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日本在住の外国人「災害時の対応、分からない」スポーツを活用した防災訓練で解決

パラサポWEB

競技では8チームに分かれて競い合った。リレーは1チームから5人の選手が出場し、3つのポイントに用意された課題をリレー形式でクリアしてゴールを目指すというもの。3つのポイントには以下の課題が用意された。

1ポイント目:1人の選手が防災グッズを防災バッグに詰めて運ぶ。 2ポイント目:2人の選手がフェイスタオルを使った簡易担架でバレーボールを運ぶ。 3ポイント目:2人のうち1人をけが人と見立て、もう1人が新聞紙とビニールテープを使って簡易応急処置をする。

これをすべてクリアしていち早くゴールしたチームが勝ちとなる。

同じチームになった人同士、交流を深める参加者のみなさん

「リレーは、防災グッズとはどういうものかとか、身近なものを使って簡易担架を作れることや応急処置ができるということを知ってもらうためのものでした。パン食い競争をテレビで見たことがあって興味があったという人もいて、すごく盛り上がりました」

そう話してくれたのは福島さんと同じ多様性社会推進課の木原さん。今回の参加者はとても楽しそうな様子だったそうだが、こうしたイベントでは気をつけなければいけないこともあると木原さん。

「たとえば食べ物に関しては宗教などによって食べられない物がある人もいますし、文化や習慣として、パン食い競争のように手を使わずに食べるのは良くないと思う方もいます。また、頭にはちまきを巻くのに抵抗がある、できないという人もいます。そうした場合、出来ない、嫌だということが言えるような環境を作る配慮も必要です。ただ、やはり今回のようなスポーツを使った試みは、体を動かすことで、防災知識を楽しく身につけてもらうことができますし、チームで一丸となることで絆が深まったり、さまざまな人が交流できるので、これは大きな成果だったと思います」(木原さん)

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参加者のほとんどが外国人の方々だったそうだが、今回のイベントの成功を見て、今後は日本人の方にも参加をしてもらい、交流を深めるきっかけになればと福島さんは言う。

「今、福山市には約60カ国の人々が住んでいますが、英語圏の方ばかりではありません。日本人の市民の中には言葉がわからないことによって、近よりがたいとか、怖いといった先入観を持っている人も少なからずいらっしゃると思うんですが、こうしたスポーツを通したイベントで交流することで、心と言葉の壁を乗り越える、そんなことができたらいいなと思っています」(福島さん)

オリンピック、パラリンピックなどのスポーツの国際大会では、国や言葉、宗教や文化が違う人々が、スポーツを通してひとつになる姿を目にする。みんなで夢中になる、一緒に体を動かす、一緒に応援することで、人はひとつになれる。そんな風に、スポーツには心や言葉の壁を乗り越えさせてくれる力があることを改めて思い知った。これからますます多様化がすすむ日本社会で、スポーツは人々の理解と絆を深める重要なキーワードになるのではないだろうか。

text by Kaori Hamanaka(Parasapo Lab)
photo by Shutterstock
写真提供:広島県福山市多様性社会推進課

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