V型エンジンとは?
レシプロエンジンとは、シリンダー(気筒)内をピストンが往復運動する機関を持つエンジンのことを言います。
市販車の多くは「直列型エンジン」と呼ばれるタイプが採用されています。何が直列かといえば、シリンダーが1列につまり直列に並んでいる構造なのです。
もう一つ「V型エンジン」と呼ばれるタイプがあります。V型とは2つのシリンダーが文字通り「V」の字のように2列になっています。
例えば6気筒エンジンですと、直列6気筒エンジンは6つのシリンダーがまっすぐ直列に並び、V型6気筒エンジンでは、V型の2列にシリンダーが3つずつ並ぶ構造となります。
車で市販化されたV型エンジンは、今までにV4、V6、V8、V10、V12、V16まで存在しています。
V型エンジンの音
こちらの動画は、V6気筒のエンジン音と排気音集をご紹介しています。
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V型エンジンの構造・仕組み
上の写真をご覧ください。これはV型6気筒エンジンです。左右に3つずつピストンが「V」の字に配列されていることがわかります。
その下にあるのがクランクシャフトと呼ばれるものです。クランクシャフトには全てのピストンが繋がっています。
ピストンとクランクシャフトの間にある棒状の部品をコンロッドと呼びます。
各ピストンで得た動力をクランクシャフトに回転運動として伝達します。この回転運動が、クラッチなどを経由して駆動輪に伝えられることによって車は走ることができます。
V型エンジンと聞くと、高性能なスポーツカーのエンジンとして聞くことが多いのではないでしょうか?
自動車最高峰レースF1のエンジンもV型エンジンを採用しています。V型エンジンがスポーツカーやレースカーで採用される理由は、V型エンジンの構造とメリットに答えがあります。
V型エンジンの構造
V型エンジンのシリンダー列をバンクと呼びます。左右両バンクの「V」の字の角度のことをバンク角といいます。
バンク角はエンジンの気筒数と振動バランスの関係によって異なってきます。一般的なV型エンジンのバンク角は、V6とV12は60度、V8は90度、V10は72度を採用されています。
V12の場合は更に180度のバンク角を持つエンジンも存在します。180度というと水平対向エンジンと思われがちですが、その違いはクランクシャフトとコンロッドが接続される位置です。
左右バンクで対になる2つのコンロッドがクランクシャフトの同じ位置で接続されているのが180度V型です。それに対して対になるコンロッドがクランクシャフトの別々の場所で接続されているのが水平対向エンジンです。
これはエンジン内部の話なので、エンジンの外観からV型か水平対向かを見極めることは非常に困難です。