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『となりの妖怪さん』の衝撃は『進撃の巨人』級 『ガルクラ』などGWも“神回”がひしめく

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『となりの妖怪さん』©noho・イースト・プレス/「となりの妖怪さん」製作委員会

 毎週、「ほとんどの作品を観ている」アニメライター・はるのおとによる週刊連載「【アニメ】神回・オブ・ザ・ウィーク」。4月29日から5月5日に放送された分から注目の“神回”をピックアップ!(編集部)

参考:ゴールデンウィークに奇跡の復活! 『インセクトランド』未公開話4本が素晴らしかった

 「うわあ……なにこれ 全然つまんない こんな面白くない映画をボクに観せることに なんの意味あんの?」と少年が映画を観ながら思いを募らせるマンガ(『インベスターZ』)がSNSで話題になりました。これは投資における“損切り力”につながる話ですが、無理やりTVアニメに置き換えると序盤を観たり、もしくは観もせずにアニメの視聴を打ち切ることで“(時間の)損切り”するといった具合かもしれません。それも一理あるのでしょうが、神回と呼ばれるようなエピソードがいつどんな風に現れるかわからないから面白いというのもアニメファンなら知ってますよね。

 というわけで、今回は視聴を続けていたからこそ存分にたのしめた神回から紹介していきます。

「となりの」ってそういうことなの!?『となりの妖怪さん』
TVアニメ『となりの妖怪さん』本PV
 猫として20歳まで生きて猫又に転生したぶちおが、妖怪と人と神様が一緒に暮らす縁ヶ森町にやってくるところから始まる『となりの妖怪さん』。この町で起こる少し不思議で温かい日々が描かれるハートウォーミングな日常もの……と視聴者に思わせておいて、第5話でいきなりガツンとSF展開をやってきたことに驚かされました。

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 第5話は、普段は人間の姿で暮らしている化け狐の百合がメインとなるエピソード。過去の家族とのいざこざに彼女は思い悩んでいたところ、町の近隣に空間の歪みが発生し平行世界と接続! さらに平行世界から来た百合との入れ替わりが発生し、百合は妖怪と人と神様が一緒に暮らしていない世界を覗きます。「『となりの妖怪さん』ってそんな世界設定だったのか!」と、唖然とさせられるうちに色々あって百合は元の世界へ。そして百合の心境に変化が訪れるのですが……とにもかくにも、『がっこうぐらし!』第1話や『ぬるぺた』第10話、『進撃の巨人』のマーレ編などが思い浮かぶ衝撃でした。もしかして、ここからが『となりの妖怪さん』の本番なのか。

 単純な神回、という点では第3話も極上のエピソードでした。しかし『となりの妖怪さん』の作風を理解できた辺りで繰り出してきたこの第5話のおかげで、もう今後どんな話が出てくるかまったく読めなくなり。次回はほっこりに戻るのか、それともSF路線に走るのか……そんな風に期待をガツンと高めてくれたことは書き記しておきたいところです。いや、第5話でいきなり面白さのギアが上がった『HIGHSPEED Etoile』も期待度の高まりという点では同等でしたが。

おもしろめんどくせー過ぎる女『ガールズバンドクライ』
『ガールズバンドクライ』第5話「歌声よおこれ」WEB予告
 ギアが上がるどころか第1話からずっと暴走気味の『ガールズバンドクライ』ですが、第5話もものすごかった。本作については3Dキャラクターによる映像の楽しさ、エモーショナルかつ巧みでキャッチーな脚本、リアルバンドの話などいろいろ触れたく、リアルサウンド映画部でもいくつか記事が出ているのでそちらも参考にしてほしいですが、主人公バンド・新川崎(仮)が初めてライブハウスのステージに立つ第5話では、改めて主人公・仁菜に惚れ惚れしてしまいました。

 ショッキングな場面に出くわし逃げ出した先で、寄り添うバンドメンバーに「すごい汚い言葉を言ってしまいそうだからちょっと待って、先に無意味に叫んで気持ちだけ吐き出しちゃうから」と言って言葉にならない叫びの末に、最後にはきっちり「クソが! 死ねーーー!」と言っちゃう非痛感。居酒屋でドリンクをかけ合うほどの言い争いをしておいて、仲裁(と煽り)に徹してくれたバンドメンバーにも「顔見てムカついたからつい」とウーロン茶をぶっかける身勝手さ。ほかにもこの話では仁菜の奇行がたくさんあり、ときにユーモラスに描かれます。でも、これくらい滅茶苦茶やりたい気持ちを若い頃はみんな持っていたはずで、まあ実際にやるかはさておき、そんな気持ちがとっくに萎えた人間に彼女の姿はあまりに眩しく胸が締め付けられます。

 こんなに“いい子じゃない”女性主人公は『クロスアンジュ』のアンジュ以来では。オジサン向けには、『ベルセルク』における蝕後のガッツみたいな雰囲気と言えばいいでしょうか。そもそもロックをやる人間なんて反骨精神で動くべきで(古臭い価値観なのは重々承知です)、過去のガールズバンドアニメでこういう主人公がいなかったのが不思議なくらいです。口さがないファンからは「(出身地である)熊本の狂犬」「中指立て子」などと呼ばれる彼女ですが、この勢いのまま最終回まで突っ走って、最高のロックヒロインとして泣き笑いさせてほしいものです。

そんなOP入りアリなのか『この素晴らしい世界に祝福を!3』
TVアニメ『この素晴らしい世界に祝福を!3』第4話次回予告【このすば】
 最後は小ネタを。相変わらずのドタバタ劇が楽しい『このすば』3期ですが、この回のアバンではダクネスの絶叫が被るかたちでオープニング入りという珍しいパターンでした。こういうちょっとした工夫が楽しい。

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