「そのスタイルには賛否両論あるけど、よく鍛えられていると思うし、組織的な守備をベースにしているので今後も大崩れはしないだろう」
まだシーズン前半とはいえ首位に立つとは思わなかった。大したものだよ。
昨季J2で独走優勝した町田が、初挑戦のJ1でもその勢いのまま好スタートを切った。親会社(サイバーエージェント)の資金に支えられ、オフに多くの選手を補強。昨季とはスタメンの顔触れがかなり変わったけど、守備ありきの堅実なサッカーは変わらない。全員がよく走って、ファウル覚悟でガツガツと激しく守る。
警告数はリーグ最多(第8節終了時点で20)。正直、不必要なファウルも多いし、審判に文句を言うシーンも目につくけど、J1でも十分に通用している。
攻撃面に関してもフィジカルを前面に押し出してくる。前線に長身選手を置き、右からも左からも徹底してロングスローを放り込んでくる。
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そのスタイルには賛否両論あるけど、よく鍛えられていると思うし、何よりプロは結果がすべて。組織的な守備をベースにしているので今後も大崩れはしないだろう。
ただ、このまま優勝争いを続けられるかといえば、さすがに難しいんじゃないかな。攻撃のバリエーションがあまりにも少なすぎるからだ。
今の町田は両サイドバックが全然攻め上がらず、展開力もないから、どうしても単調な攻撃になりがち。相手からすれば守備の的を絞りやすい。
そして頼みのロングスローも相手に研究されて、なかなか結果(ゴール)にまでつながっていない。広島や神戸といった選手のキャスティングで上回る相手にはうまく守られていた。黒田監督が開幕前に掲げた今季の目標「5位以上」を実現するには、そのあたりの改善が課題になるだろう。
期待したいのは故障から復帰し、チームに合流したFWエリキの存在。昨季のJ2のMVPでチームの得点源である彼がどこまで調子を取り戻せるか。エリキが昨季同様のプレーを見せられるかどうかがチーム浮沈のカギを握るだろう。
その町田と第8節に国立競技場で対戦し、貫禄を見せたのは昨季王者の神戸だ(2-1で勝利)。この試合は僕も現地で見ていたんだけど、絶対的なエースの大迫、さらに左サイドでいい仕事をする汰木が故障で不在にもかかわらず、町田を圧倒した。