角行と言う人物について少し補足いたしますと、長谷川角行は室町時代にいた行者の一人で、のちの富士講の教典の元を作ったとされる人物です。角行の教えを弟子たちが受け継ぎ、6代目といわれる「食行身禄(じきぎょうみろく)」という人物によって角行の教えが世間に知られていくようになります。ご興味がありましたら是非こちらもあわせてご覧になってください。
https://www.sengenjinja.jp/fujikou/index.html
いよいよ富士塚登山に挑戦!
さて、ここに来たら是非とも富士塚登山に挑戦してみることをおすすめいたします。
千駄ヶ谷富士はアイテムの表示も立て札などで細かく記されています。手すりがついていたり、足元も比較的登りやすく整備され安心です。しかし山なので基本でこぼこしたところも多いですからハイヒールなどは危険です。歩きやすい靴でいらしてくださいね。
鳥居をくぐりますと、まず橋があります。
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これは現実世界と神聖な世界とを分ける橋。さあこれから別世界へ行きますよというしるしでもあり、儀式の一つになっております。
「参明藤開山」と彫られた文字が見えます。長谷川角行が唱えた題目に「明藤開山」というものがあり、お札や掛け軸にも描かれていた文字でした。
「里宮」がありました。
「里宮」とは、一つの神社が複数の神殿を持っている場合、山のふもとの村などにある社のことを示しています。これに対し、山の頂上にあるのが「奥宮」「山宮」といいます。
だんだん道が険しくなってくると、おしゃべりする余裕もなくなってまいります。
富士塚ならではの見どころやポイントとは?
千駄ヶ谷富士は富士塚ならではの見どころが満載です。
富士塚のアイテムは基本本物の富士山にもあるものが設置されています 。また、それがあることで、ここが本物の富士山でいう何合目になるのかなどわかるようになっているので少し立ち止まって実際の富士登山をイメージしてみるのもいかがでしょうか。登る前にちょっとした知識を頭にいれておくとそのアイテムを見つけた時に嬉しさも倍増ですので、 簡単な予習をされておくのもおすすめ です。また、千駄ヶ谷富士は立て札も豊富にあるので確認しながら登っていきましょう。
小御嶽石尊大権現の石が見えてきました。これは富士山でいうと5合目にある小御嶽神社のこと。つまりはここがこの富士塚の5合目ということになります。
ここには富士山の中腹をまわる巡拝路もあります。 富士講では中道巡りも価値があるとされていました 。皆さまも是非巡ってみてください。
さらに登っていくと食行身禄の像や、そのすぐ近くに烏帽子(えぼし)岩もあります。
身禄という人物は先程角行の教えを広めたとしてご紹介しましたが、富士信仰からの修行を続けた後、富士山7合5勺の烏帽子岩で31日間の断食をしたことで命を終えました。(1733年)その時の様子は「三十一日之御伝」という書にて残され、烏帽子岩は今でも富士山の8合目山小屋・元祖室の隣りにあるのだとか。烏帽子岩霊場として烏帽子岩神社も祀られているのだそうです。
富士塚においても、烏帽子岩があるあたりは7合目というわけですね。
さあ、いよいよ頂上につきました!
ここまでの所要時間は5分から10分程度です。しかし実際の富士山に登ったとされるご利益をいただけるのですから、なんてありがたいことでしょう!感謝の気持ちをもって体中に富士山パワーを浴びてくださいね。
山頂からの眺めです。かつてはここから富士山もよく見えたにちがいありません。
実際の富士山頂にもあるアイテムがここにも!
山頂にもいろいろなアイテムが揃っています。
金明水と銀明水は富士山頂の雪解け水が溶岩の間からしみ出ているもの。実際のものは、山梨県吉田口登山道の近くにあるのが金明水、同南、静岡県の富士宮登山道・御殿場登山道近くにあるのが銀明水となり、それぞれ祠を置いて祀ってあるといいます。「釈迦の割れ石」もあり、これは富士山頂にある名物岩ですが、他の富士塚ではなかなかお目にかかれない珍しいアイテムです。
この 千駄ヶ谷富士は登山口が3か所設けられています。 下山に違うコースを選んだり、他の登山口からも試してみたり、たくさんの富士山パワーをチャージしてくださいね。
心やすらぐ気持ちの良い空気が流れる境内
ここは都会であることを忘れるような、木々が生い茂る境内ではありますが、清潔で明るく管理が行き届いているところなどはかえって都会的な神社という印象も感じます。
また、私はこの神社で「花手水」というものを初めて知りました。
神社やお寺で参拝するときに、手や口を清める場所がありますが、その場所を手水舎(ちょうずしゃ)といい、そこに花を浮かべたものが「花手水(はなちょうず)」というのだそうです。感染症予防としての目的もあり取り入れる寺社が増えてきたようですが、色とりどりの花のフォトジェニックな美しさとして話題を呼び、新たな癒やしスポットとして注目を集めているようです。神社のアートのようにも感じます。
この神社のおみくじがとても愛らしい鳩の形をしています。
是非ともかわいい鳩のお告げをいただいてみましょう
将棋パワーがみなぎる将棋の聖地
境内には「将棋堂」というものがあるのも、この神社の特徴 です。将棋の技術向上を目指す人々の守護神とされています。将棋堂の扉は年に一度の「将棋堂祈願祭」の時だけ御開帳され、中にある「王将」の大きな駒を見ることができます。
今将棋界は若手の棋士である藤井聡太氏の活躍で注目されていますね。この神社のすぐ近くにある将棋会館は1階が売店になっていて、棋士の絵のついた文具があったり、りっぱな将棋台があったり、棋士の選んだ言葉が書かれた扇子があったりと、おもしろい商品がたくさんあります。
ちなみに藤井棋士が扇子に書いた文字として選んだ言葉は「果断」です。「ためらわずに思い切ってすること。その態度。」という意味で、藤井棋士の教養と決意を強く感じます。
https://tokyo-trip.org/spot/visiting/tk0689/
また、将棋の世界の漫画で「3月のライオン」という作品があります。将棋会館にはその登場人物桐山零くんの看板などもあり、この漫画の人気の高さを感じました。
零くんがカラーの絵柄でマンホールになっているものを発見!
零くんの他にもや川本姉妹の絵柄もあるそうで、この漫画の一ファンとしては是非とも他のマンホールも見つけ、全てを制覇したいと思っております。
こういったその地域に基づいたデザインマンホールは今様々な場所で展開しているようです。
https://www.gesui.metro.tokyo.lg.jp/business/b1/designmanhole/
周辺のグルメ情報
モンマスティー
テイクアウトのみの小さなお店です。紅茶の専門店で朝7時から深夜0時まで営業しているというのですから驚きです!朝の時間にはドリンクにマフィンがついていてとってもお得!
とにかく紅茶がおいしい のです!スリランカ産の紅茶セイロンティーをオリジナルブレンドしていて、通常の5倍の茶葉を使用しています。しっかりと苦みを出し、そこにエバミルクと牛乳と甘みを加え濃厚に仕上げているとか。 ミルクにも負けない香りゆたかな苦みのあるおいしさ を保っています。
モンマスパフェには何種類かあるアイスクリームから好きな一つを選ぶと入れてくれるのですが、そのアイスクリームがおいしいことはもちろんのこと、とても大きくてびっくり!飲みごたえ食べ応えともに大満足です。
さらにこのお店ができた経緯を公式ウェブサイトで読ませていただくと、店主が富士山登山した時のことが関係していて興味深いのです!お店が「千駄ヶ谷富士」のある鳩森稲荷神社の真ん前にあるということとも関係あるのかなあととても気になっています。
鳩森八幡神社で富士塚に登った後は是非ともこちらの紅茶でのどの渇きをいやしていただき、このおいしさを堪能してくださいね!
モンマスティー- 住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷1-21-2
- アクセス:JR総武線 千駄ヶ谷駅より徒歩5分 地下鉄副都心線 北参道駅より徒歩7分
- 営業時間:7:00 — 24:00
https://monmouth.jp/
プレミアムモスバーガー 千駄ヶ谷店
神社のすぐ近くにモスバーガーのプレミアムモスがあります。プレミアムモスなんてはじめて聞きましたが、現在関東ではこの千駄ヶ谷店と桜木町店しかない貴重なお店です。普通のモスとはちがう品揃えです。
グルメバーガーとクラフトビールが楽しめるお店なのだとか。
いつもとても混雑しているためまだ入れたことがありません。是非近々再挑戦したいです!
パワースポットで心をみたしたあとはおなかも満たして、体の元気もパワーアップしてくださいね!
プレミアムモスバーガー 千駄ヶ谷店- 住所:東京都渋谷区千駄ヶ谷1丁目8-11
- アクセス:千駄ヶ谷駅徒歩3分・国立競技場駅から3分・北参道駅から徒歩7分・千駄ケ谷駅から279m
- 営業時間:11:00~22:00 (L.O.21:00) 日曜営業
https://tabelog.com/tokyo/A1309/A130901/13189556/?cid=yo_ms_mkt_shop_13189556&msclkid=f5f267b55ea21ddc75c802da4852e253
都会のオアシス
鳩森八幡神社は厳かな雰囲気というよりは、ちょっと気軽にぶらりと寄れる都会のオアシスのような場所です。富士塚も山登り気分で気軽に体験してみませんか。
ここから外苑の方へむかうもよし、北参道を通って新宿へむかうもよし、どちらも歩いて行ける距離です。お散歩に最適なコースといえます。
歩きながらデザインマンホールも探してみてくださいね!
出典・参考
- 鳩森八幡神社
- ご近所富士山の「謎」有坂蓉子著
- 富士講 Wikipedia
- Weblio辞書
余暇プランナー:mochimochi+