top_line

足し算+パズルで脳を鍛える!
「2048」はここからプレイ

医療技術がいかに進歩しようとも、決して変わることのない大切な点とは

ゴールドライフオンライン

40年近く大学医学部で教鞭を取り、大学病院では研修医を含めた若手医師の指導に携わってきた著者が、医学部生としての心構えや国家試験に向けた対策、医師になった後のキャリアパスなどを幅広く解説する。医学部入学を目指す人、研修医として学んでいる人、医師として活躍したいと考えるすべての医療人必読の一冊。※本記事は、玉木長良氏の書籍『医学の道 ー大学教員からのアドバイスー』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。

3 医学部教養で自由な学習

⑥  一般教養学習の重要性

大学専門学科になると実習などで忙しくなります。それまでの教養課程の限られた時間に、いろいろな経験を積んでください。そして将来社会人として、とりわけ病めるいろいろな人々への思いやりのある、魅力的な人格形成に役立ててください。

前述した海外旅行や留学も大いにお勧めします。またそのような機会がなくても、大学のクラブ活動に専念することもよいでしょう。同じクラブ内はもちろん、他の大学のクラブ員などとの交流も深まります。同じ目標に向かって皆で協力しあう精神は、社会人になってからも役立つでしょう。

このような教養部での豊かな経験が、いずれ医療人としてさまざまな人々を対象とした仕事において、大いに役立つはずです。

医学教育について、ひとつ大切な点を述べておきます。医学あるいは医療では主に病気の人が対象となります。その病気に関する専門分野に取り組むと共に、病める人を対象とすることを忘れないでください。病んでいる人の気持ち、その環境も理解をしてください。そして患者さんの気持ちに寄り添う考え方を、大切にしてください。

広告の後にも続きます

患者さんの気持ちを重視しつつ、コミュニケーションをとることは、医療技術がいかに進歩しようとも、決して変わることのない、大切な点です。

またこの姿勢は、医学部や病院で多種にわたる教室や医療チームの方々と接していく上で貴重です。このような人格形成をしっかり体得するためにも、教養の一般学習はもちろん、種々の体験を大切にしてほしいと願います。

⑦  心の健康を保とう

最近精神的にぜいじゃくな学生が増えてきていることが、指摘されています。気分がうつ状態になりやすい学生は、以前より散見されていました。きっと気分が落ち込んで、何もできなくなる経験は、誰しもあるでしょう。

多くの場合には、友人たちとの付き合いや、簡単な気分転換で、克服できるものです。このような経験はたいていの方にあるでしょう。また気分の落ち込みの解決策はそれぞれもっているでしょう。

多くの精神科医などの専門家が、その解決策を紹介しているので、詳しいことは専門書に譲ります。簡単に要約すると、健康な心をもつこと、好奇心をもって周囲のことを眺めること、何でも気軽に挑戦してみること、そして何か楽しい趣味をもつことなどが大切です。

特に自分を卑下することなく、小さなことにこだわらず、くよくよしないで、小さなことでも満足することに務めましょう。このような健康心をもつことに、心配りしてはどうでしょうか。このことは医学部学生に限らず、医学部を受験しようとする高校生、あるいは医学部を卒業した医師など、すべてに共通する大切な姿勢です。

  • 1
  • 2
 
   

ランキング

ジャンル