ファンを絶句させた衝撃展開

 NTR(寝取られ)とは、簡単にいえば好きな人が他人に奪われてしまうこと。物語の序盤で理想の関係を築いていたかと思えば、いつの間にか別のキャラと結ばれていた、といった展開をたどる作品も少なくありません。ファンに衝撃を与えたアニメのNTR展開を見ていきましょう。

裏切られた…! まさかの組み合わせのカップリング(5枚)

史上屈指の胸クソ展開にファンもモヤモヤ!『剣風伝奇ベルセルク』



本来ならふたりには幸せな未来が待っていた?『ベルセルク』第7巻(著:三浦建太郎/白泉社)

 1997年に放送されたアニメ『剣風伝奇ベルセルク』。中世ヨーロッパをモチーフにした王道のファンタジー作品ながら、アダルトな世界観が魅力的な同作。傭兵団「鷹の団」に所属していた主人公のガッツは、そこで女騎士のキャスカに出会います。はじめこそ反目しあっていたふたりですが、時は流れ恋仲へと進展していきました。

 しかし、ふたりの仲は「鷹の団」団長・グリフィスの手によって引き裂かれることに……。悪魔の声に耳を傾け魔に堕ちたグリフィスは、怪物に押さえつけられて身動きができないガッツの前でキャスカを汚します。ガッツ、キャスカ、グリフィス3人の感情が入り混じる異様な光景は、今でもファンの語り草。アニメ史上屈指の「胸クソ展開」だったといえるでしょう。

ふたりの幸せな未来を期待していたのに…『僕だけがいない街』



悟にだけ心を開いていく雛月に胸キュン!『僕だけがいない街』第5巻(著:三部けい/KADOKAWA)

 2016年に放送されたアニメ『僕だけがいない街』も、衝撃的なNTR展開が描かれていました。過去に戻る力を持った主人公・藤沼悟は、小学生時代に戻り、自身の周りで起こった連続誘拐事件の解決に挑みます。はじめにひとり目の犠牲者である同級生の雛月加代に近づいた悟は、それをきっかけに彼女と手をつないで歩くほど親密な関係になりました。

 しかし悟は、犯人の策略にハマってしまい十数年の深い眠りにつくことに。そして、ようやく目覚めた悟のもとに、子供を抱えた雛月が現れるのです。ちなみにお相手は小学生時代の仲良しグループのひとり。長い眠りによって記憶が定まっていなかったため、悟は幸せそうな雛月の様子を素直に喜んでいましたが、当時多くのファンが絶句していたのは言うまでもありません。



「人間」に焦点を当てた新時代のロボットアニメ! 画像はTVアニメ『機動戦士ガンダムSEED』ビジュアル (C)創通・サンライズ

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ふたつのNTRに加担した男…その名はキラ・ヤマト!

ふたりの友人から恋人を奪ったシリーズ屈指のプレイボーイ?『機動戦士ガンダムSEED』

 ここまではヒロインを寝取られてしまった悲しき主人公を紹介してきましたが、最後は逆パターンも見ていきましょう。2002年に放送されたアニメ『機動戦士ガンダムSEED』は、主人公のキラ・ヤマトが他人の恋人を奪っていきます。

 ひとり目の女性は、フレイ・アルスター。彼女はキラの友人グループのひとりであるサイ・アーガイルの婚約者でした。戦争の中で父を亡くしたフレイは、復讐のためキラに近づき、望まぬ戦いのなかで傷ついていく彼を支えます。サイの恋人であることを知りつつ、以前からフレイのことが気になっていたキラは、彼女の優しさにのめり込んでいきました。当時のアニメ視聴者からは、次第に蚊帳の外に追いやられていくサイに「不憫すぎる……」と同情する人も少なくありませんでしたね。

 そしてふたり目の女性は、ラクス・クライン。彼女もキラの幼馴染であるアスラン・ザラの許嫁でした。ラクスの場合、物語のヒロインらしい登場の仕方だったので、ファンの中には最終的に「キラ×ラクス」のカップリングを予想していた人がいたかもしれません。しかしキラがニ度も友人の恋人を奪うことまでは予想できなかったはず。ただ「ガンダム」シリーズには、たまにファンの想像を裏切るカップリングが登場するため、ある意味納得……といったところでしょうか。