大自然を楽しむキャンプでは、ウルトラライト(UL)や野営、ブッシュクラフトなど、様々なスタイルが定着し、多様性に富んでいます。また、キャンプそのものを楽しむだけではなく、登山やカヤックなどのアウトドアアクティビティや温泉などのレジャーなど、何かの遊びをプラスするスタイルも増えてきました。

筆者も同様に、キャンプにマウンテンバイク(以下MTBと略)をプラスして楽しんでいます。

キャンプの相棒にMTBやロードバイク(ロードレーサー)などの自転車をプラスすると、ただ移動するために走るだけではなく、電車でキャンプ地の近くまで行き、駅から自転車で移動する「輪行キャンプ」など、様々な自転車キャンプを楽しむことができます。

MTBとロードバイク、その特徴の違いからどちらも魅力的ですが、今回は筆者が普段から楽しんでいるMTBについてご紹介します。

「なぜMTBなのか」というと、キャンプ場の造られる場所は自然豊かなエリアであることが多く、舗装されていない河原や林道、坂道などのオフロードも多く存在するから。

舗装された道路を楽に速く走れるロードバイクでキャンプ場に向かうキャンパーさんも多いと思いますが、キャンプ場によってはオフロード走行が得意なMTBでないと走るのが難しい場合も出てくることがあります。

また、人気のキャンプ場である「ふもとっぱら」のように、MTBコースが常設されているキャンプ場もあります。林道やコースなどをMTBで走破するアクティビティは、難易度によっては初心者も楽しむことができ、ソロキャンだけでなくファミリーやグループでのキャンプとの相性も抜群です。

では、初心者や子供たちはどんなMTBを選んだらいいのでしょうか?

今回、大手スポーツ自転車ショップのワイズロードさんのご協力で、初心者や子供たちがMTBを選ぶ時のおすすめと注意点を教えていただきましたので、ご紹介しましょう。

小学校高学年から中学生の自転車選びは難しい?

我が家の息子が中学一年生になり、小3の時に買った24インチのMTBが小さくなったので、自転車の買い替えを検討していました。

中学生といえば成長期。平均身長は155cmから165cmとなり、急激に背が伸びる子供も多いようです。

街中での使用に適した軽快車(シティサイクル・ママチャリ)は、適応身長が150cm~175cm以上と調整幅が広いですが、ロードバイクなどのスポーツ自転車は、体格に合わせたサイズ選びが重要です。

ハンドル、サドル、ペダルの三角形のポジションが、身長や腕、足の長さと密接な関係がある為、成長と共に買いかえる必要もあります。

しかし高額なスポーツ自転車は、子供が成長したからといって、1~2年で買いかえるなんて難しいですよね。

その点、MTBの場合は、最初からトップチューブの高さが低いモデルが比較的多く、ワンサイズ大きくても乗れます。

また、ドロッパーシートポストという、ワンタッチでサドルの高さが変えられるものもあるので、乗り降りも簡単なんです。

そしてある程度成長しても、少しくらいなら小さいサイズのMTBでも軽やかに乗りこなすことが可能です。

実際に筆者が愛用しているMTBも、常設コース用のMTBは身長に対してジャストサイズですが、林道やテクニカルなコースを走る時のMTBはワンサイズ小さいものを選んでいます。ちなみに、普段の街中の走行でも同じ小さいMTBを使っていますよ。

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MTB選びは専門のスタッフに相談するのが後悔しない

今回お話をうかがったのは、MTBの在庫も豊富な大型店「ワイズロード東大和店」の大野店長です。

一口でMTBと言っても、実は用途によって幅広いジャンルに分けられる自転車スポーツです。

太いブロックタイヤを装備し、オフロードを走ることを目的に作られていますが、前輪にのみサスペンションが付いているもの(ハードテイル)や、前後輪にもサスペンションが付いているもの(フルサス)など、多岐にわたります。

坂を登るのが得意なモデル、坂を下るのが得意なモデル、その両方をこなせるモデル、ジャンプやトリックが得意なモデルなど、フレームの設計やサスペンションのストローク量などの違いで、それぞれ性能の異なるMTBが販売されています。

その為、見た目が同じようなMTBも性能はピンキリです。値段も10万円程度から100万円を超えるMTBまで存在します。円安や資材・輸送コストの上昇など、物価高騰で自転車の価格も以前と比べて1.5倍以上になっているものも散見されます。

もちろんそれらに比べて低価格のMTBも販売されています。街中での使用であれば、それでいいかもしれません。しかし、それらの製品の中には、使われている部品が悪路走行に耐えられないものもあり、購入後に後悔するようなケースに見舞われる事もあるそうです。

これからMTBを始めてみようと思っている初心者の方は、最新のMTBに詳しい専門店の店員さんに相談することをおすすめします。