最近のアニメは「わからない」でも大丈夫!

 今年2023年は、1963年放送のアニメ『鉄腕アトム』から60年の節目です。現在は新作だけでも週に70本以上のアニメが放送・配信されており、さらに動画配信サイトではほかの作品にも気軽にアクセスできます。そのなかにはもちろん多数の傑作がありますが、「前はアニメが好きだったけれど最近の作品はわからない」という昭和世代の人もいるでしょう。

【動画】昭和世代でも意外といける? 最近10年の名作アニメたち

 そこで今回は、物心ついてからこれまで、ほとんどのアニメを全話観ているというZ世代男子のDさんに、昭和世代におすすめしたいアニメをセレクトしてもらいました。

 対象となるのはここ10年で放送されている作品です。Dさんは「本当は今やっている『推しの子』や『神無き世界のカミサマ活動』『江戸前エルフ』『BIRDIE WING -Golf Girls’ Story- Season2』なんかも追ってほしいですが」と前置きしつつ、すでに完結してイッキ見できる作品から選んでくれました。楽しいアニメライフへのリハビリにどうぞ!

「ゆるキャン△」シリーズ



映画『ゆるキャン△』ビジュアル  (C)あfろ・芳文社/野外活動委員会

『ゆるキャン△』は、山梨県近隣を舞台にキャンプ好きの女子高校生たちのゆるやかな日常を描くアニメ。TVシリーズ3作品に加え、大人になった彼女たちの物語が紡がれた映画も2022年に公開されました。またTVアニメ第3期の制作も決定しています。

Dさん 「趣味性が強いものにハマっている女子高生というのはひと昔前からの定番ですが、『ゆるキャン△』はその代表的な存在でしょう。昨今のキャンプブームを牽引し続けている一作です。キャンプ描写が丁寧で、自分もやってみたくなるだけでなく、そこに女の子たちのちょっとした変化や叙情的な映像も合わさって、グッとくるエピソードがたくさんあります。いわゆる『飯テロ』にだけはご注意を!」

「響け!ユーフォニアム」シリーズ



『劇場版 響け!ユーフォニアム~誓いのフィナーレ~』ビジュアル (C)武田綾乃・宝島社/『響け!』製作委員会

 TVアニメや映画で展開されている「響け!ユーフォニアム」シリーズは、ユーフォニアム奏者の女子高生・黄前久美子を主人公に、北宇治高校吹奏楽部の青春模様が描かれます。今後、中編アニメの劇場上映や、TVアニメ第3期の放送が予定されています。

Dさん 「これも一見美少女ものですが、内容はモロに青春スポ根です(笑)。コンクールに向けての部内のいざこざや吹奏楽部あるあるネタなんかもありつつ、何かに必死に打ち込む姿は学生時代を思い出して胸が熱くなること必至です。このシリーズを制作しているのは最高峰の作画クオリティで大人気の京都アニメーション。本作も圧巻の演奏シーンをはじめ、見どころがたくさんです」

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より「昭和世代向け」な作品も近年登場

『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』



『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』ビジュアル (C)三条陸、稲田浩司/集英社・ダイの大冒険製作委員会・テレビ東京 (C)SQUARE ENIX CO., LTD.

 人気ゲーム「ドラゴンクエスト」シリーズの世界観を活かした「週刊少年ジャンプ」連載マンガが原作のアニメ『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』です。物語の途中で終了した1991年のアニメと異なり、2020年のアニメでは原作の最後のエピソードまでが描かれました。

Dさん 「最近は昭和世代がリアルタイムで楽しんでいたコンテンツのリメイクやリブートが盛り上がっていますよね。ものすごい映像で驚かされた『THE FIRST SLAM DUNK』は国内だけで興行収入130億円超え。劇場版『グリッドマンユニバース』はシリーズの見事な集大成を見せ、『キン肉マン』は久々の新作アニメの制作が決まっています。

 最近で一番熱かったのが『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』です。今どき珍しく全100話もありましたが、すごく丁寧にアニメ化されていて感涙させられることも度々……良過ぎて原作まで買っちゃいました。『ドラクエ』ファンでなくても、古きよきファンタジーアニメとして楽しめるかも?」

『ナイツ&マジック』



『ナイツ&マジック』ビジュアル  (C) 天酒之瓢・主婦の友社/ナイツ&マジック製作委員会

「小説家になろう」発の小説が原作の『ナイツ&マジック』は、巨大ロボット・幻晶騎士(シルエットナイト)が存在する異世界が舞台のファンタジー作品。この世界に転生してきた元凄腕プログラマーのエルネスティ・エチェバルリアが活躍します。

Dさん 「現代のアニメを語るのに、『なろう系』や異世界転生ものは外せません。単純にクオリティが高い『無職転生』や、おじさん世代狙い撃ちでギャグばかりの『異世界おじさん』も推したいですが、今回はジャンルのバランスも考えてロボットものの『ナイツ&マジック』を。

 ほかにも、異世界が舞台のロボットアニメは『インフィニット・デンドログラム』や『乙女ゲー世界はモブに厳しい世界です』などがありますが、『ナイツ&マジック』主人公のエル君は重度のロボット好き。ロボットアニメが熱かったという昭和世代なら、共感しやすい人も多いでしょう」

『永久少年 Eternal Boys』



『永久少年 Eternal Boys』ビジュアル (C)満プロ/永久少年プロジェクト

『永久少年 Eternal Boys』は、6人のアラフォー男性によるアイドルグループ・永久少年(エターナルボーイズ)の活動が描かれるアイドルアニメです。TVアニメが2023年3月まで放送されており、6月9日には映画『永久少年 Eternal Boys NEXT STAGE』が公開されます。

Dさん 「異世界ものと同じく、歌ものは現代の定番ジャンルのひとつです。男性向け、女性向けともに相当な種類が存在しますが、永久少年のメンバーは癖があるけど、愛嬌もあるおじさんばかりだから男女問わず好きになれるはず。この作品を観て歌ものに興味を持ったら、現代の歌ものアニメのスタンダードを作ったとも言える『ラブライブ!』や、アイドルという概念について深く考えさせられる『少年ハリウッド』などもぜひ!」