左右どちらかにズレて取り付けられている車は違法?

車の前後に装着されるナンバープレートは、以前は「番号を見やすいように表示しなければならない」と取り付け位置等について基準が曖昧でしたが、現在は数値で明確に規定された新基準が導入されています。

明確な数値をもって取り付けに関する基準があるナンバープレートですが、カスタムカーの中にはこの基準を無視して、極端な下向きや、カバーをかけるなどの取り付け方をしている場合があります。これらはナンバープレートの表示を読みにくくするため違法です。

いっぽう、ナンバープレートを左右の中央位置ではなく、左右どちらかに寄せて取り付けている車もあり、これはカスタムされた車だけでなく、スポーツカーや軽自動車等では元からそのように取り付けられている場合も。

自動車メーカー自らがナンバープレートを違法な位置に取り付けようとしていると思う方もいるかもしれませんが、実は取り付ける位置については、「見やすい位置」という指定があるのみで、中央位置にあるようにという指定がありません。

そのため、元から左右にズレて取り付けられているスポーツカーや軽自動車等に違法性はなく、カスタムカーであっても法規に則っていれば合法となります。

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ナンバープレートをズラして取り付ける理由は?

©️PiyawatNandeenoparit/stock.adobe.com

ナンバープレートをズラして取り付けることに違法性がないとしても、ナンバープレートは車体中央についているほうが見た目は良いように感じ、ズレていると気持ち悪いと感じる人は多いようです。

メーカーとしては見た目でネガティブな印象を抱かれるのは避けたいところですが、それでもあえてズラして取り付けるのは理由があります。

元からナンバープレートが中央より左右に寄せて取り付けられている車としては、三菱の『ランサーエボリューション』が有名です。ベースモデルの『ランサー』では車体の中央にあるのに、ランサーエボリューションでは助手席側に寄せて取り付けられています。

ランサーエボリューションはフロントバンパー開口部のすぐ裏に、エンジンへ導入される空気を冷やす装置が取り付けられていますが、ナンバープレートが中央に取り付けられていると走行風が効率よく当たらずパフォーマンスが発揮できません。そのため、冷却性能を向上させるため、また空力性能も向上させるために、このような取り付け方となったのです。

ランサーエボリューション同様に冷却性能や空力性能の確保を理由としている車はあり、このほかにも中央位置では取り付けが難しいなどデザイン上の理由からナンバープレートをズレた位置に取り付ける車はあります。