1987年No.31「週刊少年ジャンプ(7月13日号)」(筆者撮影)

【画像】「もくじ」が豪華すぎて驚く35年前のジャンプ(5枚)

実際の発売日は6月末~7月初週

 いまから35年前に発行された1987年No.31「週刊少年ジャンプ(7月13日号)」は、掲載された17作品中11作品がTVアニメ化された、まさに黄金時代と言える時期に登場した号に当たります。どんな作品が掲載されていたのかを見ていきます。

 なお、「7月13日号」と記されていますが、実際の発売日は6月末から7月の初週となります。週刊誌は実際の発売日よりも先の日付を表記しておけばある程度の日数が経っても「新しい雑誌」と認識してもらえる、物流の問題で都心と地方では実際の発売日が異なるなどの理由により、慣例的に2週間先の日付を行なうことになっています。

 この号の巻頭カラーは、今泉伸二先生の『空のキャンバス』。ちょうど連載50回記念に当たります。主人公の北野太一(きたの・たいち)ヒロインの赤城榛名(あかぎ・はるな)が体操を通じて関係を深めていくラブコメストーリーが展開されましたが、実は太一と榛名は幼い頃に出会っており、そのとき起こったある出来事が太一の体をむしばみ、衝撃的なラストへと突き進んでいきました。残念ながらアニメ化はされていませんが、1980年代のオリンピックにおける体操人気を代表する名作です。

 2番目の掲載作品は『魁!男塾』。天挑五輪大武會(てんちょうごりんだいぶかい)の予選準決勝の死合中であり、男塾死天王のひとり卍丸と淤凛葡繻十六闘神(オリンポスじゅうろくとうしん)の双子の闘士・贅魅爾(ジェミニ)の戦いに決着が付きます。

 3番目は『ドラゴンボール』。第22回天下一武闘会の決勝戦で孫悟空と天津飯が戦っている最中に、妨害行為を仕掛けてきた鶴仙人が排除される回です。

 4番目は『北斗の拳』。修羅の国を支配する第二の羅将・ヒョウがカイオウの姦計により魔界に落ち、かつての部下の村を焼き払います。ケンシロウはヒョウを討とうと決意しますが、シャチからヒョウは実の兄だと聞かされ……。

 次の掲載作品は『聖闘士星矢』。聖域(サンクチュアリ)十二宮編の獅子宮でアイオリアと激突した星矢でしたが、一方的に叩きのめされてしまいます。万事休すと思われたとき、かつてペガサスの聖衣を争い戦ったカシオスが現れ、星矢を救うために命を投げ出しました。



1987年No.31「週刊少年ジャンプ(7月13日号)」裏表紙(筆者撮影)

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アニメ化作品が目白押し

 6番目の掲載は『シティーハンター』。これでアニメ化作品が5つ並んだ形になります。当時のアニメは今ほど放送枠や放送手段が豊富ではなかったので、とてつもない偉業と言えるでしょう。

『シティーハンター』の次に掲載されたのが、特別読み切りの『ff(フォルテシモ)』です。後に「スーパージャンプ」に『交通事故鑑定人 環倫一郎』(原作:梶研吾)を連載しヒットを飛ばした樹崎聖先生のデビュー作となります。

 さらにここから、『燃える!お兄さん』『ついでにとんちんかん』『ジョジョの奇妙な冒険』『キャプテン翼』『こちら葛飾区亀有公園前派出所』とアニメ化された作品が5連続で掲載されています。

『ジョジョ』はこのとき第一部でジョナサン・ジョースターが主人公の時期であり、髪の毛を自在に操る黒騎士ブラフォードとの死闘の末、「山吹色の波紋疾走(サンライトイエロー・オーバードライブ)」を叩きこみ勝利した回に当たります。当時、真似をした読者も多いのではないでしょうか。

 残る作品はあと5つ。ここに『県立海空高校野球部員 山下たろ~くん』が入り、その次は『ゴッドサイダー』が掲載されています。どちらもこの時点での掲載順位は低いのですが人気は高い作品で、後に続編も描かれています。さらに『きまぐれオレンジ☆ロード』が続いており、当時のジャンプ作品の層の分厚さに驚かされます。

 下から2番目の掲載となったのが2018年に亡くなった黒岩よしひろ先生の『魔神竜バリオン』。ジャンプ作品としては珍しい巨大ロボットものでしたが、残念ながら短期連載に終わっています。

 ラストは春日井恵一先生の『アカテン教師 梨本小鉄』の最終回です。教師・梨本小鉄が繰り広げる破天荒なストーリーが魅力的な作品で、読者を選ぶ傾向の作風なのは間違いないのですが、実は筆者はこの作品が滅茶苦茶好きで、終わってしまってがっかりしたのを覚えています。