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「警子のけいの字が警察の警って、よくそんな名前付けたよな」とつい口にしてしまった

ゴールドライフオンライン

「刑務所も満杯なんだ! 軽々しく刑期が長くなる殺人罪なんかで起訴できないんだ!」現代日本が抱える喫緊の課題を鋭く捉えた、渾身の政治小説第4弾。※本記事は、利根川尊徳氏の小説『司法崩壊! ~刑務所が足りない!起訴できない!~』(幻冬舎ルネッサンス)より、一部抜粋・編集したものです。

第一章 「刑務所が足りない!」

昼食を食べ終える頃、桜田が「こんな食事を規則正しく摂取していたなら、痛風や糖尿病持ちの反社の幹部達も、食事療法とタバコもお酒も飲めない徹底した節制のお陰で頗(すこぶ)る健康な体になって出所していくわけね」と呟くと

「全くその通りなんです。入所の際の健康診断で血圧や尿酸値が指摘された収容者が、一年以上入所しているとほぼ正常値まで数値を改善して出所してゆきます。正に日本が飽食なのだと痛感させられる瞬間なのです」と所長の須崎が体験を語ってくれた。

そして続けて「検事は代理処罰についてどうお考えですか?」と質した。

「代理処罰は犯人引き渡し条約のない国へ犯人が逃亡した場合、逃げ得を許さないよう、逃げた国に捜査及び裁判を委ねる制度ですが、それが?」と団が答えると

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「そこなんですが、外国人犯罪者全てをその本国に突き返して代理処罰してもらった方がいいのではないでしょうか? その上で二度と日本の土を踏ませない方が日本の治安にとってはいいと思えてならないのです。そうすれば刑務所の許容量を復活させる事もできます」と須崎が提案すると

「それ! グッドアイディア、大賛成!」と桜田が反応した。

「なるほど、確かにいいアイディアだ。それなら確実に急増している外国人犯罪に対処できる」と団が検事としての視点で賛成した。続けて団が

「正直言って、色々と厳しい日本の財政事情の中で全くと言っていい程リターンのない司法予算は、財務省の厳しい査定でほとんど増えない中で裁判員裁判等は膨大な経費が掛かるんだ。とても刑務所を増設するゆとり等ないのが現状だ」と本音を吐露すると須崎も

「我々も予算には悩まされています。受刑者の社会復帰に役立つ様にと就業支援として一般的なイメージである家具の製造や靴の製造等を収容者にしてきたのですが、そんなもの今や全く役に立ちません。

そんな中でこれからはパソコンのスキルだという事でデスクトップパソコンを導入して、表計算ソフト等を習熟させてきたのですが、巷ではタブレット端末でアプリをダウンロードして作業をする様になり、ほとんど役に立たないのが現状です。

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