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山梨学院vs専大松戸

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 結局、山梨学院が9対3で専大松戸を下し、29年ぶりに秋の関東を制覇し明治神宮大会へ駒を進めた。

 専大松戸はこの日、山梨学院の先発・林の前に5回ノーヒットに抑えられるなど打線が沈黙。8回裏に2番手・星野から3点を返すのが精いっぱいだった。とはいえ、既にセンバツ出場ラインといわれるベスト4進出を決め、決勝まで勝ち上がった。その状況で持丸監督がこの日試合開始からフルスロットルで戦ったとは考えにくい。

 エース平野も元々万全ではないだけに、まずはエースが万全な状態で来春以降を迎えること。幸い、関東大会レベルの相手でも梅澤、渡邉 翼、青野 流果投手(2年)の3投手がある程度通用する目処が立ったことは今後へ向け収穫であろう。打線も上位、下位共に粘りがあり主軸には1発もあるが、一冬を越しセンバツで打線がさらにパワーアップした姿を見届けたい。

 山梨学院は旧チームから野手が多く残り、この日も連投でやや疲労の残る平野とはいえ、難なく捉えてみせた。140キロほどの癖のない直球であれば現時点で難なく捉える力を持っている。むしろこの代の課題は投手力であった。今大会のMVPは林であろう。吉田監督も

「一番は林の成長。投手のいない学年だったので関東を勝ち切ることは難しいと思っていたのですが、4試合勝ち切れたのはピッチャーの力。林は良さでもあり欠点でもあるのですが、少し神経質でストイックなところがある。フォームが安定して固めるという作業を繰り返し何度もやる子なので、それが良い方に出たかな。ストロングポイントは緩急。136キロの直球を140キロに感じさせることができる」

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と絶賛。県大会ではあまり安定感がなかったそうだが、

「林はフォームは良いが、県大会ではカーブとカットに球速差がついていなかった。なので、3週間でカットのスピードを上げたことで球速差がついた」(吉田部長)

と、部長と二人三脚で修正したことが功を奏し関東大会では見違えるような投球を披露した。

「林は直球が右打者のアウトコースに決まる時は低めから伸びてくるので。相手がストレートを狙っている場合はカットボールでかわす。制球は関東にきて良くなりました」と、正捕手の佐仲も認める。とにかく制球が安定していたこともあり、外野のシフトも大胆に敷くことができる。本人も「カウント作りは相手の土俵ではなく自分のリズムで自分の土俵で行うことを意識している。カウントを悪くして力勝負になるとかなわないので、常にストライク先行で。腕を畳むフォームは、部長先生と作りこんで、ああいうフォームだと榎谷さんのようなカットボールを投げやすいようなフォームを意識している」(林)と、ここへ来て投手陣に柱が生まれた山梨学院。監督も部長も声を揃え「旧チームより力は落ちるが、伸び代があり夏型のチーム」と評する山梨学院が今後どこまで伸びるのか。今から楽しみだ。

(取材=南 英博)

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