映画版『風の谷のナウシカ』で、巨神兵に命令するクシャナ (C)1984 Studio Ghibli・H

【画像】映画版より残酷? 原作マンガとの違いに驚きの声(3枚)

悪役がクズだからナウシカの優しさがより際立つ?

『風の谷のナウシカ』の主人公・ナウシカは、どんな生き物に対しても博愛の心で接し、それゆえに多くの人々や生き物たちに愛されています。そして、ナウシカの魅力を際立たせているのは、物語のなかで猛威をふるう悪役たちの存在ではないでしょうか。この記事では、マンガ版『風の谷のナウシカ』で大きな存在感を見せた悪役たちを見てみましょう。

ヴ王

 トルメキアの国王・ヴ王は、クシャナの父で『風の谷のナウシカ』が舞台となった戦争のきっかけを作った人です。ヴ王は冷酷な性格で、正当な血筋を引くクシャナのことを疎ましく考え、幾度となく殺害を試みました。

 暴君として数々の残虐な行為を繰り返してきたヴ王でしたが、ナウシカとともに「現在の人類」の真実を知ったあとは改心したようです。娘であるクシャナに見守られながら、「クシャナに王位を継承すること」「統治するうえで誰も殺してはならない」ということをクシャナに伝え、事切れたのでした。

ミラルパ(皇弟)

 皇弟・ミラルパは51の国からなる土鬼(ドルク)の民族を束ねる神聖皇帝です。皇兄・ナムリスとともに帝位についているものの、実際はひとりで実権を握っていました。かつては名君と言われていましたが、次第に圧政をしくようになってしまいました。

 作中で描かれる人間史上最も強いといえるほど多種多様な超能力を発揮しており、幽体離脱や相手の心を読む、念動による衝撃派などを使いこなしていました。ナウシカの殺害に失敗し瀕死の状態になったミラルパは最終的に兄・ナムリスの謀略によって命を落としました。

本編では独裁者として描かれていますが、100年ほど前はナウシカのように徳が高い人柄で、名君といわれていました。しかし、愚かなままの民衆に絶望し、少しずつ本編のような恐怖政治へ移行していったようです。

ナムリス(皇兄)

 皇兄・ナムリスは土鬼の神聖皇帝のひとりで、ミラルパの兄です。弟・ミラルパと同じく100歳を超えているものの、ヒドラとの移植手術を繰り返したことによって老いることのない肉体を手に入れた人物です。

あくまでも民衆を想っていたミラルパと違い、自身が楽しむために争いを繰り返しました。 そして、「土鬼とトルメキアの二重帝国」を創設することを企み、クシャナの部下の命と引き換えに、彼女に政略結婚を迫ったこともありました。

 宮崎駿監督が描くキャラにしては珍しく「善性」が一切描かれなかった人物で、死去した際には民衆が大喜びする様子が描かれていました。

 原作マンガ『風の谷のナウシカ』では、血を分けた者同士が権力を奪い合ったり、憎しみあったりする様子が多く描かれており、その点が映画版とは大きく異なるところです。映画版のイメージが強い方が原作マンガを読むと、血みどろの戦いが繰り広げられる様子に、驚かれるかもしれません。