり後ろを追尾するジュドーの操縦を見たヤザンは、「初めてにしてはよく動かしている」と称賛しました。

 途中でプチモビから、パワーのある工事用機体に乗り換えたヤザンは、ジュドーがうっかり落としたビーム・サーベルを拾って反撃。Zガンダムのコクピットを狙いますが、ジュドーは至近距離からグレネード・ランチャーを放ち、ヤザンの機体を撃破しました。

 傷ついていたとはいえ腐ってもZガンダム。機体性能差は大きかったですが、それでも歴戦のパイロットであるヤザンを退けたジュドーの操縦はお見事と言えるでしょう。ジャンク屋稼業で普段からプチモビを扱っていた経験が活きたのかもしれません。

3名のニュータイプの初陣から見えてくるもの

 3名の主人公はそれぞれ経歴が異なりますが、ガンダムに乗って戦闘するのは初めての経験。それなのに勝利を収めたのはさすがです。とくにアムロは、おそらくモビルスーツに乗ること自体が初体験ながら、あまりにも鮮やかな操縦技術を披露。それもコロニーへの被害まで考慮してコクピットを狙うなど、いきなり神がかった技量を見せたのが個人的には衝撃でした。

 ちなみにアムロと同様に、モビルスーツの搭乗経験ナシで初陣を迎えた宇宙世紀の主人公には『機動戦士ガンダムF91』のシーブック・アノーがいます。興味のある方は過去の映像作品を見返して、それぞれの初陣を自分の目で見比べてみるのも一興でしょう。