全長5m超えトヨタ「大型バン」公開! 縦4灯テール採用の斬新デザイン!? 「新型ハイエース」特許庁公表で、市販化は?

特許庁はトヨタ車体による意匠登録を明らかにしました。「グローバル ハイエース BEV コンセプト」と思われるモデルですが、どのような特徴があるのでしょうか。

意匠登録されたハイエース、登場は間近かも?

 2024年3月11日に特許庁はトヨタ車体による意匠登録を明らかにしました。
 
 それは「グローバル ハイエース BEV コンセプト」と思われるモデルです。

「ジャパン・モビリティ・ショー2023」でトヨタ車体が展示したグローバル ハイエース BEV コンセプトが意匠登録されたということは今後、市販化の可能性はあるのでしょうか。

 トヨタのグループ企業で、「ハイエース」や「アルファード/ヴェルファイア」「ノア/ヴォクシー」などの生産を手掛けるトヨタ車体は、2023年10月から11月にかけて開催された「ジャパン・モビリティ・ショー2023」でグローバル ハイエース BEV コンセプトを世界初公開しました。

 グローバル ハイエース BEV コンセプトは、その名のとおり、ハイエースのBEV版を示唆するコンセプトモデルです。

 セミボンネットスタイルのそのデザインは、国内で販売されているハイエース(200系)よりも海外向けのハイエース(300系)に近く、ボディサイズも全長5280mm×全幅1950mm×全高1990mmと300系とほぼ同じサイズ感です。

 その巨大なボディを活かした高い積載性もさることながら、フラットフロアやウォークスルー、荷物を楽に移動できる専用カートを備えるなど、商用車としての使いやすさを追求している点も魅力です。

 また、センターコンソール上には大型のディスプレイが搭載されており、コネクテッド技術を活用した配送ルートの最適化など、配達効率向上のための機能も備わっています。

 グローバル ハイエース BEV コンセプトは、ジャパン・モビリティ・ショー2023に続いて、「メッセナゴヤ 2023」にも出展され、それぞれ大きな注目を集めました。

 ただ、次期ハイエースがBEV化することと、現行ハイエースを超える大柄なボディを持つようになることに対して、不安を覚えるユーザーも少なくなかったようです。

 一方、トヨタ車体はグローバル ハイエース BEV コンセプトについて「多様化する社会のニーズにお応えできる新しい商用バンの形を一つの選択肢として提案した」と説明しています。

 この表現から読み取れるのは、このコンセプトモデルはあくまで次期ハイエースのラインナップのひとつであり、それ以外の選択肢も用意される可能性が高いということです。

 実際、ハイエースは非常に多岐にわたる利用形態があり、そのなかにはBEVが適さないものもあります。

 逆に言えば、それだけ多岐にわたる利用形態があるハイエースだからこそ、BEVのニーズがあるということもできます。

 いずれにせよ、選択肢が増えるという点で、ハイエースのBEV化はユーザーにとって大きなメリットがあると言えそうです。

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ハイエースはBEVだけじゃない!? 可能性を秘めたグローバル展開とは

 大きな話題を呼んだグローバル ハイエース BEV コンセプトですが、2024年4月時点では、具体的な市販の予定はアナウンスされていません。

 一方、2024年3月に、グローバル ハイエース BEV コンセプトと見られるデザインが特許庁に意匠登録されたことが明らかとなっています。

 意匠登録されたデザインを見ると、先進的なフロントマスクやリアコンビネーションランプ、観音開き式のリアドアなどといったグローバル ハイエース BEV コンセプトの特徴的な要素がすべて再現されていることがわかります。

 特許庁に意匠登録されたものが必ず市販されるわけではありませんが、市販されるモデルのほぼすべてが意匠登録されていることを考えると、近い将来にグローバル ハイエース BEV コンセプトの市販版が登場する可能性は高いと見られます。

 ただ、グローバル ハイエース BEV コンセプトのパワートレインについては具体的に明らかにされておらず、スペックや航続距離についても不明です。

 商用BEVという点では、トヨタは欧州市場で「プロエース エレクトリック」などを販売していますが、これはステランティスからOEM供給を受けているモデルであるため、次期ハイエースと直接の関係はなさそうです。

 このように、現時点ではグローバル ハイエース BEV コンセプトの市販版については、ほとんど情報がないというのが実情です。

 しかし、グローバル ハイエース BEV コンセプトが市販されれば、多くのユーザーに直接的・間接的に影響を与えるモデルとなることは確実であり、トヨタ車体による新情報が待たれます。

※ ※ ※

 なお2023年11月11日にトヨタは300系の試作車として水素エンジンを搭載したモデルをお披露目しています。

 またその際にトヨタの中嶋裕樹副社長は「ハイエースに関しては、FCEV(燃料電池車)と水素エンジン、さらにはハイブリッドも検討している」と語っていました。

 こうしたこともあり、グローバルで活躍するハイエースのマルチパスウェイ戦略において、従来のガソリン・ディーゼル以外となるカーボンニュートラルなパワートレインは近々登場すること可能性は大いに高いと見られます。