「駐車枠の真ん中にキッチリ停めて!」無理な駐車でトラブル発生!? 駐車時の迷惑行為ってどんなもの?

大型商業施設や高速道路のSA/PAの駐車場は、多くの人が利用することから、周りに迷惑をかけないように利用することが求められます。しかし自分勝手な振る舞いも散見されますが、駐車場でのルールやマナーにはどのようなことがあるのでしょうか。

車種ごとに決められたスペースに駐車するのが鉄則

 商業施設や街なか、高速道路のSA/PAなど、駐車場は様々な所に設けられています。
 
 多くの人が利用する駐車場には、周囲のクルマに対する「暗黙のルール」が存在しているのですが、なかには自分勝手な振る舞いで迷惑をかけているクルマも散見され、トラブルに発展することもあるようです。
 
 どのようなことに気を付けて駐車するべきなのでしょうか。

 長期連休などで利用する機会することが多い高速道路のSA/PAに関して、広々とした駐車スペースには、白線や青線で1台ごとの駐車マスが指定されていますが、この枠を守らないユーザーが時々いるようです。

 通常、SA/PAなどの大きな駐車場では「小型車」「大型車」「障害者用」「2輪車用」「EV充電専用」などと車種やサイズごとに区分されています。

 しかし、とくに人気のSAなどではこの区分を無視して駐車したり、斜線が引いてあるゼブラゾーンに駐車してしまうクルマもいます。

 行楽シーズンや週末の混雑時は駐車待ちの渋滞が発生するほどですから停めたくなる気持ちも分からなくはないのですが、やはり適正な駐車スペース以外は駐車してはいけないと認識すべきでしょう。

 実際に、NEXCO中日本では「駐車マナーに関するお願い」として、「車種ごとに決められている駐車マス内に駐車すること」「路肩や加減速車線での駐停車禁止」「障害者専用駐車マスの一般客の利用禁止」「バス専用の一般車両の駐停車禁止」といった常識的なマナーだけでなく、「進行方向の順守(逆走禁止)」「長時間駐車は控える」などを呼びかけています。

※ ※ ※

 混雑したSA/PAでは、空いている駐車マスが見つからず、もう1周しようと思う人がいるかもしれませんが、SA/PA内は一方通行が原則です。

 急いでトイレに駆け込みたいといった理由であっても逆走は危険。あまりにも悪質な場合は通報され、警察によって取り締まりの対象になることもあるとNEXCOは注意喚起しています。

 なお、SA/PAでの迷惑駐車や迷惑行為を見かけた場合、自分で注意するのは控えたほうが良いといわれています。というのも、注意されたドライバーがカッとなり「あおり運転」された事例がいくつもあるから。

 そういう場合は、NEXCOなど運営会社か警察に連絡するなどして対応するのが良いでしょう。

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実際にあった駐車トラブルとは?

 では、駐車場での悪いマナーとはどのようなものか、ユーザーの実体験をもとに探ってみましょう。

 Aさん(40代・男性)がよく見かけるのが、ショッピングモールや家電量販店などの大型商業施設の駐車場で見かける迷惑行為。それが「駐車マスからはみ出して駐車」です。

「ホームセンターや家電量販店の駐車場で多いのですが、自分の荷物を積みやすいように駐車マスからはみ出た状態で停めているクルマを見かけます。しかも大抵はかなり狭い駐車場でそういった迷惑行為を目撃します。

 ほかのクルマがわざわざ避けたり、曲がりきれずに切り返ししたりするのを何とも思わないのでしょうか」

 よほど全長や全幅が長いクルマの場合はともかく、一般的なクルマならマス内に停められるはず。マスに並行ではなく斜めに停めているクルマを見かけますが、ドアの開閉や乗降性が悪くなることも考えれば、修正すべきマナーのひとつです。

 同様に駐車マス内とはいえ、どちらか片側に寄せる人もおり、左右に駐車しているクルマのことを考えると、マスの中央を意識して停めたいところです。

 また、混雑時のSA/PAでは駐車マスの取り合いになることがありますが、それが原因で起きたトラブルを目撃したのはKさん(30代・男性)です。

「利用者が多い人気SAで、前後2台分のマスの後ろ側に停めたときのことです。前が空いたと思ったら、1台のクルマがバックで駐車しようとしていたところに後続車が無理やり突っ込んで接触事故が発生しました。

 ドライバー同士で怒鳴り合いの喧嘩になっていましたが、どっちもどっちって感じですね」

 空いている駐車マスの取り合いは、かなりな頻度で起こりやすいトラブルのひとつのようです。

 ただし、接触事故なら警察も介入できますが、暴言の応酬では民事扱いされるだけ。同様に、クラクションを長く鳴らしたり、または何度も鳴らしたりするのもマナーとしては避けたいところです。そもそも法的にもクラクションは危険を知らせるためだけの使用と限定されており、むやみに鳴らしてはいけないということになっています。

 トラブルではないものの、施設の出入り口にできるだけ近いスペースに停めたがる人がいることで、駐車しづらいというケースもあります。

 施設の出入り口の近くの駐車スペースはみんなが停めたがることから、空いている駐車マスを探すのが困難なことがあります。

 近くに停めようと右往左往するより、多少離れていても空いている駐車マスのほうがスムーズに駐車できるというのも覚えておきたいところ。

 少し離れた駐車マスのほうが空いていて、ドアパンチなどの被害への心配も減り、初心者でもゆっくり駐車することができるでしょう。

※ ※ ※

 初心者に限らず、駐車が苦手な人は意外と多いようです。駐車は慣れの部分もありますが、「周囲に迷惑をかけないように停めること」が一番のポイント。

 そのために切り返しなどで多少時間がかかっても、しっかりと駐車マスの中央に収まるように停めるのが、大切なマナーだといえるでしょう。