車に装備されることも多いフォグランプ。悪天候時に進行方向の路面を照らしつつ、対向車に自分の存在を知らせるためのものです。

フォグは日本語で「霧」を意味する通り、本来であれば、濃霧や大雨などの際に使用すべきものですが、実際には悪天候ではない夜間に常時点灯している車も多いです。通常時に使用することで、違反となったりすることはあるのでしょうか?

フォグランプを常時点灯させるのは違反?

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フォグランプの常時点灯自体は違反にはなりません。しかし「フォグランプのみ」をつけて走行することは違反となります。

道路運送車両法の保安基準では「前部霧灯(フォグランプ)は、車幅灯、尾灯、前部上側端灯、後部上側端灯、番号灯及び側方灯が消灯している場合に点灯できない構造であること」と規定されています。つまり、フォグランプのみを単独で点灯できるようにしている場合は、そもそも保安基準を満たしていません。

言い換えると、フォグランプはスモールランプなどと同時に点灯する必要があります。通常の使用下において、フォグランプをつけるということは、スモールランプやヘッドライトもついているということになるため、法律上は問題ありません。

日中のフォグランプ点灯はどうなる?

明るい昼間の場合でも、違反になることはないと言えるでしょう。タクシーなどが、被視認性を上げるためにライトをつけて走行する場面を目にすることもあるため、併せてフォグランプを点灯させても、違反になるということは考えにくいです。

また、北海道警では『デイ・ライト(昼間点灯)運動』を実施し、日中にライトをつけて走行することを推奨しています。

警察関係者にも聞いてみたところ、「他の交通を妨げない限り、昼間にヘッドライト、スモールランプ、フォグランプをつけることは問題ない」とのこと。つまり正しく取り付けられていれば、夜間・日中どちらの場合でも問題ないことになります。

ただし、他のドライバーの運転に支障が出るような明るさ、取り付け方である場合は、ヘッドライトやスモールランプと同時につけていたとしても検挙される可能性があります。

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無意識にフォグランプをつけている人も多い?

冒頭でお話したとおり、本来であれば悪天候時に使用するフォグランプですが、実際には天候に関わらず使用している車は多いです。

「つけたほうが見やすい」という理由もあるとは思いますが、常時点灯している人が多いのは「車の仕様」も関係しているように感じます。

というのも、一度フォグランプをONにすると、その後はスモールランプの点灯と連動して自動で点灯する仕様になっている車が増えているからです。こういった理由から無意識に使用しているケースも多いように感じます。

スモールランプと連動することから、フォグランプが”イルミネーション化”しているという側面もあるかもしれません。

眩しくて迷惑になることがある?

ヘッドライトあるいはスモールランプ+フォグランプをつけることで他車や歩行者からの視認性が上がるため、事故抑制の方法としても意味はあるでしょう。実際に「デイ・ライト運動」のように、昼間のライト点灯により事故防止を図る取り組みもなされています。

ただし『フォグランプが眩しくて迷惑』など、点灯について悩む方も多いようです。たしかに”目眩し”ともいえるような明るさに改造している車を見かけることもあり、この場合に関しては迷惑行為であるといえます。

純正のものであれば、対向車の迷惑になるようなことは起こりにくいですが、社外品のLEDバルブに交換している場合などは注意する必要があるでしょう。

フォグランプは正しく活用することで、路面状況を把握しやすくなったり、他車や歩行者からの視認性が向上するといったメリットがあります。

しかし、本来の役割を理解せずに使用しているケースや、他のドライバーの迷惑になる使い方をしてしまっていることも。改めてフォグランプの役割や使い方を考えてみてはいかがでしょうか。

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