ロールケージの種類と取り付け方法

ボディに固定する場所が多いロールケージの例
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ボルトオン仕様と溶接仕様

一番簡単な取り付け方が、ボルトオン仕様のロールケージです。この種類のロールケージは、車体側に穴を空けて(あるいは既に用意されているボルト穴を使って)ロールケージを組み付けただけのものになります。

ボディに穴を空ける作業・当て板をボディ外側に貼る作業がありながらも、基本ボルトとナットを締めることで装着できる手軽さ(簡単ではありませんが)が売りです。

ロールケージとしての性能を究極まで求めると、溶接でロールケージを組み上げるようになります。

ボディへの固定する場所の数

ロールケージの形状は点数で表されます。例えば、ボディ4ヶ所で取り付けられていたら4点式、6ヶ所だったら6点式という感じです。

15点式ロールケージになるとまるで迷路のようにロールバーが組み込まれています。

ダッシュ貫通・非貫通

ロールケージの形状は非常に奥が深いので、ここでダッシュ貫通・非貫通の違いだけ紹介します。

ダッシュというのはダッシュボードのこと。ロールケージを組み上げた時にダッシュボードを貫通していれば「ダッシュ貫通」、貫通せずダッシュボード手前でロールバーが曲がっていれば「ダッシュ非貫通」です。

ダッシュ非貫通は「ダッシュ逃げ」とも呼ばれています。ロールケージが組まれている自動車を見つけて、ダッシュ貫通か逃げなのかを見て判断してオーナー様に話しかけると、大変喜ばれることでしょう。

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ロールケージのある車で公道を走れる?

ロールケージが取り付けられた車両でも公道走行可能

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時折一般道で見かけることや、全日本ラリーに参加しているラリーカーを見てわかるように、ロールケージが組まれた自動車でも車検を取得することはできます。公道走行も可能です。

ただし、道路運送車両法に違反しないことが前提のため注意が必要です。以下では基本的な注意事項をいくつか紹介します。

ロールケージ付き車両で公道を走る場合の注意点

乗員の周りにあるロールバーにはパッドを巻く

まず、乗員の周りにあるロールバーは剥き出し状態ではなく、ロールバーパッドを巻いておかなければなりません。この根拠は「道路運送車両の保安基準」の第18条2項に記されています。

自動車(次の各号に掲げるものを除く。)の車枠及び車体は、当該自動車の前面が衝突等による衝撃を受けた場合において、運転者席及びこれと並列の座席のうち自動車の側面に隣接するものの乗車人員に過度の傷害を与えるおそれの少ないものとして、乗車人員の保護に係る性能に関し告示で定める基準に適合するものでなければならない。

道路運送車両の保安基準より抜粋

上述した通りロールケージは金属パイプの集合体ですから、交通事故時で頭をロールバーにぶつけたら危険です。その対策として専用のパッドを巻いて緩衝するようにしておく必要があります。

運転者の視界を妨げないようにする

平成28年11月1日以降の新型車及び平成30年11月1日以降の継続生産車にロールケージを装着する場合、「自動車の運転に必要な直接視界に係る協定規則(第 125 号)」に違反しないよう注意する必要があります。

運転席から前方の一定範囲に視界を妨げる遮断物を置くことを禁止するというものです。上記期間に該当する自動車にロールケージを取り付ける際には注意しましょう。

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