【3】寿老人:妙隆寺

宝戒寺前の小町大路を道なりに南下し、約4分の場所にあるのが妙隆寺。至徳2年(1385年)に法華宗中山門流(ほっけしゅうなかやまもんりゅう)の日英上人が開山し、開基は鎌倉幕府の御家人であった千葉胤貞(ちばたねさだ)で、祖先の冥福を祈るために建立したといわれています。

中山門流は日蓮宗派のひとつ。鎌倉は日蓮上人ゆかりの地であり多くの足跡を残していますが、妙隆寺の約150m南には説法を行った場所のひとつ「日蓮上人辻説法跡(にちれんしょうにんつじせっぽうあと)」があります。

妙隆寺の本尊は釈迦牟尼仏(しゃかむにぶつ)で、本堂右手には僧侶が寒中に百日間水行をしたといわれる日親上人行法御池之霊跡(にっしんしょうにんぎょうほうみいけのれいあと)などがあります。

また、本堂手前の小さなお堂には七福神の一柱である寿老人(じゅろうじん)の木像が安置され、その数m先には寿老人の石像があります。

寿老人は1,000~1,500歳まで生きたといわれ、長寿を象徴する鹿を従えているなどの特徴ももつ、健康長寿の神様。同寺の木造と石像にも鹿が一緒に彫られています。

本堂左手前に寺務所があるので、御朱印はこちらで拝受しましょう。寿老人朱印のほかに本尊朱印もありますが、寿老人朱印には「福寿延命」の宝印が押され、住所である「小町」の字が書かれるのが特徴です。12~13時は休憩時間となるのでご注意を。

妙隆寺

住所:神奈川県鎌倉市小町2-17-20電話:0467-23-3195拝観時間:10:00~16:00御朱印初穂料:各500円拝観料:志納

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【4】恵比寿天(夷尊神):本覚寺

妙隆寺から小町大路脇の「日蓮上人辻説法跡」を過ぎてさらに道なりに進むと、5分ほどでたどり着くのが本覚寺(ほんがくじ)。この地は鎌倉幕府の裏鬼門にあたり、源頼朝が鎮守として夷(えびす)堂を建立した場所といわれています。

本堂の御本尊には釈迦三尊、中尊に釈迦如来、右脇侍に普賢菩薩(ふげんぼさつ)、左脇侍に文殊菩薩(もんじゅぼさつ)と祀られ、そのうち文殊菩薩は鎌倉十三仏の第三番札所として有名。そして本堂右側にある分骨堂には、身延山のお墓から分骨された日蓮上人の遺骨が安置されています。

夷堂があるのは、仁王像が左右に鎮座する正面入り口の山門を入ってすぐ右手の小高い場所。中には七福神の1神である夷尊神(えびすそんじん)が祀られています。夷尊神とは商売繁盛の神様で知られる恵比寿天のことです。

御朱印はその向かいにある寺務所で拝受でき、夷尊神のほか同寺第二祖の日朝上人、文殊菩薩の御朱印と3種があります。特徴としては「開府 夷堂霊場 創建」の宝印に加え、妙隆寺と同じく「小町」と書かれるほか「招福」の文字も。特に指定しない場合は日朝上人の御朱印となるので、七福神めぐりの際は夷尊神の旨を伝えましょう。

本覚寺

住所:神奈川県鎌倉市小町1-12-12電話:0467-22-0490拝観時間:9:00~16:00御朱印初穂料:各500円拝観料:志納

【5】大黒天:長谷寺

江ノ島電鉄(江ノ電)の長谷駅まで移動し、長谷寺(はせでら)へ。本覚寺から鎌倉駅までは徒歩約3分で、そこから江ノ電に乗って3駅先にあるのが長谷駅です。

下車したら北へ歩き、「長谷観音前」の交差点を左折すればそこはもう長谷寺の参道。駅からお寺へは約5分で着きますが、駅前から約10分そのまま北上すれば、有名な鎌倉の大仏が鎮座する高徳院です。

長谷寺は鎌倉有数の古刹であり、創建は奈良時代の天平8年(736年)とも。本尊は長谷観音の名でも親しまれている、十一面観世音菩薩像(じゅういちめんかんぜおんぼさつぞう)。高さ9.18mと、木彫仏としては日本最大級の尊像であるとともに、坂東三十三観音霊場の第四番札所として多くの参拝者でにぎわいます。

緑深い観音山の裾野から中腹に広がる境内は、きわめて広大。最奥には本尊でもある観音菩薩、その隣に、懸仏や梵鐘などさまざまな宝物を収蔵した博物館「観音ミュージアム」があります。七福神の一柱である、五穀豊穣や商売繁盛などの神様・大黒天を祀った「大黒堂」があるのは拝観入り口から右に進んだ先です。

そのほか、「お寺のカレー」(1,100円)が名物の食事処「海光庵」、豊富なドリンクとデザートでゆっくりくつろげる「てらやカフェ」、同寺で人気の「和み地蔵」のグッズをはじめ多彩なグッズがそろう「なごみショップ」など、見どころも満載です。

加えて「鎌倉の西方極楽浄土」と呼ばれるほど四季折々の花々が彩る寺であり、特に梅雨時季に咲く40種以上、約2,500株のアジサイは圧巻。高台にある立地は景色も素晴らしく、見晴台やさらに上の眺望散策路からは、相模湾の眺望が楽しめます。

御朱印所は本堂(観音堂)内に。御朱印の種類も数多く、観音菩薩や大黒天のほかにもいくつかあり、大黒天の御朱印には梵字の「マ」や「出世開運」と書いていただけます。ただ、参拝者の多い4~6月や年末年始など混雑期間は原則として書き置きの御朱印紙となるのでご注意を。

また、写経会場である書院では、毎日9~13時まで自由に写経ができ、筆などの道具は貸し出してもらえます。

長谷寺

住所:神奈川県鎌倉市長谷3-11-2電話:0467-22-6300拝観時間:7~3月8:00~16:30(閉山17:00)、4~6月8:00~17:00(閉山17:30)
※境内の各施設については長谷寺の公式サイトをご確認ください御朱印:500円~(写経用紙1,200円・書院にて)拝観料:大人400円、小学生200円(観音ミュージアム入館料は別途大人300円、小学生150円)web:https://www.hasedera.jp/

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【6】福禄寿:御霊神社

長谷寺から徒歩約6分、長谷駅からは線路沿いの小道を歩いて4分ほどでたどり着くのが、権五郎(ごんごろう)様と呼ばれ親しまれている御霊(ごりょう)神社です。

建立は平安時代後期とされています。もともとは鎌倉一帯を治めていた鎌倉、梶原、村岡、長尾、大庭氏の五家の祖を祀ったことから「五霊社」と呼ばれ、いつしか「五霊」が転じて「御霊」と通称されるようになりました。

その後「後三年の役」で活躍した武士、鎌倉権五郎景政(かまくらごんごろうかげまさ)のみに祭神が集約され、その名から権五郎神社と呼ばれるようになったという歴史があります。

同社のユニークな特徴といえば、鳥居の目の前を江ノ電が走っていること。また、境内には樹齢350年ともいわれ市の天然記念物にもなっている神木「タブノキ」があったり、近くの線路沿いがアジサイの名所であったりと、見どころはたくさん。一般の方の境内撮影は禁止となっているので、撮る場合は外からどうぞ。

七福神は子孫繁栄、財運招福、延命長寿のご利益で知られる福禄寿で、境内の「御霊神社宝蔵庫(面掛 福禄寿)」に祀られています。そのほかに稲荷社や秋葉神社など、末社も多数。御朱印は鳥居のすぐ先にある社務所で拝受できます。

福禄寿はもちろん鎌倉景政公や江ノ電のスタンプを押印したタイプなど数種類ありますが、福禄寿御朱印をいただく際はまず宝蔵庫を拝観しましょう。

御霊神社

住所:神奈川県鎌倉市坂ノ下4-9電話:0467-22-3251拝観時間:9:00~17:00御朱印初穂料:500円〜拝観料:志納、福禄寿拝観料100円

【7】布袋尊:浄智寺

長谷寺から長谷駅経由で再び鎌倉駅に戻り、そこからJRで隣の北鎌倉駅へ。西口を出て8分ほど歩くと、浄智寺(じょうちじ)に到着します。

同寺は鎌倉幕府第五代執権・北条時頼の三男である北条宗政が亡くなった折、その菩提を弔うために弘安4年(1281年)ごろ創建されました。曇華殿(どんげでん)と呼ばれる本堂に、本尊の阿弥陀、釈迦、弥勒の各如来が祀られ、こちらは過去、現在、未来を象徴しています。

境内は広く、まずは山門がお出迎え。その先の拝観受付を抜け階段を上ると鐘つき堂を設えた鐘楼門(しょうろうもん)があり、さらに進むと曇華殿が。そこから案内板に従ってぐるりと歩けば、風情のある茅葺き屋根の書院、「やぐら」といわれる岩壁を掘った祠(ほこら)、そして隧道(トンネル)を抜けると小さな洞穴があり、その中に七福神の一柱である布袋尊の像が祀られています。

笑門来福、夫婦円満、子宝などの神である布袋尊。腹部を撫でると活力が湧いてくるといわれており、この像のお腹はツルツルとしています。御朱印所は書院に受付が併設。本尊と布袋尊の2種があり、どちらにも菱形で「佛法僧寶(ぶっぽうそうほう)」の三宝印(さんぼういん)と、「浄智」の宝印が押されます。

浄智寺

住所:神奈川県鎌倉市山ノ内1402電話:0467-22-3943拝観時間:9:00~16:30御朱印初穂料:各500円拝観料:大人200円、中学生以下100円web:https://jochiji.com/

鎌倉は四季の美しい景観も魅力

七福神をめぐって気付くことのひとつが、緑が豊かで季節ごとに美しい景色も味わえること。寺社それぞれの見どころや撮影スポットもさまざまで、実際に行ってみると想像以上に満喫できるはず。鎌倉をじっくり観光したい方にもおすすめしたい、モデルコースです。

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