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彼らは単なる “加害者” か? パレスチナ・イスラエル取材を続けてきた土井敏邦監督の集大成「愛国の告白—沈黙を破るPart2—」

キネマ旬報WEB

ほんとに観るのがつらい映画だ。
しかし、今だからこそ観なければならないドキュメンタリーだ。
土井敏邦さんの作品を見ていつも思うのは「正義とはなんなのか?」という根源的なことだ。そしてこの映画の凄いところは、イスラエル軍の兵士たちをも「単なる加害者」ではないと伝えている所である。彼らが人間として苦悩し、自分に問いかける感情がはっきりとこちらに伝わってくる。
──渡辺えり(女優・劇作家)

これはパレスチナに対するイスラエルの軍事占領、支配、暴力の物語であるばかりか、ロシア軍に侵攻されているウクライナの物語でもあり、さらにプーチンのロシアにおいて、反戦・非戦の声をあげている人々をめぐる物語でもあり、世界の各地で起こっている国家の暴力による領土獲得という普遍的な問題についての物語であるということだ。さらにここが最も重要な点なのだが、私たち日本で起きている過去の歴史の抹消、修正、改ざんの物語でもあるということだ。
──金平茂紀(ジャーナリスト)

入植者に蝕まれているパレスチナ人の土地を案内する彼らには、内にこもった攻撃性も、欺瞞を隠す気取りも、現状を容認して体制に適応する卑屈さもない。加害者の側に、これほど理知的な青年たちの運動が生まれたのである。政治状況のために、イスラエル国内で観ることが難しいこの映画を、私たちは観ることができる。この映画との出会いを大切にしたい。
──野田正彰(精神科医・ノンフィクション作家)

政治や政府と対抗することは「沈黙を破る」グループが求めたものではい。健全な社会を求めるグループの活動が、増え続ける入植地建設、繰り返されるガザ攻撃での無差別空爆など、国際法に反する自国の“加害”を目の当たりにして、グループは政治や政府と対抗して、パレスチナとの関係を模索しなければならなくなった。「愛国の告白」が描く“(前作「沈黙を破る」から)13年後”の現実は、イスラエル政府自身が国と国民の安全と平和を脅かしているという現在のイスラエルの状況を反映している。
──川上泰徳(中東ジャーナリスト)

 

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「愛国の告白—沈黙を破るPart2—」

監督/撮影/編集/製作:土井敏邦 編集協力:尾尻弘一、渡辺真帆、小林桐美 整音:藤口諒太
デザイン:野田雅也 配給:きろくびと
2022年/日本/170分(第一部100分・第二部70分)
©DOI Toshikuni
http://doi-toshikuni.net/j/aikoku

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