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拓大紅陵vs東京学館浦安

高校野球ドットコム

 拓大紅陵の前にコールドで敗れ、「防戦一方になってしまった」と反省したのは東京学館浦安の指揮官・橋口監督。拓大紅陵から2点を奪ったものの、ヒット3本のみでチャンスを作ることすら難しかった。守備でも被安打14と打ち込まれ、苦しい時間が続く結果に。ただ、この大会でベスト8まで勝ち上がったことで、春も県大会から出場できることは1つの収穫だった。

 収穫はそれだけではない。元プロ野球選手・谷佳知氏と五輪金メダリストを両親に持つ谷 佳亮外野手(2年)が、今大会3試合連続安打を記録するなど、成長を見せた。

 野球を始めたのは、東京学館浦安に入学してから。それまで野球は父とキャッチボールをするほどで、中学ではアイスホッケーとテニスをやっていたという。ただ、父の影響もあり、高校では野球へ転向。新たな世界へ飛び込んだが、当然苦しい道のりだった。

「バッティングでは差を感じました」と周りとレベルの違いを感じた。指導者から開かないことをアドバイスしてもらったり、母・亮子さんにもフォームを見てもらったりして少しずつ差を縮めてきた。さらに、野球に比べて足元が不安定なアイスホッケーだからこそ、体幹は自然に鍛えられた点を生かした。「(アイスホッケーのシュートは)打撃フォームに似ていて、体幹を使った動作なので、打席の中では脱力して体幹を使ったスイングを意識しています」と他競技で養われた感覚を、パフォーマンスに還元して、何とかレギュラーの座を射止めるまで成長してきた。

 準決勝を目指す拓大紅陵戦は、2打数無安打。走塁でもミスをしてしまい、ほろ苦い試合となった。谷は、「体格に差がありましたし、バッティングの切れも違った」とグラウンドで感じた強豪との差を振り返った。この経験と反省を、オフシーズンにどのように生かすか。

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 新チームになって4本塁打を放ち、今大会は3試合連続安打を記録した。走力も拓大紅陵戦で塁間走3.85秒(手動計測)を計測。外野守備では、横振りの投球モーションで正確に投げるなど、身のこなしを含めて、能力の高さが垣間見えた。現在は171センチ、64キロだが、体ももっと大きく、逞しくなるだろう。将来的には、足を使える巧打の外野手になるのではないだろうか。

 このポテンシャルをどこまで開花させられるか。そして「父のようなバッターに近づきたい」という目標にどれだけ近づけられるか。野球人生2度目の冬を通じての成長を期待したい。

(取材=編集部)

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