本郷奏多が赤木しげるを演じたドラマ『アカギ 鷲巣麻雀完結編』キービジュアル (C)福本伸行/竹書房 (C)2015スカパー!

【画像】作品によってはイケメンじゃなくなる? 本郷奏多が演じた再現凄すぎな2次元キャラたち(12枚)

「本郷さん以外に演じられなくない?」とまで思わせる実力派俳優!

 マンガの実写化はその作品が人気であればあるほど、賛否が巻き起こる傾向にあります。しかし、数々の実写化作品に出演するたび、「この人なら文句言えない」「年齢は全然違うけど、他にできる人が思いつかない」と、原作ファンも思わず納得してしまう出演者がいます。その出演者とは、さまざまな実写化作品で色んなキャラクターを見事に再現してきた、実力派俳優・本郷奏多さんです。

 これまでも『鋼の錬金術師』のエンヴィーや『進撃の巨人』のアルミンを演じてきた本郷さんは、2023年12月よりNetflixで配信予定の実写ドラマ『幽☆遊☆白書』でも主要人物である飛影を演じることが決定しています。

 毎年実写化作品に出演している本郷さんは、自身のYouTubeチャンネル「本郷奏多の日常」でも「漫画作品の実写化において一番大切にすべきは原作へのリスペクト」と述べていました。そんな本郷さんが、原作リスペクトを持って演じたキャラクターを振り返ります。

『キングダム』の成キョウ

 2019年の邦画実写作品における興行収入1位と大ヒットを記録した『キングダム』(原作:原泰久)で、本郷さんは反乱を起こす王の弟・成キョウを演じました。

 成キョウは吉沢亮さん演じる秦王・エイ政の異母弟であり、「王族の純粋な血を引く自分こそが王にふさわしい」という考えからエイ政を討ち取って自らが王になろうとする野望を抱く悪役です。主人公・信たちと対面した際に「貴様らゴミ虫が俺と同じ場所で息をしている罪で死罪」と言い放つなど、傲慢で卑劣なキャラクターを見事に再現しました。

 原作と比較すると本郷さんは美形過ぎるようにも思えますが、ふてぶてしく玉座に座る姿から敗北時の狼狽ぶりというギャップも見事に演じ、政キョウの小物感漂う「ダサさ」が存分に発揮されています。片方の口の端を上げた不敵な笑みや、玉座に座る角度など、ファンからも「成キョウまんま」「なぜかイケメンさが消えてる」と言われた名演でした。

『アカギ』の赤木しげる

 本郷さんは「カイジ」シリーズでもおなじみの福本伸行先生の作品『アカギ ~闇に降り立った天才~』の主人公で、最強のギャンブラー・赤木しげるを演じました。福本先生の独特な絵柄と比較すると、「似ていないのでは?」と疑問を抱く方もいるかもしれませんが、本郷さんは赤木の不敵な笑みや勝負に挑む真剣な表情には「ここまで再現できるとは」「アカギも作中ではイケメンだから実写化するなら納得」と驚く原作ファンも続出しています。

 本郷さんはもともと原作ファンであり、自身のYouTubeチャンネルでは「読むために麻雀を勉強した」ことも明かしています。そして白髪の赤木を演じるにあたり、地毛をブリーチで染めた役作りも大きな話題を呼びました。

 シーズン1では闇の王・鷲巣と、血液と億単位の大金を賭ける狂気の「鷲巣麻雀」の戦いという、原作でも人気のエピソードが実写化されています。大ベテラン・津川雅彦さんが演じた鷲巣も原作通りの残虐性がしっかり再現されており、アカギと命を賭けた大勝負は必見です。

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不敵な笑みが似合い過ぎる、あの最強ギャンブラーも!

『DINER ダイナー』のキッド



本郷奏多がキッドを演じた映画『Diner ダイナー』キャラクタービジュアル (C)2019「Diner ダイナー」製作委員会

 マンガ化(作画:河合孝典)もされ話題を呼んだ殺し屋たちが訪れるアメリカンダイナーを舞台にした小説『DINER ダイナー』(作:平山夢明)に登場する殺し屋・キッドは、本郷さんが演じた印象的な悪役のひとつです。

 一見幼くて可愛らしい容姿をしているキッドですが、実は全身整形を繰り返して子供のような容姿を手に入れたというサイコキラーでした。死体を片付けるよう命じられたシーンで、「やったあ!」とおもちゃを与えられた子供のように死体を切り刻むキッドは、無邪気な子供っぽさと残忍性を併せ持つ強烈なキャラです。

 2019年の実写版映画のキッドは、「見た目は子供」という設定を踏襲し、一部シーンでは子役が別で演じた身体に本郷さんの頭部をCG合成する形で撮影されました。殺しができるという恍惚の表情や、ダイナーで飼われている凶暴な犬・菊千代に噛みつかれた苦悶の表情と数々の演じ分けも、顔のみで狂ったキャラを演じています。シネマトゥデイのインタビュー動画では「『気持ち悪い!』と言ってもらえるなら、それはありがたいことです(笑)」と答えるなど、ノリノリの演技を見せていました。

『嘘喰い』の目蒲鬼郎

 個性豊かなギャンブラーたちが巨額の金と命を賭けた危険なゲームに興じる姿を描くマンガ『嘘喰い』(作:迫稔雄)の実写映画で、本郷さんは勝負の立会人・目蒲鬼郎(めかま・きろう)を演じました。

 目蒲はギャンブラー同士の勝負を中立の立場から取り仕切り、敗者から生死を問わず代償を取り立てる役どころです。こちらももともと原作マンガを読んでいた本郷さんは、キャスト発表時のコメントで、目蒲の持つ「何を考えているかわからないような不気味さ」の表現を軸に撮影に臨んでいたと発言しています。同作ではアクションシーンにも挑戦しており、目蒲の不気味さだけでなく立会人として職務を全うしようとするプロフェッショナルとしての姿を見事に演じました。

『NANA 2』のシン

 強烈な悪役も多い本郷さんですが、まだ10代の頃に出演した2006年に公開された少女マンガ原作の映画『NANA 2』では、前作の松山ケンイチさんに代わって美少年のベーシスト・岡崎真一(シン)を演じています。

 主人公のひとり・大崎ナナのバンドメンバーであるシンは、10代半ばでクールで大人びた雰囲気を持ちながらも、子供っぽい無邪気さも見せるキャラクターです。中性的で飄々(ひょうひょう)とした一面も持つシンを演じた本郷さんは、原作ファンも「絶対的な2次元のキャラだと思ってたけどまんまじゃん」「本当にいたんだ」「松山さんもいいと思ったけど、本郷さんがさらに凄すぎた」と太鼓判を押すほどの再現度でした。

 実写化作品でさまざまな役を演じている本郷さんが原作ファンから信頼されているのは、まずひとりのファンとして原作を読み込み、キャラクターを魅力的に演じる方法を考えるという努力を積み重ねているからこそです。2023年12月に配信される予定の実写ドラマ『幽☆遊☆白書』も含め、これからもどんな役を演じるのか非常に楽しみですね。