國學院大の先発・田中 千晴(4年=浪速)
<第53回明治神宮野球大会:國學院大6-2大阪商業大>◇22日◇大学の部・準決勝◇神宮
東都大学野球連盟代表の國學院大が関西五連盟第1代表の大阪商業大を下して初の決勝進出を決めた。
國學院大の先発は巨人から3位指名を受けた田中 千晴投手(4年=浪速)。「初回からリズムを作って、チームに良い流れを持って来ようと考えて投げました」と丁寧にコースを突く投球で5回まで無安打に抑える。
試合が動いたのは4回表、大阪商業大先発の上田 大河投手(3年=大阪商業大高)は、3回まで走者を背負いながらも無得点に抑えていたが、味方の失策なので無死満塁のピンチを招くと、8番・神里 陸捕手(2年=東海大相模)の二塁ゴロで併殺を狙いに行ったところで遊撃手の佐藤 翔平内野手(3年=福知山成美)が落球。痛いミスで先制点を献上した。
國學院大は続く9番・田中千の遊撃ゴロ併殺の間に1点を加えると、2死三塁から1番・山本 大輔外野手(4年=大手前高松)が三塁前にセーフティーバントを決めて1点を追加。相手のミスに乗じて3点のリードを奪った。
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5回まで田中千の前に抑えられていた大阪商業大だが、6回裏に1死から代打の犬飼 慶樹外野手(4年=尽誠学園)がチーム初安打を放つと、四球と相手の失策で2死満塁のチャンスを作る。ここで4番・河西 威飛内野手(2年=鳥取城北)が詰まりながらも右前に2点適時打を放ち、1点差に詰め寄った。
失策絡みの失点だったため、田中千に自責点はつかなかったが、「一番最後で打たれたのはまだ自分の甘いところなので、そこを次の世界に行って修正できるようにやっていきたいです」と反省していた。
ここで國學院大は田中千から坂口 翔颯投手(2年=報徳学園)に継投。「準備はしていたので想定内でした」と坂口は2死一、三塁のピンチを二飛で切り抜けると、7回以降も最速147キロの直球やチェンジアップなどを武器に3.1回を1安打に抑え、大阪商業大の反撃を許さなかった。
8回表に3点を追加した國學院大が6対2で勝利。23日の決勝にコマを進めた。
「田中がしっかりとゲームを作ってくれて、坂口が繋いでくれた。効果的に点を取れて、チーム全員で試合を作れたかなと思います」と試合を振り返った鳥山泰孝監督。相手の隙を突くセーフティーバントや鮮やかな継投策など、東都王者らしい試合巧者ぶりを発揮した。
初優勝まで残り1勝。「ピッチャーも野手も良い選手しかいない。絶対に日本一を獲れるチームだと思うので、チーム全員で勝ちたいと思います」と話した田中千。東都の誇りに懸けて頂点を獲りに行く。