道路上にはさまざまな交通主体が行き交っており、乗用車に限っても、コンパクトカーからスーパーカーまで、サイズも価格もまったく異なる車が走っています。

もちろん、高い車でも安い車でも、公道を走るうえでは等しくルールに従わなければいけません。そのため公道ではどんな車も平等のはずですが、一方で「大きい車は態度がデカい」「小さい車はあおられやすい」など、ドライバーの意識の面で差が生じてしまうこともあるようです。

今回はドライバーの方々から、道路上で実感した「高い車の特権」および「安い車が直面する理不尽」についてのエピソードを集めました。

軽自動車に乗っていると感じる理不尽

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車のサイズや価格の違いによって生じる「周りからの扱いの差」は、日頃から複数の車種を運転している人ほど実感しやすいのかもしれません。とくに車種間のサイズや価格の差が大きいほど、そのギャップも感じやすいでしょう。

「家ではオデッセイに乗っていますが、仕事でよくアルトバンを運転することがあります。アルトバンに乗っていると、『ナメられているな……』と感じることが頻繁にありますね。

オデッセイに比べ、後続車の車間距離がやたら近かったり、割り込みをされる頻度が高かったり。なんというか、短絡的なドライバーが多いなぁと思ってしまいます」(40代男性)

軽自動車のほか、バイクや自転車など、サイズが小さくパワーも少ない乗り物においては、車間を詰められたり幅寄せをされたりといった被害がしばしば報告されています。サイズを見て直感的に「自分より弱いもの」と判断したり、車両価格を推定して「自分より立場が低い」と考えたりするドライバーもいるのでしょう。

もちろん交通主体の間に上下関係があるはずもなく、「格つけ」の意識は余計な苛立ちを引き起こします。「自分の方が偉い」といった意識は円滑な交通を妨げる結果にもつながりますので、つねにフラットな意識で運転することが大切です。

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高い車に乗ると、態度も横柄になるの?

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上の話からは、「乗っている車のサイズや価格によって、周りからの扱いが違う」ということが窺えます。それではやはり、サイズ差や価格差は「ドライバー側の意識」にも影響を及ぼしているのでしょうか。

「都心部を車で走っているときに、交差点付近など迷惑な場所に路駐しているのはことごとく高級車で、とくに輸入車の割合が高い気がします。国産車の方が数としては圧倒的に多いはずなのに、邪魔になるところに止めているのは高そうな車ばかり……。

そもそも都心で路駐する用のある人にはお金持ちが多いのかもしれませんが、それにしても交通への影響を考えずに堂々と路駐しすぎだと思います。その他の場面でも、『高い車に乗ると、態度も横柄になるのか?』と思うことがしょっちゅうあって、なんだかなぁと思います」(50代女性)

路駐している高級車が気になってしまうのは、「あまり見かけない車の方が目につくから」という背景もあるかもしれません。一方で、乗っている車の価格やグレードと、ドライバーの心理状態とには一定の相関性があるとも考えられます。

上の「路駐」とは別の話ですが、一例として、警察庁交通局交通指導課の矢武陽子氏による「日本におけるあおり運転の事例調査」という研究発表においては、あおり運転の加害車両の40%が「500万円以上の四輪車」であるという結果が示されました。

一方、被害側においては500万円以上の車両の割合が10%に満たないことから、あおり運転をするドライバーが車種から階級を判断し、自分より立場が下と思われる相手を追い込む傾向が指摘されています。

もちろん、これがルールに反した路上駐車の傾向と相関性があるのかは定かではありませんが、「車の価格」と「ドライバーの意識」の間には少なからず関係があると考えられるでしょう。

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