ロールケージのメリット・デメリット
メリット
ボディ剛性が上がる
先に紹介した通りボディ剛性が上がります。サスペンション本来の性能を発揮するために効果的です。
ボディそのものが経年劣化や度重なる修理・金属疲労などで劣化した車両にロールケージを取り付けて、ボディ剛性を高める方法もあります。
競技中の大きなクラッシュでもボディが比較的つぶれなくなる
ロールケージの無い車両よりもボディがつぶれにくくなります。モータースポーツにクラッシュはつきものですから、クラッシュ時に乗員を守るためのマストアイテムといえるでしょう。
見た目がかっこよくなる
レーシングカーやラリーカーのような見た目となり、モータースポーツらしさ全開のデザインでかっこよさ倍増です。組み上げるのに一手間かかりますから、手間をかけた分だけ達成感も味わえます。
デメリット
乗り降りが不便になる
ロールケージが邪魔して乗り降りが不便になります。パイプの数が増えればふえるほど車内空間も狭くなります。
ボディ剛性を高めるためにロールケージをたくさん取り付ければ取り付けるほど、日常生活における快適性・利便性からかけ離れていきます。
ロールケージに頭をぶつける可能性がある
ロールケージを入れた分だけ頭とのクリアランスが少なくなり、立ち上がった時や、交通事故の際に頭をぶつける可能性が高くなります。
座面位置の低いシートを導入したり、座面の高さを調整できるシートで対処しますが、大体の人は運転席側にフルバケットシートを採用します。
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車両重量が重たくなる
外径40mmの金属パイプを何本も使うため車両重量増加は免れません。
CUSCOでお馴染み株式会社キャロッセが展開するSAFETY21ロールケージの一部車種向けを見ると、シンプルな4点式ロールケージで13.0kg、8点式になると17.0kg増の30.0kgとなっているのがわかります。
この重量増加対策として後部座席を取っ払うのがお決まりコースです。ただし、後部座席を取り除く場合には乗車定員を変更する(構造変更して車検を通す)必要があります。
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ボルトオンでもフロアへの加工が必須
溶接よりも難易度の低いボルトオンタイプですら、車体フロア部分への穴あけ加工が必須となります。これをすると中古車としての査定価格は、していないものより安くなるのです。ただし、競技車両として販売されればまた事情が変わってきます。
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メリット・デメリットを理解した上でロールケージの導入を
ボディ剛性の強化、乗員の保護、サスペンション本来の性能を出し切るなど、ロールケージの役割はモータースポーツのためであるのは明らかです。
それらのメリットや見た目のかっこよさに魅了されて取り付けるのも良いですが、利便性・快適性の問題や査定額の低下といったデメリットを理解した上で取り組むようにしましょう。
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