佐藤健のアクションも話題になった『るろうに剣心』ビジュアル (C)和月伸宏/集英社 (C)2012「るろうに剣心」製作委員会

【画像】俳優たちのアクションにビックリ!話題の実写化映画を振り返る(13枚)

もはや自分が演出する側の俳優も

 近年、マンガを原作とした実写映画がどんどん増えています。原作の人気があればあるほど、ファンが多ければ多いほど実写化へのハードルは上がりがち。さらに、キャラを演じる俳優たちは、ビジュアルや喋り方だけでなく、ハードなアクションにも挑戦しています。

 2022年7月15日公開の『キングダム2 遥かなる大地へ』メインキャラのひとり、羌カイを演じている清野菜名さんは、原作マンガでも屈指の人気キャラを演じる上で体の基礎作りから筋トレなど3カ月に及ぶトレーニングを実施し、オリジナルの動きを作り上げていったそうです。羌カイの巫舞は独特のリズムで相手をなぎ倒していくもので、その人間離れしたアクションを再現して話題になりました。清野さんが「思い出すだけで目の奥が熱く戦闘モードになりそう」と、手応えを語るほどのアクションシーンに仕上がっています。また、『キングダム』1作目の信役の山﨑賢人さんと左慈役の坂口拓さんの、本気の斬り合いにしか見えないようなリアルな殺陣(坂口さんが山崎さんに自由に打ち込んでくるように指示)を見せ、大きな見せ場となりました。

 実写化のアクションの最たる例としては、『るろうに剣心』の緋村剣心を演じた佐藤健さんの凄まじいスタントが挙げられるでしょう。特殊なゴム素材の刀をリアルに当てて見せる殺陣の斬新さも話題となり、シリーズは5作作られ、アクションシーンもスケールアップしていきました。10年にわたり剣心を演じてきた佐藤さんは最終作の撮影時にこれまでの経験も踏まえ、スピード感あふれるアクションを自分から提案しています。世界的に活躍しているアクション監督の谷垣健治氏とともに、期待以上のアクションで見事に原作マンガの名シーンを再現しました。佐藤さんだけでなく、左之助役の青木崇高さん、斎藤一役の江口洋介さん、四ノ森蒼紫役の伊勢谷友介さん、巻町操役の土屋太鳳さん、また各作品で敵役を演じた吉川晃司さん、神木隆之介さん、藤原竜也さん、新田真剣佑さんらの激しいトレーニングを積んだアクションにも毎回驚かされます。

 また、「ザ・ファブル」シリーズで主人公を演じている岡田准一さんは、2作ともにファイトコレオグラファーとしてもクレジットされています。アクションシーンの作り手として、俳優だけでなく演出する側としても参加し、共演者への指導にも携わりました。岡田さんはこれまでに、出演作でのアクションシーンをよりリアルなものにすべく格闘技を習い、カリやジークンドーのインストラクター資格を取得、『図書館戦争』のような軍事アクション系から時代劇の殺陣まで毎回見事なアクションを披露しています。

「ザ・ファブル」シリーズでは、原作にない建物の壁のすき間をハイスピードでよじ登るスタント、激しいカーアクションに、崩れ落ちそうな工事用足場で戦うなど超人的な動きをいくつも披露。作品の設定を踏まえて、相手を倒した後に死なせないようにフォローする細かい動きまでしっかり入れており、なかなか見られない斬新なアクションとなりました。また、主人公のアキラ(ファブル)は肝心の見せ場では正体がバレないように覆面をかぶっていることが多いのですが、それでも岡田さん本人が演じていることに「逆に凄みを感じる」「ちょっとだけ見える眼光が鋭くてかっこいい」「俳優として顔を見せるよりも原作の設定を守っているのが素晴らしい」と高評価を得ています。

 その他、『東京リベンジャーズ』での吉沢亮さん、山田裕貴さんの喧嘩バトルシーン、こちらも佐藤健さんの身体能力が発揮された『亜人』、原作の再現度でも話題となった『宮本から君へ』の非常階段での池松壮亮さんと一ノ瀬ワタルさんの決闘など、いろんなタイプのアクションが話題となりました。2022年8月19日からは、橋本環奈さんが多くのスタントを実際に演じた『バイオレンスアクション』も公開中。これからはどんな俳優さんがアクションを見せてくれるのか、楽しみですね。