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腸炎は「仮の病名」か…絶食を強いられ闘病の詳細を伏せたまま逝った谷村新司「男の美学」

アサ芸プラス

 あの日曜日の冷たい秋雨は、お天道さまの涙雨だったのだろう。

「アリス」のメンバーでシンガーソングライターの谷村新司さん(享年74)が2023年10月8日に亡くなっていたことがわかった。葬儀は15日に近親者のみで執り行われたと、16日に所属事務所が発表している。

 所属事務所は「今年の3月に腸炎での手術を行い、療養を続けておりました谷村新司ですが、2023年10月8日に息を引き取り、永眠いたしました。本人も回復に向けて頑張っておりましたので、本当に残念に思います」

 と無念さを滲ませるコメントを発表した。

「ミヤネ屋」(日本テレビ系)の生放送中に舞い込んだ突然の訃報に、コメンテーターとして出演していた高岡達之氏(読売テレビ特別解説委員)は「チンペイさん、早いです」と、涙で言葉を詰まらせた。

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 40年前、高岡氏がMBSラジオ「ヤングタウン」の学生アシスタントだった当時、谷村さんと5年間、一緒に仕事をして以降、親交が続いていたという。

「とてもかわいがっていただきました。大阪城ホールの楽屋にも呼んでいただいて、テレビ局に就職したと言ったらしても喜んでくれた。われわれの手の届かない、中国の偉い方とも交流されて。でも読売テレビで私の顔を見れば『元気か』と言ってくださった。テレビでは言えませんけど、大人の作法というのを教えていただいた。あまりに早いです」

 どうにか言葉を紡ぐのがやっとだった。

 今年3月に受けた急性腸炎の手術はおそらく「仮の病名」なのだろう。緊急手術が必要なほどの重篤な病魔との闘いは、まさに「チャンピオン」の歌詞そのもの。腸が炎症を起こしたり破れたりすると、絶食を余儀なくされる。酷暑の中でも水を飲むことすらままならない。それでも谷村さんは闘病の詳細を明かさず、最期まで男の美学を貫いた。

「信じない。いやいや、俺は信じない。何度か電話しても出ないから、どっか旅にでも出たに決まってる」

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