ミッドシップのメリット・デメリット

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車体中央に寄せられているミッドシップのメリットとデメリットについて考えてみましょう。駆動方式は後輪駆動とします。

ミッドシップのメリット

メリットその1:コーナーリングが気持ち良い

先にも紹介したように高重量なエンジンを車両中心部周辺に配置できるのは大きなメリットです。フロントエンジンやリアエンジンの自動車と比べて、コーナリング時のフィーリングが気持ちよくなります。同時に車両の旋回姿勢も安定し、旋回性能が上がる点もポイントです。

例えば荷台付き(前でも後ろでも)の自転車を運転していて、10kgの荷物を背中のリュックで背負って乗るのと、荷台に10キロ分の荷物を置いて運転したとすると、背負っている時のほうが自転車の動きそのものは比較的軽やかです(背負っている分運転手に負担はかかりますが)。

メリットその2:低い車高と全高を実現できる

リア・ミッドシップの自動車をいろいろ見てみると、全体的に車高だけでなく全高も低くて、運転席・助手席後方が盛り上がってそこから少しストンと下がっていくようなボディデザインになっています。ローフォルムで地を這うようなデザインが特徴的です。レーシングカーのような見た目で、街中でも一際目立ちます。

ミッドシップのデメリット

デメリットその1:2人乗り仕様が多い

ミッドシップ車をいろいろ見てみますと、2人乗り仕様車がほとんどです。特にリア・ミッドシップ車では運転席・助手席後方にエンジンが搭載される構造から、後部座席を設けることは不可能となります。

デメリットその2:車両価格が総じて高い

このレイアウトが採用される車種はスポーツカーやスーパーカーばかりで、それ以外のエンジンやサスペンションなどもその系統に味付けされており、総じて車両価格が高くなっています。ローンを組んで購入した場合には車検整備や消耗品交換で費用が高くかかりそうですが、人気車種であれば売却時に良い価格で売れやすいです。次の車の購入資金にも十分なり得るでしょう。

デメリットその3:真後ろからエンジン音が聞こえる

これはMR車の場合ですが、真後ろからエンジン音が聞こえてきます。機械的な音が好きな人にはたまりませんが、静かにドライブしたい人にとっては少々厄介ではあるかもしれません。ちなみに、MR車に搭載されることの多いV型エンジンは、直列エンジンとは異なる静かで心地よい音がします。

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ミッドシップ(MR)が採用されている現行車

ここで、国産車と輸入車の現行ラインナップ(各自動車メーカーのウェブサイトのラインナップに載っているもの)にあるミッドシップ車をいくつか見てみましょう。

国産車のラインナップ

ホンダ NSX(現行)

すでに生産終了が発表されている現行NSXですが、四輪駆動でリア・ミッドシップエンジン、そして最高出力529PS・最大トルク600N・mを発揮する3.5LV型6気筒エンジンなど、スポーツカー(スーパーカー)と名乗るに相応しいスペックは備わっています。

最終モデルであるタイプSの国内販売台数は30台限定で、すでオーダー受付は終了。つまりは完売しています。新車価格は税込27,940,000円。

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ホンダ S660

軽自動車でありながら四輪独立懸架でリア・ミッドシップエンジンというスーパーカー数ペックを持つのがホンダ S660です。こちらも生産終了が発表されていて、全て完売。エンジンはさすがにV型ではなく直列エンジンですが、最も手頃なスーパーカーの名が相応しい自動車です。

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【番外編】ホンダ S2000

現代のMR車はとりわけ外国のスーパーカーが周流と言えますが、国内でスポーツカーが一世を風靡していた頃には昔、手の届きやすい価格帯のミッドシップ車が販売されていました。

その中でもピーキーすぎるとして一際目立っていたのが、ホンダの2シータースポーツカー・S2000(AP1型)です。1999年に発売された最初のモデルがAP1型で、2005年11月にマイナーチェンジされたのがAP2型と呼ばれています。

ピーキーすぎて扱う人を選んだフロント・ミッドシップ車

スポーツ走行における運動性の高さは言うまでもありませんが、何よりもAP1型のS2000はシビアな動きをすることで有名です。

エンジン回転数は9,000rpmまで回りましたし、最高出力は250馬力、最大トルクは218N・mのエンジンスペック。そしてマイナーチェンジ後は8,000rpm、最高出力は242PSと下がっています。

今でも人気車種の1つで、中古車市場では価格高騰中の模様です。気になる方は、さらに高くなる前に手元にストックすることをおすすめします。

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輸入車のラインナップ

輸入車のスーパーカーのラインナップは圧倒的に国産車を上回っているので、ミッドシップ、とくにMR車が充実しています。3台ほど見てみましょう。

ランボルギーニ アヴェンタドール

V12気筒自然吸気エンジンが搭載されたモンスターマシンです。最高出力はSVJモデルで770CV(PS:馬力のこと)、そして最高速度は時速350km超え。スーパーカーに相応しいスペックの1台です。

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フェラーリ F8 トリブート

V8エンジンが搭載されたMR車です。フェラーリ488GTBの後継車種に該当します。トリブートはイタリア語の tributo(賛辞)であり、この車両に搭載されたV8エンジンの完成度の高さを表現しています。最高出力は720CVで最大トルク770N・m。これまでフェラーリが作り上げたオンロード向けV8エンジンの中でもトップのスペックです。

ポルシェ 718 ケイマン

リアエンジン・リアドライブ(RR)の911だけでなく、ポルシェは718ケイマンのようなMR車も展開しています。また、6速MT仕様もラインナップされているのがポイントです。車両価格は税込729万円と、この手の車にしてはリーズナブル。

以上にご紹介したように、スポーツ性能の高さが一際目立つミッドシップ車。新車で購入すると価格帯が一気に高くなりますが、中古も含めて探すとリーズナブルなミッドシップを手に入れやすくなります。

エンジンが搭載された自動車が今まで以上に新車で発売されることは将来的になるなりそうですから、ミッドシップ車のオーナーになりたい人は早速動き始めましょう。

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