「魁!!男塾 TVアニメシリーズDVD-BOX」(Happinet)

【画像】頭デカすぎて「油風呂」に入れない? 「二頭身」になってちょっとかわいい男塾の面々を見る

本人たちは至って真剣

 1980年代の「週刊少年ジャンプ」の人気を支えた作品のひとつ『魁!!男塾』は、硬派な男同士の熱い戦いが描かれ人気を集めました。1988年にはTVアニメ化され、続編や外伝のスピンオフも多数作られるなど今でも多くのファンに愛される名作です。2011年8月にはTV番組「アメトーーク」(テレビ朝日)で「魁!! 男塾芸人」が放送され、『男塾』好きの芸人による熱いトークも繰り広げられました。

『魁!!男塾』は男たちの荒唐無稽なバトルと熱い友情だけでなく、初期の「ギャグエピソード」も人気です。なかでも「男塾名物」のエピソードは、今でも「なぜか無理やりな漢字の当て字も覚えてる」とファンの脳裏に焼き付いています。

 初めに紹介する「名物」は、第1話に登場する「直進行軍」です。「直進行軍」とは、教官から方角を指定されると、「何があっても絶対に」直進しなければならない行軍で、たとえ家や壁があったとしても、木槌などで破壊しながら進んでいきます。このエピソードでは、教官・飛行帽が自宅の前で突然の行軍終了を告げると、無茶な行軍にいらだっていた塾生たちが飛行帽の自宅を破壊して行軍を終えました。

 すべての障害物を無視して行進する強引さを面白がって、今でもネット上には「直進行軍のような今月の計画」とつぶやき、自身の無謀なスケジュールを嘆くファンもいます。

 続いて第2話で1号生の富樫源次が披露した「油風呂」は、面白いですが恐怖も感じてしまう名物でした。巨大暴力団「関東極獣連合」の後継ぎ・極小路秀麻呂のわがままがきっかけで、江戸時代の拷問にも使われていたという名物が登場します。油を並々と入れたタライを火にかけ、そこに火をつけたろうそくを乗せた笹舟を浮かべ、徐々に温度が上がっていくなかでも、ロウソクの火が消えるまで耐えるという荒行です。少しでも動けば、挑戦者は火だるまとなります。

 そして、秀麻呂に挑発された富樫は腕組みをして油に浸かり、爪を腕に食いこませて、耳、口、鼻から血を出しながら熱さに耐え切りました。あまりの凄まじい形相が脳裏に焼き付く名場面です。ちなみに先述の「男塾芸人」の回のリーダーだったサンドウィッチマン・伊達さんと相方の富澤さんは、低い声で「ドス」を利かせ「油風呂!!」と独自の言い方をしていました。

 アメリカからやってきた30人の留学生の前で、禅の精神を示そうと披露された「地獄禅」も有名です。塾生同士は一本の綱で首を結ばれ、頭の上には硫酸が注がれたティーカップが乗せられます。ひとりでも姿勢を崩すと硫酸を浴び、結ばれた綱のせいで他の塾生も道連れになるという恐ろしい荒行です。ただでさえ危険な座禅中、富樫は留学生のミック・コングに帽子のなかに火の付いたタバコを入れられるというイタズラを仕掛けられました。

 同じ留学生のエピソードで行われた「撲針愚(ボクシング)」も、ファンの人気を集めています。大きな棘が付いた金属製のグローブで殴り合う、というとんでもない競技です。rローマ帝国の「暴君ネロ」が考案したとのことでした。大将戦での主人公・剣桃太郎と、留学生チームのリーダー・Jのバトルは、まさに死闘です。

 最後にご紹介する「羅惧美偉(ラグビー)」は、試合自体は通常のラグビーのようですが、乱闘・武器使用が認められています。試合開始前に両軍のメンバーが毒薬を飲んで試合に臨むなど、完全に違法な内容でした。危険すぎるため、開催するには江田島平八塾長の許可が必要です。毒薬は痺れ薬で死ぬことはないと最後に分かりますが、ネットでは「他の名物は子供の頃に真似したくなったけど、これだけは無理」などの意見もありました。

 今回取り上げた以外にも、男塾ではたくさんの名物が登場します。完全にコンプライアンス違反、人権無視の内容が多いですが、これらの名物を経験した男塾の卒業生たちは、政界やゼネコン、金融、ホテル業、IT系などいろんな分野で大成功しているため、根性にあふれた成功者を作るには「必須のカリキュラム」だったのかもしれません。