人間の姿も妖狐の姿もイケメンな蔵馬が表示を飾る『幽☆遊☆白書』完全版10巻(集英社)

【画像】『幽白』のイケメンサイコパスたちの怖いけどかっこいい活躍を振り返る(5枚)

見た目だけで惹かれるとキケン?

『幽☆遊☆白書』には、数々の魅力的なキャラが登場しますが、なかには残酷な思考を持っているなキャラも多数います。そんななかでも今回は、イケメンだけどサイコなキャラを振り返ります。

左京……世の混沌を楽しむニヒルなイケメン 

 凶悪な妖怪が数々登場するなかで、戸愚呂兄弟の雇い主の左京は人間でありながら恐ろしい思考を持っています。血や臓物を見るのが好きで、動物や人間の解剖に没頭していた過去がある左京は、妖怪を商品として扱い、闇のサロン「B・B・C(ブラック・ブラック・クラブ)」で商売をしていました。垂金権造が氷女・雪菜を横流ししたと分かれば、戸愚呂兄弟を使って彼を破産させたうえで命を奪うという容赦ない制裁を加えています。

 そんな左京は、暗黒武術会でも浦飯チームが危険な状況になるよう、運営委員会に口添えしながら苦しめました。さらに、武術会で優勝し、その賞金(前大会の優勝賞金も足して)で人間界と魔界を繋ぐ「界境トンネル」を完成させてこの世を混とんに陥れれば面白くなると考えていた左京は、妖怪よりも恐ろしいサイコパスと言えるでしょう。

 しかし、切れ長の目に整った顔立ちは魅力的で、スーツで煙草を吸う姿も素敵です。アニメ版では桑原の姉・静流との恋模様を匂わせる描写もあり、より魅力的に映るキャラでした。

樹……ただ側で傍観し、堕ちる様を眺める……性格ヤバめの涼やか風イケメン

 次元を自由に移動する「影の手」を持つ妖怪「闇撫(やみなで)」の樹は、霊界探偵として活躍する仙水の活躍を手伝い、そばでずっと見守っている人物です。落ち着いた口調で話すクール系イケメンで、仙水への愛情は深いようにも見えますが、その関係性は非常に歪んでいます。

 仙水が堕ちていくのを見るのが目的で、彼がどんな目に遭おうとも傍観し続けており、自分でその楽しみを「『キャベツ畑』や『コウノトリ』を信じている可愛い女のコに無修正のポルノをつきつける時を想像する様な下卑た快感さ」と語るなど、なかなかのサイコパスです。樹がいなければ、もしかしたら仙水の未来も変わっていたかもしれません。

賢くて優しくてカッコいい!が、実は冷酷な元盗賊でもある 蔵馬

 幽助が信頼を寄せている主人公メンバーのひとりである蔵馬は、綺麗な顔立ちと優しい雰囲気から人気も高いですが、実はちょっとサイコな一面もあるキャラでした。鋭い目つきの美しい妖狐の蔵馬はかつて盗賊団を束ねる総長でしたが、組織に不要と判断すれば、副総長の黄泉でも暗殺しようとしてしまう人物。相手が信頼関係を結んだと思っていても、蔵馬からすれば関係ありません。

 その後、人間として南野秀一に転生し、静かに暮らす蔵馬ですが、母や仲間に危険が及ぶ状況にあれば、非情な決断を下します。その際の表情は非常に冷たく、仙水ファミリーの一員ながらまだ子供の天沼が相手でも、界境トンネルを塞ぐため、桑原を救うために容赦なく死に追いやりました。基本的には優しく、知力や戦闘力も高く、味方であれば心強い蔵馬ですが、敵に回すとかなり怖い人物かもしれません。