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スポーツツーリズムで約30億円の経済効果に。その成功の秘訣とは

パラサポWEB

2015年に創設されたスポーツ庁は、「スポーツ振興」だけでなくスポーツツーリズムなど、「スポーツによる地域振興」を進めてきた。自然環境を活かしたスポーツイベントのほか、近年では都市部でもできるアーバンスポーツも人気となっている。中には1回のイベントで30億円を超える経済効果をもたらすこともあるそうだ。そこで、大阪体育大学学長であり、一般社団法人日本スポーツツーリズム推進機構会長も務める原田宗彦氏にスポーツによる地域振興の課題と可能性についてお話を伺った。
※写真は、「2022ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」スタート前

地域振興のキーワードとなるスポーツツーリズムとは?

「2022ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」のゴールシーン。世界中から参加者、観戦客が訪れた。©︎Yuzuru SUNADA

原田宗彦氏は、著書『スポーツ地域マネジメント』の中でスポーツの持つ可能性について次のように語っている。

≪現代のスポーツには「稼ぐ力」が内包されており、この力を活用することによって、税金に頼らず、公民連携の仕組みを使い、創造的な方法でスポーツによる地方創生を行うことが可能となる≫

たとえば、埼玉県さいたま市で行われた、「ツール・ド・フランスさいたまクリテリウム」は、その名の通り、世界最高峰のサイクルロードレース「ツール・ド・フランス」の名を冠した世界初の大会。2017年の経済効果はなんと約30.9億円。また、恵まれた自然環境を生かしてスポーツ合宿の誘致を行った北海道網走市の2017年の経済効果は約6.4億円と、いずれも大きな成果をあげている。

「スポーツによるまちづくりは、健康的だし、盛り上がれば若い人が移住してきて地域の活性化にも繋がりますし、大きなイベントをやれば宿泊施設や飲食店、タクシーやバスなどの交通関係も潤うことになります。人が動けば、それだけお金が動きますから、大きな魅力ですよね」(原田氏、以下同)

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スポーツによるまちづくりをすれば、スポーツイベントへの参加や観戦を目的としてその土地に行ったり、スキーや山登りなど地域の資源とスポーツが融合した観光を楽しんだりする人が増える。こうしたスポーツを活用した「ツーリズム」のスタイルを「スポーツツーリズム」と言い、これが地域活性化のキーワードとなるというわけだ。

アーバンスポーツで若い世代を集客

©Shutterstock

先に紹介した埼玉県や北海道の例は、いずれも地域の豊かな自然を利用したスポーツによる地域振興。ではスポーツイベントの目玉となる豊かな自然環境や観光資源がない場合は「スポーツツーリズム」は実現できないのだろうか?

「特別な観光資源はないけれど、自然はあるという土地だったらアウトドアスポーツツーリズムのツアーができます。そうした環境がなくても、たとえば武家社会が発展した町で武道が盛んだったという地域であれば武道ツーリズムといった方法もある。東京マラソンのような都市部のマラソン大会だって、公道を使用してやるわけですから、どんな場所でもスポーツツーリズムは可能です。プレイスハッキングという言葉があるんですが、東京2020オリンピックで火が付いたスケートボードのようなアーバンスポーツだったら、時間と場所を決めて都会のど真ん中をハッキングしてイベントを行うといったことも実際に行われています」

都心のビルなどの構造物を利用した、アーバンスポーツのひとつパルクール ©Shutterstock

アーバンスポーツとは英語の「urban=都市の・都会の」という意味の通り、広いスタジアムや競技場を必要とせず、街中で楽しむスポーツのこと。代表的なのはスケートボードのほか、自転車競技の1つであるBMX、街中を走ったり跳んだり登ったりして、芸術的かつ機能的に移動するパルクールなど。こうしたスポーツはファッションとも結びつき、若い世代を集客するのに向いている。それで多くの人の集客に成功したのが茨城県笠間市にある「ムラサキパークかさま」だ。

公民一体で成功した「ムラサキパークかさま」の事例

ムラサキパークかさまの国内最大級4600平方メートルのスケート広場

「ムラサキパークかさま」は、2021年4月、茨城県笠間市内にある県立都市公園「笠間芸術の森公園」内に誕生した国内最大級のスケートパークだ。笠間市では、すでにあった公園の活用について検討した際、若年層や広域からの誘客を考慮し、東京2020オリンピックの正式種目ともなったスケートボードが楽しめるスケートパークを作ることを決定。その際、公の力だけでは施設を維持し続けることが困難だと判断し、スポーツ用品やカジュアルウェアの販売会社ムラサキスポーツと連携して、公民が協力した施設を建設することとなった。

設計段階から指定管理者の候補者としてムラサキスポーツを決定し、ムラサキスポーツの社員であり、スケートボード初代日本代表監督でもある西川隆氏が設計協力したスケートパークは、コンクリートパークとしては国内最大級の4600平方メートルのスケート広場を擁し、日本スケートボード選手権などの大きな大会が開催される他、東京2020オリンピックの際にはフランス代表チームが事前キャンプを行ったりした。

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