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かつてはパラリンピック競技だった! 「ローンボウルズ」って?

パラサポWEB

パラリンピックの競技ではないものの、アジアパラ競技大会で過去3度実施され、イギリス連邦に属する国や地域などで人気のローンボウルズ。ボッチャカーリング、ペタンクなどと似ているが、一体どんな競技なのか。ボッチャとの違いを中心に、歴史やルールを紹介する。

エジプトに起源、イギリスなどで発展

ローンボウルズのルールを一言で説明するならこうだ。「自分の球を目標球に最も寄せた方が勝ち」。
自分の投げたものを目標に近づける類の遊びは、諸説あるが約7000年前、古代エジプトですでに行われていたようだ。このルールを起源とするスポーツは多い。パラリンピック競技では、ボッチャと車いすカーリングがあり、それらはローンボウルズと“きょうだい”といっていいだろう。

健常者が行うローンボウルズは13世紀以降、主にイギリスで発展を遂げた。一時は治安対策などの観点から国王や議会から禁止されたこともあったが、19世紀になると禁止が解除され、堂々とこのスポーツを楽しむことが許された。禁止令が解かれたことで、ルールが整備され、組織が立ち上がると、オーストラリアなど当時のイギリス植民地にも伝播し、世界に認識されるようになった。

白い球が目標球。ボッチャと異なり、ローンボウルズは停止したボウルの方向がまちまちだ

ローンボウルズは緻密な戦略が必要となるメンタルのスポーツ。一方、運動強度は高くないので、高齢の競技者も多い。年齢、性別にかかわらず楽しめる特徴がある。
障がいのある人にも親しまれ、“パラリンピックの父”と呼ばれるルートウィヒ・グットマン博士は、リハビリテーションにローンボウルズを取り入れていた。この取り組みは、障がいのある人にローンボウルズを広めるきっかけになったはずだ。

イギリス連邦に属する国や地域が参加して4年ごとに開催される総合競技大会「コモンウェルスゲームズ」では、健常者のローンボウルズも、障がい者のローンボウルズも人気競技の一つである。また、パラリンピックでは1968年のテルアビブ大会から1988年のソウル大会まで実施されたなどの歴史があるが、参加国の不足により、パラリンピック競技からは除外された。

ボッチャとは似て非なる競技

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ローンボウルズの国際大会では、視覚障がい4クラス(B1~B4)と身体障がい4クラス(B5~B8)の8クラスに分かれているが、国や地域によっては、知的障がいなど独自にクラスを設けているところもある。

ここでルールが似ているボッチャとローンボウルズの主な違いを見てみよう。

①経緯
両競技とも古代エジプトに起源を持つスポーツといわれるが、ローンボウルズは健常者から障がい者スポーツへ発展、ボッチャは重度脳性まひ者もしくは同程度の四肢重度機能障がい者のために考案されたスポーツという違いがある。

②コート(リンク)、球
両競技の大きな違いはコート(ローンボウルズはリンクと呼ぶ)の形と球の素材だろう。
競技を行う場所は、ボッチャは縦幅と横幅の比率が約2:1に対して、ローンボウルズは約6:1と長細く、イメージはカーリングのリンクに近い。すなわち、ボッチャのほうが左右に動く展開が見られ、シチュエーションもさまざまだ。
ボッチャは室内(体育館の木目の床やボッチャ用のタラフレックスのコート)で行われるが、ローンボウルズは野外が多く、競技名の通り必ず「芝(ローン)」の上で行い、室内でプレーする場合は芝のマットなどが必要となる。投球する位置は両競技とも決まっているが、ボッチャはボックス内、ローンボウルズは既定サイズのマットを持参してその上からボウルを投げる違いがある。

広いコートを分割して試合を行う点は、カーリング(アイスリンクのシート)に近い

球は、ボッチャは縫い目のある牛、羊などの天然皮革、人工皮革で作られ、硬さも選べる。ローンボウルズのボウルは、表面は滑らかで、素材の主流はプラスティックやゴムだが木製も使われ、メーカーごとにサイズや重さの違うさまざまな種類が展開されている。何より特徴的なのが、重心がずれた偏心球であること。そのため、勝手に曲がるボウルの特性を理解して転がさなければならない。

重心が偏っているローンボウルズの球。この偏心球をいかにコントロールできるかも勝敗を分けるポイントになる

③種目
個人戦、ペア戦、チーム戦などがあるのは両競技共通だが、ローンボウルズには3対3もあり、チーム戦では「リード、セカンド、サード、スキップ」の役割がある。これはカーリングと同じで、スキップはボウルの配置などの配球の指示を出してゲームをコントロールする。

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