エサ取りの反応を見てタナを調整

エサ取りが少ない厳冬期とはいえ、エサ取りが全くいないわけではありません。サシエのオキアミが残ってくるようなときは少しずつタナを深くしていき、生命反応のあるタナ付近で釣りを続けます。
最初はフグなどのエサ取りだけかもしれませんが、たとえエサ取りの反応であったとしても、サシエのオキアミがかじられるようなタナが好ましいというわけです。逆に、根魚やベラのような海底付近に多く見られるようなゲストが食ってくるようであれば、タナはそれ以上深くせず、辛抱して本命のアタリを待つことが好ましいでしょう。


サシエのオキアミ。サシエが残っているか、かじられているかを見ながら、タナを微調整しましょう

そしてマキエは一度に大量に投入せず、エサ取りがいるようであれば、投入前にヒシャク1~2杯を仕掛の投入位置よりも少し手前に入れておきます。エサ取りが少ないようであれば、仕掛を投入したのち、サシエがタナに到達する頃合いを見てヒシャク1杯のマキエをウキに被せるように投入します。

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マキエを撒き過ぎない!
もしエサ取りが多い場合は…とっておきの秘策

水温が下がるほど、エサ取りも本命も同じタナに集まる傾向があります。しかしながら近年は温暖化の影響があり、厳冬期でもエサ取りが多く見られます。エサ取りがいるとマキエを多く投入したくなりますが、この季節はマキエを投入し過ぎないよう心掛けましょう。低水温下ではメジナも摂餌量が少なくなりますから、たくさん撒きすぎると時合は短くなってしまいます。

なかなか本命のアタリが出ないなか辛抱を強いられると、どうしてもサシエがエサ取りに食べられているのでは? という心配がつきまといます。こんなときはサシエに「オキアミブラック」を振りかけておくと、エサ持ち時間は格段に長くなり、確実にアタリを出すことにつながります。


オキアミブラックに漬けたサシエ

エサ取り対策リキッドの「オキアミブラック」は、表層付近にいるエサ取りが、視覚によって明るい色彩のオキアミをねらってくるという習性を利用した特許商品です。
先日釣り場で「食いの渋いときにオキアミを黒くしてしまって本当に食ってくるのか?」という質問を受けたのですが、待ち時間が長くなるほど黒い色素が抜けて、深ダナの本命にアピールするため全く心配はありません。熱海の沖磯で、そんな会話の最中に40cmオーバーのメジナが食ってきました。

といったワケで、厳冬期のメジナをねらうためのポイントはいかがだったでしょうか?
最後に、季節風の強いときは風裏であっても風がおさまった途端、大波が来ることもありますから、安全第一で厳冬期のメジナ釣りを楽しんでくださいね。

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レポーター

プロフィール:長岡 寛
1960年生まれ、東京都出身
北里大学水産学部(現・海洋生命科学部)を卒業後、大手釣りエサメーカーに入社し研究開発担当として数多くの新製品を手掛けた経歴を持つ。
定年退職後の現在は、「フィッシング彩」代表としてメジナ、クロダイ用の立ちウキ「彩ウキ」を製造・販売するほか、釣り関係の新聞・月刊誌などの執筆、大学や高校での講師としても活躍。代表著書に「釣りエサのひみつ(つり人社)」がある。
趣味はもちろん釣りだが、写真撮影、魚の組織標本作成、釣りに関連したアニメーション作成など多方面にわたる。さまざまな活動を通じて、ハードルの高い釣りのとっつきにくさやその先入観を拭い、できるだけ手軽に楽しんでもらうキッカケづくりができればと考えている。