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廃遊園地をニコラス・ケイジがお掃除!? 快作ホラコメ『ウィリーズ・ワンダーランド』の予想外の面白さ

BANGER!!!

静かなるニコラス・ケイジ

ニコラス・ケイジ演じる寡黙な男が、恐ろしい殺人鬼と対峙する……。そんな感じの映画、どこかで観たかもしれないなと思わせるあらすじだが、この『ウィリーズ・ワンダーランド』はごく短期間の劇場公開となったため、ケイジのファンでもスルーしているかもしれない隠れた逸品だ。

プロデュースも務めたケイジが演じる謎多き主人公の名は、ずばり“The Janitor(用務員、清掃員)”。彼は寡黙……どころではなくセリフも一切ナシ、という大胆なキャラクターだ。しかし、この全く喋らない謎すぎるキャラクターがケイジにドはまり。多くの映画祭で絶賛された近作『PIG/ピッグ』(2020年)でも寡黙な老人を演じていたが、いま“静かなるケイジ”がアツいのかもしれない。

ケイジ VS 動物ロボット軍団

映画はThe Janitor(以下、ケイジ)がシボレー・カマロで爆走するところから始まる。何者かが設置したスティンガースパイク(タイヤをパンクさせるトゲトゲ)によって立ち往生したケイジは、通りがかったトラックに牽引してもらい修理を依頼するが、現金のみ1000ドルという費用が払えない。そこで“ある仕事”をこなせばチャラにしてもらう条件で、クライアントを紹介してもらうことに。

その仕事というのが、危険なブツを運ぶとか人質の救出とかではなく、閉業中の遊園地の掃除。近いうち営業を再開したいというオーナーから「園内をピカピカにしてくれたら車の修理代を肩代わりする」と言われたケイジは、無言で彼と握手し交渉成立。スタッフ用のダサいTシャツに着替え、さっそく掃除を開始するのだった。

廃遊園地<ウィリーズ・ワンダーランド>にはメインキャラであるイタチのウィリーをはじめ、ワニ、カメ、ゴリラ、ダチョウ、カメレオンといった動物マスコットたちのロボットが、ホコリまみれで放置されていた。さらに、以前からこの遊園地の存在を怪しんでいた地元の少女リヴが、仲間たちと共に園内に侵入し火を放とうと企んでいて……。

なんだかクセになる不思議設定の数々

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※以下、物語の内容に一部触れています。ご注意ください。

一体いつから放置されていたのか、表も裏も荒れ放題の園内。相変わらず寡黙に淡々と掃除をするケイジを見つめていたのは、怪しいオーナーでも侵入した若者たちでもなく、勝手に動くはずのないロボットたち! そう、本作は“人間を襲う動物ロボ”とケイジが壮絶なバトルを繰り広げる、バイオレンス・ホラー・コメディなのである。

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