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松本明子の家じまい体験記 実家の維持にかかった総額は約2千万円!

女性自身

 

「息子が成長して将来の進路が見えたとき、高松に帰る選択はもうないだろうと思い、家じまいを決断しました。それまでは、いつか芸能界を辞めて帰ることもあるのかも、と思っていたんですが」

 

松本さんは、家じまいのきっかけについてこう語る。’82年、15歳で高松から上京し、翌年に歌手デビュー。芸能界での立ち位置が見えた’93年に、両親を高松から迎えて同居を開始したという。

 

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だが、松本さんはその後も空き家となった実家を手放さず、25年の長きにわたって、実家を維持し続けることを選択した。その結果、維持費としてかかったお金は総額なんと1885万円!

 

その経緯を『しくじり先生 俺みたいになるな!!』(テレビ朝日系)で告白するや「わが家も同じ問題を抱えている」といった共感の声が多く寄せられ、ついには『実家じまい終わらせました!ーー大赤字を出した私が専門家とたどり着いた家とお墓のしまい方』(祥伝社)という本まで出版することになったのだ。

 

■両親の相次ぐ他界で家じまいを意識することに

 

何をもって「家じまい」とするのか明確な定義はないが、松本さんが「実家をなんとかしなくては」と意識しだしたのは、’03年に父親が、そして’07年には母親が、相次いで他界してからだという。

 

「ですが、両親がやっとの思いで建てた家の処分には簡単に踏み切れませんでした。さらに、まだ幼かった息子が、私の地元と縁がつながっていく可能性があるのかどうか想像がつきませんでしたから」

 

そんな割り切れない思いを抱えていたなか、’11年に起こったのが東日本大震災。それを機に松本さんは、「万が一の場合の避難場所として活用しよう」と水回りを中心に実家のリフォームに着手した。

 

「修繕費は総額600万円かかりました。一方で実家の処分を考え始めていたので、矛盾するようですが、のちのちこのリフォームが無駄ではなかったことがわかります」

 

 

■いざ売却が決まると次は20トンの荷物を処分

 

松本さんの実家は、購入当時の価格で2000万~3000万円ほど。ご両親は「家は明子に相続させる」意向で、生前から公正証書による遺言書も作成。その代わり、実家の管理は妹の松本さんが担うという、兄妹間での「役割分担」も互いに納得していたという。

 

「私にとっては幼少期から上京するまで10年住んだ思い出の家です。大学入学で上京した兄は3年ほどしか住んでいませんでしたから、より思い入れの強い私に家を託したのでしょう。それに、衣装などの荷物が増えるたびに送っていたので、実家には私の私物のほうが圧倒的に多かったですから」

 

そして’17年、ついに松本さんは、自分名義になっていた実家の売却を決断。空き家バンクに登録すると、翌年に「定年後、親戚やきょうだいがいる地元に再び住みたい」という夫婦が購入を申し出る。内見後に「ここならすぐに住める」と600万円で即決。7年前のリフォームが功を奏する形となったが、じつはここからが「家じまい」の本番。20トンからの荷物を処分しなくてはならなかったからだ。

 

「私も両親も節約家で捨てられない性分なので、家の中には荷物がぎっしり。それを1カ月で空っぽにしなければならない。業者さんにまとめて処分してもらう方法もありましたが、私の性格的にはそれは無理。結局、すべてのものに目を通して、行き先を決めました」

 

難航したのは父親の蔵書。設計士だった父の書棚には専門書が膨大に収められていたが、引き取り価格は二束三文だった。

 

「本棚の奥に収められていた父が蒐集した1000冊のエロい本のほうが価値がありました(笑)」

 

また母親の日記には、「父が浮気しているかも」などとつづられている箇所があり、切ない気持ちにもなったという。ほかにも、母親の約100着のドレスや洋服を近所のスナックのママさんたちに配ったり、アイドル時代の衣装は東京に持ち返り、父親のスーツや着物などはレンタル会社の「東京衣裳」へ寄贈したりするなど、形見の品を丁寧に分別していった松本さんだが、心残りなのは陸軍大佐だった祖父の遺品のサーベルだったそう。

 

「相当価値があるだろうなと思ったので手元に残したかったのですが、銃刀法の関係で断念。やむなく引き取ってもらいました」

 

地元の健康ランドで寝泊まりしながら、期限内に片づけをやりとげた松本さんは、怒濤の家じまいをこう振り返る。

 

「とても大変でしたが、買い手の方がそのまま住んでくれるそうなので、家そのものを残せたことには満足しています。ただ、息子の代に、同じ思いをさせてはいけないなと痛切に感じています」

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