アテナ=城戸沙織と星矢たちがジャケットに描かれた、アニメ「聖闘士星矢THE MOVIE Blu-ray BOX 1987~2004」(東映)

【画像】意外とゲスだった?「イメージ変わりすぎ」なキャラを見る(4枚)

最初はイメージが迷走?

 雑誌内で熾烈な人気競争を繰り広げることで有名な「週刊少年ジャンプ」。打ち切りを免れて長期連載を勝ち取った人気マンガのなかには、こっそりイメージチェンジしたキャラクターがいるのをご存じでしょうか。まるで別人になった有名キャラクターを紹介します。

嘘だろ…饒舌なる小悪党の飛影

 バトルマンガの名作『幽☆遊☆白書』はジャンプ黄金期を支えた名作のひとつです。本作に登場する飛影は、剣術と邪王炎殺拳を使うクールキャラですが、「霊界探偵編」に初登場した時はどこから見てもやられキャラでした。

 この頃の飛影ときたら、主人公である幽助の幼馴染の螢子をさらって妖怪化しようとしたり、全身緑色になって体中に邪眼を生やしたりと、とにかくダサいのです。

 しかも「なめるな!!このスピードについてこられるか!!」「どうだ!?貴様にはオレの残像すらとらえることはできまい」などと幽助を挑発したにもかかわらず、動きを見切られてワンパンでぶっ飛ばされていました。

 その後は「四聖獣編」を経て、暗黒武術会では魔金太郎を相手に「残像だ」とつぶやいて一刺しするようなクールな飛影になりますが、初登場時とはまるで別人です。仲間になってから急激にかっこよくなったキャラクターの筆頭だと言えるでしょう。

そこによつんばいになって馬になるのです!わがままお嬢様の城戸沙織

 地上を侵略しようと目論む神々の勢力と戦う『聖闘士聖矢』。地上を守る女神アテナとして強力なカリスマ性を発揮する前の城戸沙織は、まさに甘やかされたわがままお嬢様でした。

 馬になれという命令にそむく聖矢を「おまえたちは孤児院からおじいさまのおかげでこの城戸家にひきとられた身、いわば奴隷も同然の身なのよ」としかりつけ、鞭で打ちすえていたくらいです。

 地上を守るために自己犠牲もいとわない責任感を発揮する女神アテナですが、子供の頃はちっとも優しくなかったのです。



人気キャラの大豪院邪鬼の前日譚。数々の死闘を経て帝王としての立場を不動のものとした。画像は「男塾外伝 大豪院邪鬼 8」(日本文芸社)

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身長が20%に激減!?

 バトルマンガ『魁!!男塾』に登場する大豪院邪鬼は『男塾外伝 大豪院邪鬼』としてスピンオフ化されるほどの人気キャラ。彼が初登場したのは、大威震八連制覇(だいいしんぱーれんせいは)編です。

 当初は異様な迫力を放つ10mほどの巨人として描かれており、玉座に座った邪鬼のために配下が5人がかりで巨大な瓶ビールを運んで「オッス!失礼します」とお酌するシーンが印象的でした。

 ところが大威震八連制覇の決勝戦で剣桃太郎と対戦する際は、身長が2mほどまで縮んでおり、巨人に見えたのは圧倒的な畏怖によるものだったと判明。だったらあの瓶ビールも幻だったのでしょうか…。

発砲&暴走しまくり!銃が撃てるから警官になった中川圭一

『こち亀』の愛称で知られる下町人情ギャグマンガ『こちら葛飾区亀有公園前派出所』に登場するスーパー御曹司の中川圭一。破天荒な両さんの突っ込み役として良識派のイメージで知られていますが、登場したばかりの頃は両さんすらドン引きするほどの問題警官でした。

 記念すべき連載1話では両さんと名作映画『ダーティハリー』の話題で盛り上がったと思ったら、通りがかりのライトバンに向けて44マグナムを発砲。勤務時間中に赤坂までお酒を買いに行く際は、スーパーカーの助手席に両さんを乗せて、ヘッドホンで音楽を聴きながら信号無視の大爆走。身の危険を感じた両さんが車から降りたがったほどです。

 しかし徐々に暴走や発砲の頻度が減っていき、同僚の麗子と共に両さんを諫(いさ)めるポジションに落ち着きます。

 ところが100巻を超える連載の終盤では、両さんが原因の心労や酒乱により、しばしば理性が吹っ飛ぶことも。声を荒げて「あの角刈り!」などと感情を露わにする姿を見せるようになりました。長年に渡る両さんとの付き合いで、やはりストレスが溜まっていたようです。

キャラクターは生きているから変化する

 週刊マンガ連載はリアルタイムに読者のリアクションが返ってくる興行です。読者人気や作者のモチベーションによって、キャラクターの性格や物語における役割は変化していくもの。時にはキャラクターが作者の思惑を超えて物語を動かしたりすることもあります。新たな物語が作られなくなったら変化はありません。キャラクターの変化は彼らが生きている証なのです。