Androidアプリ版『ドラゴンクエストIII そして伝説へ…』より (C)1988,2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

【画像】『ドラクエ3』アブない水着の女賢者に大興奮!? FC風ドット絵の立体化、正体に驚き!(5枚)

鬼畜エリアでの狩りがハードすぎる…

 今ではRPGの定番になったシステムである「ドロップアイテム」、すなわち「モンスターとの戦闘に勝利すると経験値やお金に加え時折アイテムを入手できる」という要素は、「ドラゴンクエスト」シリーズではファミコン版の『ドラクエ2』から採用されました。なかには貴重なアイテムを落としてくれる場合もあるため、レアアイテムを手に入れるまで狙ったモンスターを倒し続けた人も少なくないでしょう。

 ドロップアイテムには数々のレアな武器や防具が存在しました。それらについて、どのようなモンスターから入手したか覚えているでしょうか。以下、オリジナル版の「ドラクエ」シリーズから、特に入手が困難すぎる武器や防具を振り返ってみましょう。

らいじんのけん 『ドラゴンクエストIII』

「入手するために苦労したドロップアイテム」の武器といえば、1988年に発売されたファミコン版の『ドラクエ3』に登場した「らいじんのけん(雷神の剣)」を思い出します。雷神の剣は『ドラクエ3』のなかでも上位に入るほど強力な武器で、勇者と戦士が装備可能です。また戦闘中に道具として使用すれば、敵1グループにおおむね100前後のダメージを与えられる攻撃呪文「ベギラゴン」を発動できます。

 とても魅力的な武器ですが、筆者は当時、周りに聞いた話を元に「ボストロール」しかドロップしないアイテムと思っていたこともあり、入手条件がとても厳しいという印象でした。「ボストロール」との戦闘はいわゆるボス戦で、つまり本来はゲーム中で1度きりの戦いです。そのようなわけで筆者は、倒してドロップしなかった場合はリセットして戦いをやりなおす、という苦行を繰り返していました。

 のちに「雷神の剣は『大魔神』からもドロップする」という情報が流れてきます。そして最も効率のよい入手方法として、敵モンスター「マドハンド」の特技である「なかまをよぶ」で大魔神を登場させ、その大魔神を倒すという方法が広まりました。そうすることでドロップの機会を格段に増やしたとしても、もちろんあとは運次第なので、余程、運が良くない限りは入手するまでにそこそこの時間がかかるでしょう。

ふしぎなぼうし 『ドラゴンクエストII』

 果てしない苦労を要するドロップアイテムといえば、『ドラクエ2』の「ふしぎなぼうし(不思議な帽子)」は外せません。不思議な帽子は、「戦闘中に使用した呪文の消費MPを4/5に抑える」という装備効果が発動します。

 落としてくれるモンスターは「パズズ」という1度の戦闘機会しかないボスキャラと、「メイジバピラス」という、比較的に楽に倒せる雑魚キャラで、狙う場合はもちろん「メイジバピラス」を狩っていきます。

 しかし厄介なのはその「メイジバピラス」が出没するエリアで、ナンバリングシリーズを通して未だに「鬼畜すぎる難易度」といわれている「ロンダルキアの洞窟」なのです。洞窟内では、2回攻撃で火力が高いうえに守備力も高い「キラーマシーン(リメイク版ではキラーマシン)」や、全体攻撃の炎が厄介なのに4体で出現することもある「ドラゴン」といった、雑魚キャラとは思えないほど強力なモンスターとの遭遇が避けられません。

 そのような過酷な状況のなか、戦闘が発生すれば必ず現れるというわけでもない「メイジバピラス」を倒し、そして倒せば必ずドロップするわけでもない不思議な帽子を追い求めるわけです。相応のキャラクターステータスと相当なプレイヤーの気合い、根気がないと、入手するのは非情に困難といえるでしょう。



スマホ版『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』プロモ映像より (C)1992, 2014 ARMOR PROJECT/BIRD STUDIO/SPIKE CHUNSOFT/SQUARE ENIX All Rights Reserved.

(広告の後にも続きます)

「連続メラゾーマ」に憧れて追い求めることを決意したレアアイテム!

やまびこのぼうし 『ドラゴンクエストV』

 個人的に帽子系のドロップアイテムで苦労した印象が強いのは、『ドラクエ5』の「やまびこのぼうし(山彦の帽子)」です。とても優秀なアイテムで、「戦闘中に装備した者が呪文を唱えると、1ターン中に1回分の消費MPにて2回連続で発動する」という、実に強力な装備効果があります。

 たとえば山彦の帽子を装備した状態で、確率によりモンスターを即死に至らしめる呪文「ザラキ」を唱えたとしましょう。「確率」であるため、4体程度を相手にした場合、通常は1体や2体くらい撃ち漏らす個体がいるものですが、山彦の帽子によりその抽選の機会をもう一度与えられるわけで、敵を一掃できる可能性はグッと増します。

 さらに、200ダメージ近くの火力ながら単体対象というのがネックだった攻撃呪文「メラゾーマ」も、1ターンで2度、放たれるわけですから、使い勝手はもはや別物で、次々に敵モンスターを屠っていく様子は爽快感すら覚えます。それに味を占めて、メラゾーマを習得するほかのキャラクターにも山彦の帽子を装備させるべく、これを追い求め続けた、というプレイヤーは少なくないでしょう。

 とはいえ山彦の帽子は非売品で、ひとつは最後のダンジョンである「エビルマウンテン」の宝箱から入手できるものの、さらに欲しい場合は「あくましんかん(悪魔神官)」からのドロップを狙うしかありません。

 悪魔神官は他のモンスターと集団で出てくることが多いうえに、蘇生呪文である「ザオリク」を唱えてくるため、放置しておくと倒したモンスターが復活することもありました。一戦一戦が長期化することもあるので、「一筋縄ではいかない」と感じることでしょう。

 これに挫けることなく挑戦し、山彦の帽子を複数、入手できた筆者の周囲のプレイヤーからは「低確率だし途方もなく感じたけど、手に入れた時に喜びは半端ではなかった」「1回の攻撃で複数人がメラゾーマを唱えて何度もダメージを与えた時は気持ち良すぎた」など、喜びの声があがっていました。

 なお、この「1度の呪文で2回連続発動」という装備効果が強すぎたためか、『ドラクエ5』のリメイク版では、山彦の帽子は削除されています。

* * *

 ほかにも、さまざまなレアアイテムが存在する「ドラクエ」シリーズ、上述した武器や防具の以外に、どのような入手困難なレアアイテムが思いついたでしょうか。