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【漫画】朽ちゆくロボットが“新しい体”を拒絶した理由に涙 SNS漫画『ドクターとロボットの花』が優しい

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漫画『ドクターとロボットの花』より

 良質なSF作品は、現実から離れた世界にワクワクするとともに、時代や環境が変わっても、普遍的に大切なことを伝えてくれる。10月にツイッター上で公開された創作漫画『ドクターとロボットの花』は、現代とは異なる近未来的な世界観でありながらも、情緒のある物語と作画で、愛情のあり方を考えさせる良作だ。

(参考:【漫画】『ドクターとロボットの花』を読む

 舞台は植物の育たない星・惑星M36。機械修理士としてひとり働く少年、通称・ドクターにはワードンというロボットの友人がいる。しかし、機械の体はサビに侵食されており、いずれボロボロになり、土に還ってしまうという。ドクターはワードンのために代わりの身体を作ろうとするが、ワードンからは悲しい答えが返ってきて――。

 作者は、仕事の合間を縫って、商業誌の連載を目指して制作を行なっているというポポさん(@ikkaku_mute)。新しくも懐かしく、感動的な本作を描いた経緯を聞いた。(望月悠木)

「2人の今を切り抜いた物語にしたかった」

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――『ドクターとロボットの花』を制作した経緯をお聞かせください。

ポポ:2021年に漫画について学びたくて、プロのマンガ家を育成するオンライン講座“コルクラボマンガ専科”に参加したのですが、その卒業課題として制作しました。何を描こうか考えている時、なんとなく“ドクターが車を運転しているシーン”が思いつき、そこからストーリーを考えていきました。

――舞台となる「惑星M36」、ロボットの体をサビさせる病気の原因など、情報が限定的で、読者の想像力を刺激するものになっていました。

ポポ:正直、説明不足のためにストーリーに置いていかれた人も割といたのではないかと心配しています。ただ、なるべく2人の今を切り抜いた感じの物語にしたかったため、説明は少なくしました。とはいえ、「もう少しこの世界のことが分かるシーンを入れても良かったかな?」と今となっては思っています。

――ワードンは、「自分自身の身体に愛着があるから」とドクターの提案を断りました。「ワードンと一緒にいられる時間が終わる」という悲しさに加えて、「自分を選んでくれなかった」という切なさも伺えるシーンでした。

ポポ:祖父を亡くしたことを経験して、「何をしても叶わないことはある」ということがドクターはすでにわかっているため、「余計に辛いだろうな」と感情移入しながら描きました。また、信頼しているからこそ甘えてしまう、自分の気持ちをぶつけて辛く当たってしまうなど、自分の子供時代のことも思い出しながら描きました。

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