《仮に他社の競合製品の広告への出演が許されてしまうのであれば、長時間をかけて、また、莫大な金額を費やして築き上げたイメージを競合他社に瞬時に奪われるおそれがあることとなり、これまでのように高額な出演料をお支払いすることは難しくなります。
その意味で、本件はスポーツ選手や芸能人の広告起用にかかる業界の慣習を揺るがす事態といえます。》
三浦選手を起用したサントリーウエルネス側にも非があるとしたうえで、《以上のような理由から、業界において、このような事態が今後起こらないように本件をここに公表いたします》と、訴訟を公開した理由をつづった。
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2016年から「リポビタンD」のCMに出演していた三浦選手。企業側は、長年の投資がふいになったと捉えたため、リリース公表に至ったのだろうが、一方で、競合他社のCMにタレントが移籍するのは、そう珍しいことではない。
「2009年からキリンビールのCMに出演していた野球のイチローさんは、2017年からサントリーのプレミアムモルツのCMに登場しています。
また、木村拓哉さんは2004年から長年トヨタ・カローラフィールダーのイメージキャラクターを務めましたが、2020年には日産のブランドアンバサダーに就任しました。
今回当事者となった三浦選手も、缶コーヒーのCMで、ジョージアからキリンファイアへ移籍したことがあります」(前出・週刊誌記者)
なお、大正製薬HPの「リポビタン広告の歴史」というページには、三浦選手の記述はいっさいない。大正製薬の怒りは、相当なものなのだろう。